週刊大阪日日新聞

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2018/3/24

「eスポーツ」に熱視線 

今春、大阪に専門学校

 対戦型ゲームの腕前を競い合う「eスポーツ」に熱い視線が集まっている。競技人口は全世界で1億人以上とされ、五輪種目への採用も検討され始めた。日本は欧米などと比べ発展途上≠フ分野。eスポーツのプロ選手、いわゆる「プロゲーマー」を養成する西日本初の専門学校が今春、大阪市内に誕生するなどブームが起きる予感がする。

人間教育も

 観戦用大型モニターを挟んで対峙するよう配されたパソコンブース。最新鋭のパソコン機材と専用チェアが並び、天井に設置されたスポットライトが客席や実況席を照らす。

 専門コース「eスポーツワールド」を新たに設けるOCA大阪デザイン&IT専門学校(大阪市西区北堀江2丁目)に設けられたスタジオだ。同校では2年前にグループ校の東京校が日本初のプロゲーマー養成コースを設置。西日本での需要に応じる形で設置に踏み切った。

 コースは、プロゲーマー▽イベントスタッフ▽マネジメント―の3専攻。海外プロチームとの対戦や企業による講義など幅広い業界人の育成に努める。

 プロゲーマーは、ゲーム実習以外に自制心や倫理観を養うセルフマネジメント、英会話も学ぶ。「ゲームが上手なだけでなく、社会人として通用する人間教育を行う」と小野真人広報次長は教育方針を語る。

ドル箱産業

 海外でのeスポーツブームは1990年代に入ってから。中国では国家体育局が2003年にeスポーツを正式な体育種目に採用し、韓国でもプロリーグが発足。「なりたい職業」の上位にもランクインして注目度が高まっている。

 昨年2月にNTTデータ経営研究所が示した予測では、eスポーツの世界の市場規模は、16年で約900万ドル(約9億5460万円)。19年まで年率13%前後で成長が見込まれ、まさにドル箱℃Y業だ。

 その影響は既存のスポーツ競技にも波及。欧米の複数のプロサッカークラブは自前のeスポーツチームを結成し、22年のアジア競技大会(中国・杭州)では正式種目に採用。先の平昌冬季五輪では認定大会が開催され、24年のパリ五輪での正式種目入りも検討されているほどだ。

 一方で日本はどうか─。1980年代に「ファミリーコンピューター」が登場して以降、次々と家庭用ゲーム機が生まれゲーム大国≠ニ呼ばれた。

 しかし、eスポーツで主流とされるオンライン対戦ができるコンピューターゲームの普及は海外に比べ遅い。近年、賞金が懸かった大会が開催されるようになったが、景品表示法など法的制限から、海外のような多額の賞金がかかった大会は開きにくい現状がある。

イメージ変わる

 こうした背景から、日本eスポーツ協会など関連3団体は2月、新団体「日本eスポーツ連合」を発足。賞金付き大会の開催や調査・研究に乗り出す。

 一方、懸念もある。国内ではスポーツ競技としての認知度が低く、ゲームまたはゲーマーに対する世間のイメージが必ずしも良いとは限らない。

 プロチーム「7th heaven」に所属する同専門学校東京校2年生の荒井和麿さん(22)は「競技に真摯に向き合い、関係者とコミュニケーションをしっかりとることでイメージは変わっていく」と意気込む。

eスポーツ

 「エレクトロニック・スポーツ」の略。パソコンや家庭用ゲーム機で格闘技やシューティングなど対戦型ゲームをスポーツ≠ニして捉え、その腕前を競う。全世界の競技人口は1億人以上とされている。欧米や韓国、中国を中心に多額の賞金が懸かった大会が開催され、トップクラスともなると、1億円以上を稼ぐプロ選手がいる。昨年8月には米国で賞金総額27億円の世界大会が開かれた。


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