週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2018/6/9

変わる梅田 子育て世代が集う街に

繁華街に加わる住≠フ魅力


人工芝やウッドデッキなどが敷設された「風の広場」。
ベビーカーを押す親子やカップルらが憩いの時間を過ごす

 オフィス街や繁華街のイメージが強い梅田が、子育て世代の支持を集めている。再開発が進むJR大阪駅周辺では、ファミリー層を意識したくつろぎ空間づくりや親子体験イベントが活発。会社員や訪日外国人客でごった返す街の表情≠ェ変わりつつある。

空間づくりや体験イベント活発

 「緑や芝生があれば子どもも遊べるし一緒に触れ合える」。4月下旬の昼下がり。敷き詰められた人工芝にウッドデッキ、水路などを配置したビオトープさながらの広場。2歳と0歳の子どもをベビーカーに乗せた主婦の谷早織さん(28)=大阪市中津=は足を止め、ほほ笑む。

 場所は大阪ステーションシティの北側商業ビル11階「風の広場」。オフィス街を見下ろす展望テラスが人工芝やウッドデッキを敷設した憩いのスペースに姿を変えた。

親子憩いの場

 大阪ステーションシティは2011年5月に開業。20〜30代の女性をターゲットにしたテナント誘致などを進めたが、当時の女性客らは今は結婚し、家庭を持つように。「あそこに行けばくつろげるという場所を作りたかった」。大阪ターミナルビルの担当者はリニューアルの狙いを明かす。

 アニメコラボのカフェを期間限定で開設、ボールプールや空中トンネルなど遊具を設けたカフェも営業し、家族を意識した空間づくりも進む。

 こうした動きは街の魅力向上にもつながる。ママ友2人と訪れた主婦の寺田愛さん(32)=京都市中京区=は「ベビーカーがあると外出が不便。駅直結で子どもを遊ばせるような場所はあまりなく、助かる」と話す。

「職住接近」

 梅田は今、居住地としての期待値も高い。不動産情報サイト「スーモ」の「関西圏の住みたい街(駅)」ランキング2018年版によると、地下鉄御堂筋線・梅田は昨年に続いて2位。共働き世帯の増加に伴い、梅田や中津周辺では職場と居住地が近い「職住接近」志向が高まり、マンション建設が相次いでいるからだ。

 「うめきた」エリアも無視できない。「みどりとイノベーションの融合拠点」をコンセプトにした「2期区域」はファミリー層を中心に幅広い年代層へアプローチを試みる。16〜18年度にかけて開発区域の暫定利用が進む。花と緑にあふれた庭園を設け、若者の人材育成プログラムを実践する「うめきたUMEDAIガーデン」事業をはじめ、子ども向けの自転車教室、食のイベントなどを計画。効果が期待される。

第三の学び場

 開業5年目を迎えた「ナレッジキャピタル」(大阪市北区)は親子体験の場としてニーズが高い。企業や研究機関の最先端技術をワークショップ感覚で体験でき、参加者の意見を研究に反映させる仕組み。体験イベントで遊び、施設のテラスで弁当を広げる―。ピクニック気分で訪れる家族もあり、これまでに約2700万人が訪れている。

 今後は「学校でも塾でもない第三の学び場の創造」を念頭に人材育成に注力。海外の研究機関など計13団体と教育プログラムの開発に取り組む考えで、近く小学生を対象にしたアプリケーション開発講座をスタートさせるという。

 こうした街の変化に、追手門学院大地域創造学部の佐藤友美子教授(生活文化)は「高級志向から、これまで無駄とされてきた緑や憩いを求める傾向がある。街としてのポテンシャルが上がってきた」と分析する。 s


pagetop