2007/6/9

ネットのウワサを徹底検証!!
 ペッパーランチ事件の真相はこうだ!

 ネットが一つの情報源となっている今、読者の皆さんはそれが事実か否か、興味を持ったことはないだろうか。最近、大阪で起きた事件についてインターネット掲示板上で、疑問・疑惑が取り上げられ、書き込み数、アクセス数が爆発的に伸びた事案がある。常日ごろよりネットの真偽に興味を持っている弊社として、この噂が事実かどうか徹底検証を試みたところ、興味深い結果が浮かび上がった。読者必見の徹底検証シリーズ第2弾は題して「ペッパーランチ事件の真相はこうだ!」

ネットのウワサ

 大阪のど真ん中で、全国に名を知られるフランチャイズチェーン店の店長と店員が起こした大胆不敵な犯罪。同事件においてネット上ではさまざまな情報・憶測が飛び交っている。事件そのものの残忍さはもちろんのこと、マスコミ、警察の事件の取り扱いについての疑問点も多く挙げられ、「報道規制では」という声も多く、「背後に何らかの闇の組織が関与しているのでは」という推測まで飛び出している。以下、ネットで疑問点として挙げられている事項を紹介する。

「ペッパーランチ心斎橋店女性客拉致監禁強姦強盗事件まとめ」
http://www22.atwiki.jp/pepper_rape/より「事件の疑惑」を抜粋

2007/06/01(金) 12:51:07
●5月9日に発生した事件なのに初報道は5月16日。なぜこんなに時間が掛かったのか?
●顔写真は店長である北山大輔容疑者の中学生時代→30日にやっと直近の写真、三宅正信容疑者は遅れて中学生時代の写真のみ。なぜか?
●「囲っておくつもりだった」→「飼っておくつもりだった」とあるが顔バレしているのに、監禁して隠ぺいできる環境だったのか?
●赤字店舗の店長に今年4月に就任した直後から、レイプ対象の女性を物色→店長の北山は6月に結婚予定、三宅も女性と同棲中なのに?
●被害者は「現場には男が4人ほどいた」と証言しているが、その後の報道で2人のみの犯行になっているが不自然ではないか?
●公判で明らかにされると思うが、警察が余罪無し共犯無しと断定した根拠は何か?またマスコミは疑問に思わないのか?
●5月16日の報道直後から、起訴される5月30日までマスコミが続報をやめたのは何故か?(一部週刊誌のみで新聞・テレビはスルー)
●上場企業の営業中の店内で店長による拉致事件であり、誰もが被害者になる可能性があった事件だが報道が少なすぎないか?
●初期報道の直後からgoogle八分、キャッシュ削除、gooの検索キーワード除外、ペッパーランチのHPの閉鎖などネット対応ができたのはなぜか?
●ペッパーランチは12日に事件を知ったはずだが、16日の初報道時には店舗の外観からは看板などが撤去済みだった手際が良すぎないか?
●北山が起こした過去のトラブルを無視して、誰が北山を店長へ推薦したのか?推薦者がペッパーの関係者なら他店にも危険が無いか?
●北山が経営委託店の店長に就任するための費用は誰が出資しているのか?
●「メルヘソ」というイベントにて、司会の吉本興業の芸人がペッパーランチ心斎橋店の隣の千日前店でバイトをしていると発言。「拉致した女性は3人いた」とも発言している。
5月25日23時〜ALL NIGHT @大阪 心斎橋club triangleにて(情報源はmixi)


「これが事実だ」 南署の取材結果

 大阪・ミナミのステーキチェーン店「ペッパーランチ」心斎橋店で、オーナー店長らが女性客を拉致し、強姦した事件で、大阪地検はこう留期限が切れる5月30日、店長の北山大輔容疑者(25)=泉佐野市新安松2=と店員の三宅正信容疑者(25)を逮捕監禁致傷と強盗強姦の罪で起訴した。捜査の結果、ほかに共犯者も被害者もなかったという結論に達しており、捜査を終結した。南署によると、泉佐野市内の中学校で同級生だった2人は、同市内のゲームセンターで親しくなり、北山容疑者に誘われた三宅容疑者が同店で働くようになった。ランチタイムなど忙しい短時間帯には別のアルバイトもいたものの、店はほとんど2人でやっていた。

 店には若い女性客が多かった。ムラムラしたという2人は「女をレイプしよう」と相談。これが4月初めのことだった。街を歩いている女性に車で近付き、そのまま拉致することを計画し、実際にその目的で浪速区内などを走っている。

 しかし実際には難しかった。そこで考えついたのが、客の少ない深夜に自分の店で女性を襲うことだった。「それなら逃げられないようにしやすい」と一方が言えば、片方は「できるかもしれん」と納得したというから「頭の中で現実と妄想がごっちゃになっているところがある」(捜査員)男たちだったようだ。スタンガンと睡眠薬、さらに革製の拘束具を携帯サイトで購入し、4月下旬には店内に常備し、標的の女性が現れるのを待った。そして5月9日午前0時20分ごろ。この日は客が少なく、閉店するつもりで、3枚シャッターのうち2枚をすでに下ろしていた。そこへ入ってきたのが、20歳代前半の「かわいい」女性の1人客だった。もちろん当時、店内には客はいなかった。女性が食事を始めると、三宅容疑者が閉店準備を装い、残ったシャッターを閉めた。北山容疑者が女性客の首筋にスタンガンを押し付けた。「騒ぐと殺すぞ」と脅し、睡眠薬を無理に飲ませ、こん睡状態になった女性を拘束具で緊縛した。おまけに5万6千円入りの財布まで奪った。その後、三宅容疑者が泉佐野市内まで取りに帰った車で、女性を同市内の貸しガレージへと連れ去り、そこで女性を強姦している。そのうえ強姦後も緊縛したまま、女性をガレージ内に監禁しておいて、2人は仕事をするために店に戻った。監禁したのは、店の者だと知られているので「捕まる。飼っておけばバレないと思った」からだとか。女性は近くに住むガレージ利用の人に助けを求め、脱出。泉佐野署に届け出た。同署から連絡を受けた南署の刑事が店に行き、2人に任意同行を求め、その後、同署で通常逮捕した。

 当初、睡眠薬でもうろうとした状態だったうえに、アイマスクもされていた女性の証言が頼りないものだっただけに、ほかにも犯人や被害者がいたとの疑いもあったが、血液検査やポリグラフなどの証拠で、その線はいずれも否定された。

 またペッパーランチを全国に展開する「ペッパーフードサービス」は事件の翌日にオーナー店長の北山容疑者と営業委託契約を解消したという。


府警担当記者のコメント

 ネット上の情報で最も大切なものは「共犯者」と「余罪」だ。これについて被害者の女性が最初に状況を説明した際、容疑者たちに無理やり飲まされた睡眠薬の影響で、きちんと記憶の整理ができていなくて、犯人の人数が把握しきれていなかった。後に記憶を整理することで、被害者も犯人が2人であったと判明したという。

 しかも血液検査やポリグラフで「犯人は2人」が実証された。これを信じるか、信じないか、だ。 「常習犯ではないか」との意見はもっともだ。誰しも疑うことだが、警察の捜査や取り調べでも出てきていない。手口についても「ガレージや睡眠薬」の用意を「慣れ」と指摘する意見が出ていたが、ガレージはこのために用意したものではない。泉佐野市内とミナミは遠すぎた。女性を運び、目的を達した時には、すでに朝の9時近くになっていた。その間の行動には慣れを感じさせないものも多かった。報道後も被害者以外からの訴え、証言がまったくなかった。

 吉本の芸人が「拉致した女性は3人いた」と発言しているそうだが、これが「うそ」でないならば、市民の義務として警察に届け出るべき内容である。もっとも何らかの信ぴょう性がある話ならば、捜査員が聞きに行っているはずだが。いずれにしろ事件はこれからの裁判で詳細に市民に明らかにされる。興味がある人は傍聴すればいい。


ネットサーファー記者のコメント

 ネット上で事件についての討論が盛り上がっている最中、わたし自身もあらゆる情報を集めようとネット上で検索をかけまくった。「組織ぐるみの陰謀論」「報道規制疑惑」に影響された。「地元で起こった事件なのに、地元紙が取り上げないわけにはいかない」と単純な正義感にかられて取材したが、結局は自分の思い込み、先入観がいかに恐いものかを痛感させられた。

 しかし今回の事件でインターネット掲示板の情報量、アクセス数からその関心の高さ、情報量には驚かされた。 “強姦”という強烈な言葉の印象からか、事件の性質からか、多くの人が関心を持ち、意見をめぐらせた。「隠されたもの」「人が隠そうとしているもの」はよけいに見たい人間の欲望なのかもしれない。そして人間の想像力は果てしないことを自分の身をもって思い知らされた。

 ネットを検索している時、いつのまにか「事実」ではなく「自分の信じたいもの」を裏付けるために情報を検索している自分がいた。納得のいく答えを探し続けるか、飽きるか、想像が一人歩きするのか。今回わたしは「事実」ではなく「自分」を信じた。冷静になるとそう考えさせられる一件だった。


本紙の意見

 問題の本質は「事実は決して1つだけではない」ということだろう。

 マスコミは「客観的に事実のみを伝える」と一般には思われているが、そんなことは決してない。記者が「それを書いたらおもしろい」「それは大事だ」と考えたからこそ記事にするのであって、まず「客観的」ではない。さらに、字数の成約などもあって知り得たことの何分の一かしか実際には記事に書かない。

 今回の事件は社会的反響が高いことが予想されたため、各新聞、テレビとも大きく報道した。だが、実際には1行の記事にもならない殺人事件、強姦事件なども発生している。それを取り上げて「マスコミは真実を伝えない」と批判することは簡単だが、情報の受け手(読者、視聴者)としてもマスコミの限界は頭においておくべきだろう。

 一方、インターネット。一般に言われているように、ネット社会では匿名で情報がやり取りされることが多く、情報の信頼性は決して高いとは言えない。

 だが、多方面から寄せられる情報は大量で、その中から信頼に足る事実が出てくる可能性もある。写メールが広く普及し、撮影された写真や動画が新聞やテレビでも使われる時代だ。映像ばかりでなく、当事者やそれに近い人たちからの情報が寄せられる可能性も高く、マスコミ以上に「真実」に近い情報が流されることも確実にある。

 大切なことは、情報の受け手がそれぞれのメディアの特性を知ってうまく情報を利用することだろう。「ネットだから信じられない」「マスコミが流すからすべてを信じる」ではなく、情報に踊らされないで最終的にはそれぞれの「真実」を探り当てる力を養うことが一人一人に求められているのではないか。「真実」はたった一つではないのだから。

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