週刊大阪日日新聞

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2018/7/28

熱帯夜に負けない安眠のススメ

 連日、猛烈な暑さに見舞われている。大阪管区気象台によると、大阪府の7〜9月3カ月予報は、平年よりも気温が高くなる見込みだ。府内では昨年、47日間の熱帯夜を記録。積み重なった寝不足は「睡眠負債」として体にさまざまな害を及ぼすことが知られている。猛暑に負けない正しい寝方≠ヘあるか。

真夏の快眠対策

睡眠負債にならないためには

■温度より湿度

▲涼感パッドを始め快眠を助ける寝具が多数並ぶ売り場=大阪市北区梅田3丁目の東急ハンズ梅田店

 「蓄積した睡眠負債は免疫細胞の機能を低下させ、発がんの危険性を上昇させる」と警鐘を鳴らすのは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療など予防医療に詳しい「すぎもと医院」(大阪市都島区)の杉本由文院長(40)。ホルモンの調和や悪性物質を排出する機能が阻害され、アルツハイマー症候群や糖尿病にもかかりやすくなるという。

 休日の「寝だめ」に効果はない。睡眠負債の解消には、生活リズムを整えて日々の睡眠時間を確保する必要があるようだ。

 杉本院長は、熱帯夜でも気持ち良く眠る方法として湿度の調節を重要視。「空調を使う際には温度よりも湿度が大事。湿度が低いと、かいた汗が蒸発しやすく気化熱で体温が下がる」と説明する。

■正しい使用法

 「電気代がかかる」と使用を控える人も多いエアコンだが、現在は省エネ性能に優れたものも多い。夜間であれば約14畳の部屋で5時間つけても約47円しかかからない。ただ、寝冷えや寝起きのだるさなど体調悪化を招く恐れもあるので、上手な付き合いが必要だ。

 エアコン製造大手のダイキン工業(同市北区)は、3時間後に電源が切れるようタイマーを使うことを推奨。

 同社広報の野田久乃さん(32)によると、就寝直後の深い眠りを快適な睡眠環境で過ごすと寝起きの満足度が高くなる。また、起床1時間前にエアコンが稼働するよう設定しておくと、汗のべたつきなく目覚めることができ、さらに満足感が増すという。

■あの手この手

▲快眠できるようマットレスや床材から壁紙、収納に至るまで徹底的にこだわったマッサージ室兼仮眠室=大阪市中央区のマッサージ店「快眠ほぐしサロン すいみん」

 特殊な化学繊維でひんやりした触感を生み出す「涼感パッド」は、熱帯夜を乗り切るには欠かせない存在。同じ繊維を使ったタオルケットや枕も商品化されており、東急ハンズ梅田店(同市北区)には、夏用寝具を60点以上集めた特設売り場がある。

 担当者によると、最近は生地を厚くして弾力性を持たせるなどパッドの種類が細分化。化学繊維特有の触感を敬遠する女性のために、肌触りの良いタオル地と組み合わせるなど自分好みのものを選べるようになった。

 暑さで寝不足に陥ってしまった場合は、睡眠のプロに相談することもできる。マッサージ店「快眠ほぐしサロンすいみん」(同市中央区)は、睡眠の質を高めるサービスを展開。脳疲労の回復を促す頭部マッサージ、壁紙や床材、照明の位置まで計算し尽くした仮眠室が人気だ。

 矢野達人代表は、昼休みに脳疲労を回復することで、その後の脳の活動が活発になり、心地よく眠るための体内環境が整うと指摘。「熱中症と同じように睡眠負債にも対策を講じてほしい」と話す。


猛暑対策の新発明!?

「バケツエアコン」があなたを救う


▲簡単に持ち運びでき、どこでも冷風を発生させることが可能なバケツ型エアコンを手にする中西代表

 どんな場所にも持ち込めるユニークなひんやりアイテム「バケツ型エアコン」を大阪市のベンチャー企業が開発した。短時間、小スペースでの利用を想定しており、停車中の車内や避難所などエアコンが使えない場所を心地よく冷やす。

 バケツ型エアコンは、直径約30cm、高さ約40cmと小型。バッテリー稼働式で、ロックアイスや冷凍したペットボトル水をバケツ内に入れるだけで2〜3時間、約15度の冷風を出す。

 開発したのは、熱中症対策に特化した商品を数多く手掛けるベンチャー企業「クールスマイル」(同市東淀川区、中西雄三代表)。看板商品の着用型エアコンスーツ「クールアーマー」に使われている厚さ約1ミリの特殊フィルムを活用し、室外機も工事も不要な携帯型エアコンを生み出した。

 中西代表が自主開発した特殊フィルムは、幅広い面積で一度に冷水を循環させるため、体温や外気温と効率的に熱交換することができる。バケツ型エアコンには、畳半畳ほどのサイズが折りたたまれており、電動ポンプで氷水を循環し、バケツ内の空気を冷やす仕組みだ。

 バケツ型にしたことで水漏れなどの心配もなく、どこにでも設置が可能。スーパーでの買い物中、エンジンを切った車内で稼働させれば、留守番を任された愛犬も快適だ。

 中西代表は、工事現場やハウス内での農作業に有効な着用型エアコンと併せて「命を守る発明」としてPR。「暑さで亡くなる命は想像以上に多い。職場や家庭でいま一度熱中症対策について考えてほしい」と呼び掛けている。


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