週刊大阪日日新聞

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2018/3/24

小麦粉の消費低迷 粉もん文化のはずが…

果物も不人気


▲商品棚を彩る果物の数々。大阪の消費はなぜか鈍い

 江戸期から「天下の台所」として各地の食材が集まり、さまざまな食文化が発達した大阪。だが、総務省が発表した2017年家計調査から意外な傾向が浮かぶ。品目ごとの1世帯当たりの消費額を見ると、パンや牛肉は市民に好まれているようだが、全国上位の食材は少ない。大阪の食といえば「粉もん」だが、小麦粉は全国平均を下回るほど低迷。果物も人気がなかった。統計や関係者への取材から大阪の食事情を探る。

 主要52都市を対象にした17年家計調査で、大阪市の1世帯当たりの年間消費額で1位の食材はなかった。

 そんな中、パンの消費額は全国5位、あんパンやジャムパンといった「他のパン」も7位と上位に入った。実は1位になったこともあるが、神戸市や岡山市などに抜かれた。

 東京で豚肉を使用することが多いすき焼きや肉じゃがでも、大阪では牛肉だ。大阪市の牛肉消費額は3万876円で8位となり、東京を5千円以上も上回った。

 一方、菓子類の消費は昔から少なく、今回の調査でも最下位から5番目。「大阪人にとってパンもおやつの一つでしょうか」。大阪府統計課はそんな分析をしたこともある。

外食趣向か?

 お好み焼き、たこ焼き、うどん…。関西では小麦粉を使った「粉もん」が人気だ。

 しかし、大阪市の小麦粉の消費額は31位に甘んじている。家庭で手軽に調理できる「乾うどん」は49位。お好み焼きの具材となるキャベツは39位、豚肉も29位にとどまった。

 関西の食文化に詳しい編集プロダクション140B(大阪市)の編集責任者、江弘毅さん(59)は「一家に1台たこ焼き器があるといわれるが、そんなことはない。市内にはおいしい粉もんの店がたくさんあるので、外食する市民が多いのでは」とみる。

 調味料の消費も軒並み低く、みそは最下位から3番目、しょうゆは同4番目、食塩は同5番目、砂糖は同7番目。半面、大阪は串かつなどで甘辛いソースを用いる食文化があるためか、ソースは8位と上位に入った。

果物離れ

 果物の受けの悪さも目立つ。生鮮果物の年間消費額は東京より1万円も下回る約3万円で、最下位の静岡市に次いでワースト2位だった。

 いくつかの果物店に理由を尋ねると、どの店も「分からない」と回答。大阪中央青果の担当者は「一概に言えませんが」と前置きした上で「果物単価が安くなると、産地の家族や親戚から贈答用としてもらう風習が大阪にはある。昨年は柿や梨などが安かったから」と話す。

 そもそも日本人は果物をあまり食べない。政府は1日に200g取ることを目安としているが、国連食糧農業機関の13年統計によると、1人1日当たりの果物供給量は144・8gにとどまる。

 大阪府栄養士会の藤原政嘉会長は「果物はビタミンやポリフェノールが多く含まれ、食生活を豊かにする。少なくとも1日にミカン2個分、リンゴなら半個分の果物を摂取してほしい」と助言する。


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