週刊大阪日日新聞

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2018/10/27

風を切って走る爽快感そうかいかん

ロードバイクのススメ

 高速で快適に移動できるスポーツ用自転車「ロードバイク」を楽しむ人が増えている。 単なる移動手段としてではなく、「非日常」や「達成感」を味わうことができる趣味として人気が定着。 長距離を走るロングライドや、坂道を走破するヒルクライムなど楽しみ方も千差万別だ。 近年はTVアニメの影響で女性や子どもたちの愛好者も増加。 孤高の趣味から万人向けへと敷居の下がったロードバイクの世界を紹介する。

 速く、遠くへ人力で移動する乗り物としてロードバイクに勝るものはない。慣れれば1日で200キロm以上を走破することも可能だ。いわゆる「ママチャリ」のような家庭用自転車と何が違うのか。ロードバイクのプロである専門店のスタッフに聞いた。

ロードバイク人気


▲軽量なロードバイク

 自転車産業振興協会(東京)がまとめた販売台数の調査によると、自転車店1店舗当たりの販売台数でロードバイクが占める割合は、2007年の約5%が10年後の17年には3倍の約15%に急成長している。

 全国で450以上の自転車専門店「サイクルベースあさひ」を展開する大手自転車販売会社「あさひ」でもロードバイクを含むスポーツ車の販売は絶好調。16年度(17年2月期)は前年比15%増、17年度は同6・9%増、本年度も3〜5月の前年同期比で17・4%増と右肩上がりだ。

 同社は、17年から専門知識や接客技術で認定する社内資格「接客マイスター」を導入。スポ ーツ車に特化したスポーツスペシャリティストアを全国で27店展開するなど、市場の拡大に敏感に対応している。

ロードバイクとは


▲電動式 シマノ デュラエースDi2 Rディレーラー

 ロードバイクと他の自転車との大きな違いは重量。全国に5人しかいない「接客マイスター」で、摂津千里丘店(摂津市)の萩原章裕副店長(39)によると、一般的な家庭用自転車の平均が約20〜25キロg、マウンテンバイクが約14キロgに対し、ロードバイクは8〜10キロgと軽量だ。重量が軽いほど、加速に必要な力が少なくて済み、上り坂も楽になる。初心者でも、1時間で20キロmほど走ることができる。

 フレームの素材は、軽くて振動吸収性の高いカーボン、比較的安価で頑丈なアルミなどがあり、形状も空力性能を追求するなど改良が加えられている。近年、ギア比を組み替える変速機に従来のワイヤ操作式だけでなく、電動式も登場。ハンドルに備えたボタンを押すだけでギアチェンジが可能になった。

育てる楽しみ


▲ドリンクボトルホルダーや鍵、ライトなどロードバイクを始める際に必要なグッズ

 さまざまなパーツでカスタムできるのも人気の理由だ。ホイールやハンドルに始まり、飲料ボトルを収納するホルダーやライトなど組み合わせは幅広い。

 同店にも大量のパーツが所狭しと並ぶ。月に2、3回来店し、商品をチェックするという吹田市の会社員、小林未佳さん(29)は、ロードバイク歴1年。「学生時代は文化部一筋だった自分が、ここまではまるとは思っていなかった」と笑う。

 初心者のためにショップ主催で清掃やパンク修理などの講習会が開かれることも多い。同店では30〜50キロmのイベントライドも企画し、楽しみながら走行ルールを身に付けられるよう工夫している。

 自転車好きが高じて転職したという萩原副店長は「何を買おうか迷っている時も、購入後のカスタムも楽しいのがロードバイク。愛車を育てる楽しみを共有させてもらいたい」と話す。

初心者が注意するポイント


▲多彩な車種のロードバイクがそろうスポーツ自転車専門店。豊富な知識で初心者にロードバイクの楽しみ方を提案する萩原副店長=サイクルベースあさひ攝津千里丘店

 ロードバイクのサイクリングは、自転車に乗れる人なら誰でも楽しめるが、初心者が注意しなければならないポイントもある。

 最も大切なのは、正しい乗車姿勢で乗れるようサドルやハンドルなどの各パーツを調整することだ。

 サドルの位置は、高過ぎても低過ぎてもペダルに力が伝わらないし、ハンドルが遠過ぎたり近過ぎたりすると姿勢に無理が生じ、肩凝りや腰痛になりかねない。萩原副店長は「高速走行するロードバイクは命を預ける乗り物。きちんとショップで調整して」と呼び掛ける。

 自動車や歩行者に迷惑を掛けないよう、道路交通法に基づく走行マナーもしっかりと頭に入れておく必要がある。不明な点は、ロードバイクの購入時に、しっかりとショップ店員に確認しておこう。

ロードバイクの必需品

 ロードバイクを始めるには、車両本体以外にも必要なものがある。自身の身を守るためのヘルメットや道交法で義務付けられているベルやライトだけではないのだ。

 サイクルベースあさひ摂津千里丘店では、自転車後部に付ける「リアライト」を推奨している。反射板に加えて取り付けることで、後方からの視認性が向上し、夜間やトンネル内ではいち早く気付いてもらえる。

 スピードなどが計測できるサイクルコンピューターも安全運転に一役買うアイテムだ。自分のスピードを客観的な数値で把握することでブレーキのタイミングを間違えずに済む。

 絶対に買わなければならないのがペダルだ。ロードバイクは完成車の販売であってもペダルは別売りが基本。これには理由があって、一般的なペダルではなく、スキー板のようにペダルとシューズを固定するビンディングペダルを選ぶ人が多いからだ。文字通り自転車と一体化することで無駄なく力を伝達できるようになる。


インパクト抜群! FAT BIKE

売れ筋変わり種自転車 女性人気も

▲自分好みの色を選べるファットバイク=グレースジャパン

 ロードバイクを中心にした自転車ブームは、ユニークな自転車の需要も掘り起こした。北区本庄西2丁目に今年8月オープンしたグレースジャパン(浜口隆矢オーナー)は、ファットバイクやビーチクルーザーなど、多彩な自転車を取りそろえる。

 一番人気は極太タイヤのファットバイク。本来は砂浜や雪道を走るための自転車だが、太いタイヤが段差などの衝撃を吸収するため乗り心地が良く街乗りでも人気を集めているという。「ホイール直径20インチのものが威圧感が出過ぎないのでお薦め」と浜口オーナー。

 ビーチクルーザーは元々、米国西海岸のサーファーが乗る自転車で、湾曲したフレームと太いタイヤ、ペダルを逆回転にすると止まる「コースターブレーキ」が特徴。見た目の優雅さから「インスタ映え」する自転車として話題だ。

 車体やブレーキワイヤの色をカスタムし、好みの一台に仕上げることができ、夫婦やカップルで共有する人も多い。


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