週刊大阪日日新聞

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2018/2/10

星野リゾート 新たなまちづくりの起爆剤に

隣接地区の住民からは不安の声も


▲ホテルの建設予定地からは大阪のシンボル・通天閣や、
大阪を代表する商業施設の1つあべのハルカスにも近い

 大阪を訪れる外国人観光客が増加する中、全国で高級旅館などを展開する「星野リゾート」(長野県軽井沢町)が、2022年に浪速区・JR新今宮駅北側にある大阪市有地(1万4千平方m)に都市型ホテルを建設する。コンセプトは「旅のテンション(高揚感)を上げる都市型ホテル」。新世界など大阪らしい観光名所への利便性の良さを生かして食事や買い物を楽しんでもらう考えだ。新ホテルの進出は、果たして新たなまちづくりの起爆剤となり得るのか。


▲星野リゾートが新今宮で計画するホテルのイメージ(星野リゾート提供)

 新ホテルの進出を発表した当初、「まさか、高級リゾートホテルを展開する星野リゾートが来るとは」と大阪市民でも驚ろく声が多かった。

 JR新今宮駅のプラットホームから北側を望むと広大な空き地が見える。空き地の面積は約1万4千平方mと広大だ。30年以上にわたって 塩漬け状態≠ェ続いていた市有地だった。

 新今宮に開業するホテルのコンセプトは「旅のテンション(高揚感)を上げる都市型ホテル」。ホテルの客室は608室、20階建てで宿泊者が利用できるラウンジなど共用スペースを充実させるほか、敷地内に緑地を設ける。

 大阪中心部ではホテルの新設が相次ぐが、記者会見で星野佳路社長は「市況に左右されない競争力を打ち出す」と強調し、大阪府・市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)については「関心はある」と述べ、誘致が成功した際のホテル運営にも意欲を示している。

アクセスのよさ

 今回の建設地の取得金額は約1万4千平方mで約18億円、計算すると坪単価約42万円。

 乗降客数が多い駅前一等地のまとまった土地であることを考えると、この値段は破格の安さという。

 JR新今宮駅に乗り入れる路線は、JR環状線・大和路線(大和路快速)・阪和線(関空紀州路快速、はるか、くろしお)・南海本線(ラピート、空港急行)・高野線・地下鉄御堂筋線・堺筋線の7路線。観光客目線で見ると、最高のアクセスの良さだ。大阪のシンボル・通天閣や、大阪を代表する商業施設の1つあべのハルカスにも近い。

 新今宮駅を挟んで南側には、日雇い労働者の街として知られる「あいりん地区」がある。今日では労働者は高齢化し、ここ数年でも地区や周辺の状況は大きく様変わりしている。その理由の一つが、外国人観光客の増加だ。

地元の反応は賛否両論?

 隣接する「あいりん地区」の地元民の反応はどうか。

 釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長で釜ヶ崎を舞台にした漫画「カマやん」の作者、ありむら潜さんは「海外からの観光客にフィールドワークでよく釜ヶ崎を案内させていただいています。大阪の訪日観光客は、大阪が世界一流の魅力的な大都市である事を教えてくれています」。一方で西成区内で長年、居酒屋を営んでいる尾崎美代子さんは「労働者やお年寄りの方々が住みずらい雰囲気にならなければいいが」と危惧する声も聞かれる。


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