週刊大阪日日新聞

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2018/6/23

平和の道筋見えた 米朝首脳会談

在日コリアン歓迎 拉致問題、今後に注目


▲大阪市東成区のコリアタウンで、米朝首脳会談を報じる街頭テレビ

 史上初の米朝首脳会談が行われた6月12日、シンガポールでの会談の様子を伝えるテレビ中継や報道を目にした大阪の人たちは、さまざまな思いで受け止めた。

 会談は非核化について合意されたことから、今後の朝鮮半島の統一や国交正常化などにつながると期待する声が相次いだ。

 在日外国人の支援に取り組むNPO法人「多民族共生人権教育センター」(大阪市生野区)の事務局長、文公輝(ムンゴンフィ)さん(49)は「朝鮮半島につながりを持つ者として、安全保障に影響を与える二つの国が、大きな一歩を踏み出したことにほっとしている」と歓迎する。

 同法人ではヘイトスピーチ(憎悪表現)の規制を求める活動もしていることから、政情不安が「在日コリアンを攻撃する口実として使われてきた」と指摘し、「和平が進み、(排外の)風潮が改善されれば」と期待を寄せた。

 大阪市生野区の在日コリアン3世の鄭甲寿(チョンカプス)さん(63)は「予想以上の結果だと思う。4月の南北首脳会談が朝米会談につながった。朝鮮戦争の終戦宣言も、今後あるかもしれない。東アジアの平和に向け明るい未来が開けた」と喜んだ。

 経済活動には明るい兆し。フッ素樹脂コーティングの日本フッソ工業(堺市)は、韓国に工場を建設して現地法人をつくってから約20年になる。

 豊岡敬社長は「業績は良く、事業は順調だが朝鮮半島の有事が心配だった。現地の駐在員には、防空壕(ごう)の位置の確認やビジネスクラスのオープンチケットの準備を指示している。昨年、南北の緊張が高まった時には心配した。民間企業には平和が大事。今回の会談で戦争の危機が遠のいたことは歓迎したい」と話した。

 日本にとって懸案の拉致問題は、米朝首脳会談では提起されたにとどまり、今後の協議に注目が移る。大阪では7月に超党派の議員らで構成する「北朝鮮拉致問題の解決を促進する大阪地方議員連絡会(大阪拉致議連)」が設立される予定だ。

 発起人代表を務める吉田利幸府議(自民党)は「高齢化する被害者の家族が元気な間に帰国することが、全国民の願いだ。それは地方議員の全部の意思だというメッセージを議連からも発信したい」と意気込む。会談を経て「最終的には日本と北朝鮮との間で解決に向けて合意すべきだ」と強調した。


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