週刊大阪日日新聞

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2018/3/24

「防災教材」普及進む 

役立つ知識、楽しみながら


▲「毛布担架障害物競争」に挑戦する参加者(シンク提供)

 阪神大震災や東日本大震災などを受け、災害時に必要な知識を学ぶ「防災教材」が注目を集めている。親しみやすいクイズやスポーツを通じた教材で防災知識や技術が身に付くとされ、南海トラフ巨大地震への対応が急がれる中、大阪では教育現場などでも普及が進む。

 南海トラフ巨大地震については、政府の地震調査委員会が30年以内にマグニチュード8〜9クラスの地震が70〜80%の高い確率で発生すると予測している。大阪府によると、津波で最大13万4千人が死亡、約18万棟の建物が全壊し、経済被害は約28兆8千億円に上ると試算されている。

ゲーム感覚

 災害に対する危機意識の高まりに伴い、大阪市立総合生涯学習センター(北区)は、地震や津波の基礎知識などをまとめたDVDや、災害時に役立つ知識をクイズ形式で学べる教材「OSAKA防災タイムアタック!」を神戸学院大と共同開発した。

 ゲーム感覚で学べるため需要は高く、貸し出しを始めた昨年8月から教育機関や福祉施設など120件以上(今年1月末現在)で利用されている。

 同センター企画推進課の高貫順子企画係長(43)は「手軽に学べる教材。防災意識を持つきっかけになっている」と手応えを口にする。

 2月20日に同市東淀川区役所であった研修会には、自主防災活動に関わる市民ら約30人が参加。災害用伝言サービスを問うクイズでは、3種類の電話番号の中から参加者が正しいと思われるものを選択。その根拠などについて互いに意見を交わした。

 近くに住む鳥居光子さん(71)は「クイズ形式でコミュニケーションを取りながら学べるので面白い。万一に備え少しでも記憶に残したい」と話す。

防リーグ

 一方、体を動かしながら防災技術を学ぶ取り組みも出てきた。的当てゲームの要領で消火器の操作法を会得するなど、スポーツ競技を意識した学習プログラム。開発したスポーツイベントなどを企画するシンク(東京都)と、防災の普及啓発を行うNPO法人プラスアーツ(神戸市)は、今年4月からの運用に向けて準備を進めている。

 題して「BOU.LEAGUE(防リーグ)」。阪神大震災で被災経験がある同社の篠田大輔社長(36)らが、避難生活には体力や精神力などスポーツ的要素の重要性に着目して企画した。

 メニューは、毛布で作った担架で障害物を避けながら搬送する競技や、支援物資をバケツリレーで運ぶ「物資搬送リレー」などユニークな内容ばかりで、判断力や応用力なども養われるという。


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