週刊大阪日日新聞

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(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2018/11/10

きらめくワーキング・ウーマン

女性の再就職支援

育児経験生かす 資格取得を支援


▲学研教室では女性が子育ての経験を生かし、いきいきと働いている

 民間も女性活躍の場は広がりつつある。主に幼児〜中学生を対象とした学習塾「学研教室」では、多くの女性が育児経験を生かし、子どもたちの指導者として活躍している。

 府内の教室を統括する学研エデューケショナル大阪中央事務局によると、2017年10月〜18年10月までの教室開設に関する問い合わせは7年前の1・6倍。問い合わせの8割が女性で、自分の子どもが小学校に入学したのを機に教室を開くケースが多い。

 人気の秘密は時間の空いているときに自宅の一室などで働ける自由さにある。教室は週2回、1回3時間程度。自分の子どもを保育所や学童保育に預ける時間も短くて済む。

 未経験者への研修制度も充実している。開設前に2カ月かけて教材の仕組みや採点方法、幼児の指導法などを習得し、開設後も保護者との関係構築や税務など、教室を運営していく上で必要な知識を勉強できる。

 同社関西支社の滝歩支社長代理は「子育てに悩む保護者に『大丈夫』と言ってあ-げられるのが育児を経験した先生ならでは。強みを生かして働いてほしい」と話す。


▲パソコンスキルや社会マナーなどさまざまな指導が受けられる「資格とキャリアのスクール ノア」

 資格取得を支援する民間のスクールも活況だ。ウェブデザインやホームページ作成のパソコンスキル、話し方、ビジネスマナーなど、スキル向上や資格取得をサポートする「資格とキャリアのスクール ノア」(本部・大阪市北区)。梅田、あべのハルカスの2校に通う計520人の6〜7割が女性だ。

 復職を目指す主婦は全体の1〜2割。子育てや介護で家を空けられず、フリーランスや在宅ワークを希望する人が増えている。結婚や出産を機に営業職を辞め、内勤の仕事に再就職するため新たにパソコンスキルを学ぶ人、スクールで学んだ知識を生かしてフリーランスでホームページ作成の仕事を始めた人もいる。

- 卒業生の岡崎千沙さん(37)は、妊娠を機に薬局の医療事務を退職。妊娠中にノアでパソコンのスキルを獲得し、子どもが2歳の時に仕事復帰、現在はビジネススクールの受付と営業をこなす。岡崎さんは「同じように勉強する人やスタッフのおかげで気分転換をしながら楽しく学べた」と振り返る。

 スクールマネジャーの柴橋静華さん(37)は「復職希望者は迷いつつも何とかしたいと思っている人が多い。(学び直しは)新たな発見や人脈を広げることにもつながる。相談できる場所を提供していきたい」と話す。


「ずっと携わりたい」

美容師の高野マユミさん

▲美容師として輝き続ける高野さん=大阪市都島区のヘアースタジオイワサキ京橋店

 美容室のHAIR STUDIO IWASAKI(ヘアースタジオイワサキ)京橋店(大阪市都島区)と鴫野店(同市城東区)に勤務する高野マユミさん(56)は、美容師歴35年以上のベテランだ。一度離れた美容業界だったが、子育てや介護などのライフステージに合わせた働き方を選択できる美容室で、身に付けた技術を生かし輝いている。

 ハクブン(神奈川県横浜市)が全国で展開するヘアースタジオイワサキは、1日数時間からの勤務が可能で、ブランクがある経験者のために研修期間もある。

 高野さんは、母親の介護があり美容師を辞めた。介護を始めて半年、家にこもりがちになった生活にストレスを感じていた。求人広告の「1日1、2時間でも」という言葉に引かれ、2009年秋にイワサキで働き始め、8年が過ぎた。

 カットやカラーなど一通りの技術は身に付いていた。現場から離れた期間があり、流行についていけるか心配があったが、同僚のサポートを受けながら、少しずつ感覚を取り戻していった。

 「家と違う場所にいれて、お客様と話ができ、給料までもらえる」と高野さんは声を弾ませる。仕事ができることが元気につながっていると強調し、「自己管理ができて体が元気なら、ずっと携わっていきたい」と笑顔だった。


自分ができる範囲で「最大限のパフォーマンスが発揮できる仕事」を見つけよう!

学研 高井田東教室 木田佳子先生特別インタビュー

学研 高井田東教室 木田 佳子さん
東大阪市高井田元町2─28─6
TEL090-7806-6716

 「子どもを育てながら、仕事をするのは大変だけど、周りのサポートがあれば頑張れる」と目を輝かせながら木田佳子先生が熱く語った。

 大学卒業後、地元で就職し、結婚を機に東京へ。30歳のとき夫の転勤で大阪へ、31歳で男の子を授かり、勤めていた会社を退職しました。子育てがはじまり、預かってくれる保育所がなかったため、仕事を断念。働きたい思いが強まる時期でした。

 学研の先生に応募したのは、上の子が2歳、下の子が0歳の時。親から「家でもできる仕事」と薦められたことがきっかけ。学研のことは知っていたので抵抗ありませんでした。

 学研に説明会のお問い合わせをし、子どもが小さく動けないことを相談すると、わざわざ家まで説明に来てくれたのを覚えています。 先生の仕事をするにあたって子育てとの両立ができるか不安でしたが、担当者が熱心に相談に乗ってくれたので安心しました。「学研の先生」認可テスト時は、担当者が子どもを抱っこしてフォローしてくれ「ここなら頑張っていけそう」と思いました。開室まで忙しい日々でしたが、毎回担当者がサポートをしてくれ1年後の34歳で教室をオープンできました。

 3年前、夫の単身赴任が決まり仕事を続けられるか悩んだ時も、担当者が親身に相談にのってくれたおかげで、乗り越えることができました。

 「自分ができる範囲で最大のパフォーマンスを発揮すればいい」と心に決め、それからも、我が子の入院など大変な時期もありましたが、なんとか自分なりに対応しながら教室を続けられました。

 また、1カ月に1回の定例研修会では、講師の話や情報共有などで常に自身のスキルアップにつながり刺激になっています。今も担当者がいつも寄り添ってくれ、課題や悩みの相談に乗ってくれるので心強いです。

 学研の先生になってよかったことは、子どもたちに「勉強が楽しい」と言ってもらえること。長く通ってくれる子どもたちがいることです。また、取り組んでいる問題ができた時の子どもたちの喜ぶ顔を見ることが私の喜びであり、子どもたちの成長に関われるこの仕事にやりがいにを感じています。

 これからの目標は、学研の良さを伝えながら、たくさんの子どもたちに基礎学力をつけてあげたい。学研に通って「良かった」と保護者さんや子どもたちに言われる教育をしていきたいです。


ベビーカーを押しながら取引先へ

地域情報サイト「ドットコム」

▲ドットコムの植村さん(右)と重永さん=大阪市北区

 大阪市内のお店や地域の催しを専用サイトで発信したり、親子で参加できるイベントを企画運営する「ドットコム」。スタッフはみんな子育て中のママさんだ。情報収集や広告の仕事は完全歩合制。子ども連れで働くスタイルも推進し、ママさんたちはマイペースで仕事と育児に向き合っている。

 鶴見、城東区エリアの責任者を務める植村珠貴さん(25)は、夫と長女の3人暮らし。英語教育の保育施設に娘を預けて働き、月収は良いときでは50万円に上るという。「パート勤務と違い、自分が働ける時間に、好きな企画の仕事に取り組める」と職場環境の魅力を語る。

 北区担当の重永亜貴さん(31)はケーキ店のパティシエだったが、結婚を機に退職した。現在は2児の母。ベビーカーを押しながら取引先を訪ねることもあり、「『女性に優しい仕事ですね』と店長に言われたこともある」と話す。

 都島区を拠点に2002年発足したドットコムは活動範囲を市内に広げ、スタッフは20人を超える。ドットコムホールディングスの柳生久理子代表は「子どもがいて働けないという社会を解消したい」と話し、ドットコムの輪の広がりに期待を寄せている。


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