週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2018/10/13

台風、豪雨で問題浮き彫りに 

大阪市 空き家率、政令市ワースト1


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 毎年のように台風、豪雨災害が多発し、全国的にも大きな被害が起こっている。空き家戸数が政令指定ワースト1の大阪市の空き家はこれまでも犯罪や非行の温床につながる恐れもあり、行政担当者も「環境や衛生の観点からも、街全体のイメージダウンや活力低下につながる」と指摘しており、昨今の頻発する記録的な豪雨やかぜ台風に空き家の倒壊による被害が危惧される。大阪市では空き屋の適切な管理や活用につながる相談・普及啓発に力を入れている。

管理、相続ネック

 関西では今年6月の大阪府北部地震、7月上旬に西日本を襲った豪雨災害、猛威を振るったかぜ台風21号・24号と立て続けに自然災害が襲った。実際、市内でも建物が損壊し屋根瓦が落ちたり、塀が倒れたり老朽化した住宅では大きな被害が出た。

 なぜ、老朽危険家屋の管理ができないのか。

 市都市計画局が把握している理由(2014年当時)は「所有者が遠方」「相続人不存在」「相続人が複数で意思統一できず管理不全」―が多かった。また、危険度が高い物件(腐朽・破損が大きく、大修理が必要)の放置については「相続人が複数で意思統一できず管理不全」が最も多く、次いで「相続人不存在」「経済的理由」の順―だった。

空き家率高止まり

 総務省が5年に一度、調査している2013年の総務省「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家住宅は約820万戸。うち大阪市は約28万戸で空き家率17・2%(全国平均13・5%)で政令指定都市の中でワースト1。そのうち不動産として流通していない「放置空き家」は約4分の1を占め、大きな社会問題になっている。

 放置して置く理由は「物置として必要」(44・9%)が最も多く、以下は「解体費用をかけたくない」(39・9%)、「特に困っていない」(37・7%)、「将来、自分や親族が使うかもしれない」(36・4%)と続く。

 大阪市では1963年までは総世帯数が総住宅数を上回る状態だったが、68年以降は逆転状態が続き、空き家率が上昇し高止まりしている。市内で空き家率が高い区は西成区(23・8%)、東住吉区(23・8%)、生野区(22・4%)、旭区(21・4%)、隣接自治体の守口市(15・6%)、門真市(17・4%)も高く、老朽木造住宅が多いことが一因と考えられる。

 大阪市は空き家率が高い要因として「大阪市は都市部で住宅の新規供給が活発で、借家率が高いことなどが考えられる」としている。

自治体もバックアップ

 3年前に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家法)が施行され、国や自治体が解決に向けて支援している。

 大阪市では安全・安心の確保や既存ストックの活用、まちづくりなどの観点から、空き家を含めた既存ストックの適切な管理に向けた相談・普及啓発を行っている。また、空き家などの活用につながる「空き家など活用につながる補助制度(防災空地活用型除却費補助など)」「空き家で利用可能な補助制度(狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度/民間老朽住宅建替支援事業)」などの補助制度を実施している。


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