週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
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2018/5/12

都市公園 民活≠ナ魅力倍増 

次は「鶴見緑地」を再生


▲1990年に花博が開かれた大阪市鶴見区の「花博記念公園鶴見緑地」。園内の国際庭園や展望塔「いのちの塔」、環境学習センターなど老朽化や経費削減を理由に施設の一部は閉鎖されている。大阪市は2020年の再生完了を目指している

 大阪市の都市公園の魅力が次々と高まっている。2015年から17年にかけては天王寺と大阪城の2つの都市公園がリニューアルオープンし、市民はもちろん、多数の外国人観光客が楽しめるスポットへと成長した。再生の立役者は公募の民間事業者で、園内に商業施設を整備するなど、新たな魅力が吸引力となった。そして大阪市が次に照準を合わせたのは老朽化が進む鶴見緑地。再生の具体案は公募される事業提案次第だが、先行した2公園の劇的な再生を見ると、2年後の2020年の運営開始に向けて期待が膨らむ。

年間来場400万人超えも
天王寺公園

 天王寺・あべのエリアの核である天王寺公園。動物園や美術館などが隣り合う市民の憩いの場だが、公園そのものがどこか古臭いイメージ≠ナ、ファミリー向けとは言いがたいものになっていた。そんな同公園の再生に近鉄不動産(大阪市)の民間活力を導入。2015年10月にエントランスエリアを愛称「てんしば」として魅力ある公園にリニューアルした。

 「てんしば」は約2万5000平方キロの中心に広大な芝生広場を設け、フットサルコートやドッグランなどのペット施設、ボーネルンドなど子どもの遊び場、レストラン、カフェなど13の多彩な施設が取り囲む。またゲストハウスや観光案内所も設け、インバウンドの拠点としての役割も担っている。

 オープン後の入場者は、今年3月30日で1000万人を突破。リニューアル前の入場者は年間約158万8000人で、当初は「この2倍」(公募条件の一つ)を目標としていたが、はるか上回る年400万人超えのペースを続けている。同公園を管理運営する近鉄不動産経営企画室の山崎智英子さんは「これからも、たくさんの人たちに愛される場所に」と手応えを感じている。

来年には劇場も完成
大阪城公園

 「大阪城」は大阪ナンバーワンの観光スポットでありながら、これまで大阪城公園の集客施設はコンサートホールと天守閣だけ、という状況だった。このため、2015年度から民間5社で構成する共同事業体「大阪城パークマネジメント」が発足。新たな事業展開など公園全体を一体管理し、新施設を次々と誕生させている。

 昨年6月には飲食店を中心にした全7棟の新施設「ジョーテラス・オオサカ」が開業。イタリアンやパンケーキ専門店など幅広い店をそろえる一方、大阪定番のお好み焼き、たこ焼きにうどんといった粉もん≠熄[実している。

 同10月には旧陸軍第4師団司令部庁舎を改装した複合施設「ミライザ大阪城」もオープン。1階にみやげ物などの物販店があり、屋上テラスと2、3階にレストランが並ぶ。来年2月には劇場3館を整えた「クールジャパンパーク大阪」(仮称)も完成予定だ。

 同公園はどの方面からも入場できるため、全体の入場者をきっちりと記録することは困難だが、天守閣入館者数の約4倍が推定数とされている。ちなみに天守閣の昨年度の入館者数は大阪市の人口を上回る275万人を超え、3年連続で最多を更新した。

 大阪城パークマネジメントの平栗豊取締役は「中だけで一日過ごせる公園を目指して施設を増やしたことで、利用者の波をとらえることができた。今後は来園者の満足度を高める取り組みをしていきたい」と意欲的だ。


花博跡地活性化計画 大阪市が策定へ

 大阪市は年内をめどに、「国際花と緑の博覧会」(1990年)が開催された同市鶴見区の都市公園「花博記念公園鶴見緑地」の再生に向けた計画を策定する。天王寺公園や大阪城公園などの例を念頭に、民間活力を導入。「自然との共生」という花博の理念を継承しながら、公園の魅力を最大限に引き出す。

 鶴見緑地は四季折々の草花の中で、スポーツやレクリエーションが楽しめる市内最大規模の公園として親しまれる一方、施設の老朽化が進み一部は閉鎖されるなど、持続的なサービスの提供が課題となっている。

 市は昨年12月、造園や環境、観光の専門家などで構成する有識者会議「花博記念公園鶴見緑地再生・魅力向上計画検討会議」を設置。年内をめどに計画を策定し、2020年に公募で選んだ民間事業者による運営を目指す。

 同園利用者からは「緑が多い」「公園が広い」「花が多い」といった点が評価される一方、「施設が老朽化している」「トイレが汚い」「飲食・物販施設が少ない」などといった声も寄せられ、飲食店や休憩施設、アウトドア・レジャー施設、園内交通システムの設置を望む声が挙っている。

 昨年8月に募集した民間事業者からの提案では、フラワーガーデンやグランピングといったアイデア、レストラン、カフェなどを開設する案があったという。

 市公園緑化部の担当者は「自然を大切にし、公園のポテンシャルを生かすようにしたい」と話している。


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