週刊大阪日日新聞

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2018/3/10

大阪市の路上喫煙禁止例10年 

万博誘致見据えエリア新設検討


▲路上喫煙していた男性に禁煙地区の説明をする指導員(中央)=大阪市中央区

 大阪市の「路上喫煙の防止に関する条例」が施行されて10年が経過した。喫煙禁止地区を含めた市内各地で路上喫煙率が、条例施行前に比べ大幅に減少するなど成果が表れている。一方、2025年の国際博覧会(万博)誘致を見据え、ミナミの商店街を新たに禁止地区へ加える検討が始まった。「国際観光都市・大阪」のイメージアップを図るため、路上喫煙対策は重要な施策となっている。

 条例は07年4月に施行。同年7月、御堂筋のJR大阪駅南側─南海難波駅北側間(約4キロ)、市役所と中央公会堂周辺を、15年2月にJR京橋駅周辺を禁止地区に指定した。07年10月以降は違反者から過料千円を徴収している。

巡回が啓発に

 今年2月上旬、禁止地区の市営地下鉄心斎橋駅近くの歩道で青いユニホーム姿の路上喫煙防止指導員が、喫煙中の男性を見つけ駆け寄った。中国人の男性は指導員の説明を受けると、驚いた表情を浮かべながら過料を支払った。

 市は条例に基づき、大阪府警OB13人を路上喫煙防止指導員に委嘱。4人一組の3班体制で、路上喫煙禁止地区の御堂筋やJR京橋駅周辺を巡回し、違反に目を光らせる。

 禁止地区では喫煙禁止の看板を設置し、歩道の路面に禁止マークと案内文を表示。増加する訪日外国人客(インバウンド)に対応するため、指導員は英語、中国語、韓国語で書かれた説明用の資料を携行している。

 過料は07年10月から17年12月までに、累計で7万1640件を徴収。09年度の1万1411件をピークに減少し、近年は年間5千〜6千件台で推移する。

 指導員に委嘱されて3年目という男性(63)は「以前に比べると喫煙者は減っているように思う。吸い殻も少なくなった。禁止地区のことが知られている」と手応えを口にする。別の指導員の男性(61)は「巡回している姿を見せること自体が啓発につながっている」と強調。「路上喫煙をなくすには一人一人のモラルの向上が大切だ」と話した。

注目の高まり

 17年12月、中央区の地元商店街代表らでつくる区政会議は、心斎橋筋商店街から戎橋筋商店街の総延長約1キロを禁止地区に指定することを決議。路上喫煙対策委員会で今年1月に諮問、審議され、市が2月5日からパブリックコメントの募集を始めた。新たな禁止区域は18年度中の運用開始を目指す。

 市が民間業者に委託する路上喫煙率調査結果によると、市内全域で条例施行前の06年度に1・77%だった喫煙率は、昨年9月は0・22%に。禁止地区では2・57%から0・16%に下がるなど、効果が浸透してきた。

 路上喫煙対策の取り組みへの市民の関心も高まっている。広聴件数は15年度121件、16年度150件で、17年度は160件程度になる見込み。「市内全域を指定」「対策の強化」「灰皿撤去の要望」などの声が寄せられている。


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