週刊大阪日日新聞

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2018/9/15

なにわ筋線直結で相乗効果 

北梅田─十三─新大阪に新路線構想


▲3路線の分岐駅となっている阪急十三駅。なにわ筋・新大阪連絡線が実現すれば関西の一大結節点となる=大阪市淀川区

 JR大阪駅北側の地下に建設中の北梅田駅と阪急十三駅、JR新大阪駅を結ぶ新路線構想が、現実味を帯びてきた。国の調査では、費用対効果や採算性は概ね「良好」とされ、2031年春の開業を目指す「なにわ筋線」との相乗効果も高まるとの結論が出た。開通すれば、阪急沿線(神戸、宝塚、京都方面)から新大阪、関西国際空港方面へのアクセスは飛躍的に向上する。

関西活性化の切り札

 新路線は、「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」の二つ。いずれも阪急電鉄が構想を打ち出し、関係する鉄道各社や行政との協議・検討を進めている。このうち「なにわ筋連絡線」は北梅田―十三間(2・5キロ)を結び、JR難波駅、南海新今宮駅から延びる「なにわ筋線」と北梅田で直結。「新大阪連絡線」は十三―新大阪駅(2・1キロ)を結ぶ。両連絡線が整備されれば、分断されていた大阪府南部と北部のアクセスが改善。関空からなにわ筋線を経由し、十三で阪急各線と連絡するほか、新大阪に至る直通列車が運行される可能性がある。

 阪急は沿線や関西の活性化の切り札≠ニして期待をかける。同社広報は「関係者と協議を始めた段階」と説明。先行するなにわ筋線の検討状況を見極めつつ調整する考えで、「関西にとって意義のある路線と思っている。関西全体が元気になる姿を描きたい」と整備に前向きだ。

利便性向上

 今年4月には、国土交通省が両連絡線の採算性などを調査した「近畿圏における空港アクセス鉄道ネットワークに関する調査」の結果を公表。建設費は両連絡線で計約1310億円で、なにわ筋連絡線は1日最大13万1千人が利用し、開通から13〜16年目で黒字転換すると試算した。

 同じく阪急が構想を打ち出している阪急宝塚線の曽根―大阪空港(伊丹)間の大阪空港線(4・0キロ)も含めた3路線が整備された場合、なにわ筋線の利用者が増加し相乗効果が高まる可能性にも言及した。

 調査結果をまとめた検討会委員の正司健一神戸大大学院経営学研究科教授(交通政策)は「控え目な需要予測で検討したが、現在の国制度を活用して整備すれば採算性は合う。関空から北摂へのアクセスは分断されており、連絡線で利便性は向上する。リニアや北陸新幹線が乗り入れる新大阪駅と直結されることも価値がある」と強調する。

検討の深度化を

 国の調査で「お墨付き」をもらった形だが、関係者は「まずはなにわ筋線の整備が先決」と口をそろえ、具体的な開通時期や整備主体、整備スキームなどは何ら決まっていない。関係者は「技術的、手続き的になにわ筋線との同時開通は難しい」との見方だ。

 府は14年に策定した公共交通戦略で、西梅田―十三―新大阪に至るルートを事業化に向け検討していく「戦略4路線」として位置付けた。北梅田を発着とする構想が浮上したことから、今後、軌道修正を含めて検討する。

 府都市交通課は「南海やJR阪和線沿線など府南部と阪急沿線がつながり、南北の広域的な交流促進が図られる」と両連絡線の効果を指摘。一方、「整備主体やスケジュール、具体的なルートなど、検討すべき課題は多い」との認識だ。大阪市も「なにわ筋線とは熟度が異なる」とし、「まずは阪急で計画を深化していただく必要がある」との立場を示す。

 なにわ筋線と連絡線の直通運転の在り方など、JR西や南海との協議も残る。連絡線はレール幅が異なるため阪急各線との直通運転ができず、十三駅でどのように乗り換えしやすい工夫をするかも課題だ。

 国は調査で「整備により便益を享受する地域の地方自治体が、連携して関係の鉄道事業者などとの調整を進め、構想の検討を深度化することが期待される」と指摘している。関西の鉄道ネットワークの構築に向け、構想の具体化が期待される。


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