週刊大阪日日新聞

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2018/2/10

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

ギャンブル性高い仮想通貨

 私は結構、名の通ったお笑いタレントから昨年のちょうど今ごろ、仮想通貨の話しを雑談で聞いた。彼は例えて「馬車の時代に、自動車が登場したようなもの。いつまで馬に乗っている気ですか?」と、熱心に投資参加を薦めてきた。私は浮利(あぶく銭のこと)を追わず≠フ主義なので見送ったら、昨年末にはその仮想通貨が「22倍になった」と聞かされた。何と10万円が220万円になる計算だ。

有名タレントぼうぜん

 しかし、例の取引所「コインチェック(通称CC)」による580億円分の仮想通貨「NEM」流出で、相場は一気に全面安に。今の彼は、目が虚空を泳ぎぼうぜん自失状態。CCは利用者に対し「全額日本円で返済する」と約束したが、時期や方法は依然不透明だ。

 こうした悲喜劇が交錯する仮想通貨の現状と未来≠一緒に考えてみよう。

電子管理は株と同じ

 分かりやすくいうと、仮想通貨は株式市場の電子取引と似ている。現代の株取引は実物の株券を手渡すことはほぼなく、投資家は証券会社を通じて売買し、電子データ上だけで運営管理されている。売り手が多ければ価格は下がり、買い手が多ければ値上がりする。仮に銘柄の会社が倒産すれば、株券はゼロ円となり紙くずになるが、それ以上に金銭を要求されることはない。そういう点でも両者は同じだ。

 すべては相場の値動き次第。取引所は証券会社に当たり、電子データでの管理は仮想通貨も同じ。株式にない最大の利点は、仮想通貨で商業施設や量販店などで買い物や飲食ができる場所が増え、その支払いに充てられること。国境がなく取引も世界中が相手。送入金に為替手数料が発生することもない。

低金利時代で人気に火

 元々、中国の富裕層が積極的に仮想通貨を利用し始め価格も膨らんだが、同国や韓国は規制が厳しくなり今や下火に。現在は全体の利用者のうち、「半分が日本人」と言われ、国内法整備が後手に回っている。昨春の改正資金決済法改正で取引所は金融庁への届け出制となったが、「CC」のように申請中で未受理状態の見なし業者もあり、「かえって利用者に、根拠なき安心感のお墨付き≠与えた」と、より監督官庁の指導権限が大きい許認可制への移行を求める声もある。

 その背景には、日銀のマイナス金利政策でどん底まで落ち込んだ預金利子状況下で市中資金がダブ付き、政府のインフレ陽動に乗せられバブリー気分となった投資家心理が反映。過熱感への警戒からフェイスブックでは「詐欺的行為を助長しかねない」とネット上のCMを世界規模で中止、「CC」の有名バラエティータレントを起用したテレビCMもアッという間に姿を消した。

大手参入で人気再び

 しかし仮想通貨自体は簡単には下火にならない。このほどLINEの出澤剛社長は、「現在金融庁に申請中なので、2カ月後にはLINEPayと連携し仮想通貨や資産運用を始めたい。セキュリティー対策と人材確保に300億円投資する」と発表。取引所の管理強化の動きの中で、IT起業家らによる従来の取引所だけでなく、こうした異業種大手が参入意志を示し、注目度は増している。

 最初に紹介したお笑いタレントもそうだが、仮想通貨利用者の中心層は30〜40歳代と比較的若い。多国間取引などのメリットを生かした支払い手段より、ほとんどが投機目的。買い付け時の本人認証に多くの取引所は年齢や収入などによる制限がなく、長い目でみるとまだ普及しそうな勢い。

虎の子投入は悲劇予備軍

 では今後、仮想通貨を購入する際の注意点は何か。まず信用できる取引所を選ぶことで、今後の大手参入が潮目になりそう。次は株式投資と同じで、最後まで自己責任。売買は自分の判断だから、過去の株式相場悲喜劇のように「まだはもう、もうはまだ」と誰一人将来予測が困難。子どもの学資や住宅資金など、しかるべき時期がくれば絶対必要な虎の子資金≠ワで突っ込んでしまっては絶対にダメ、ということだろう。

 金融庁は「CC」に対し、立ち入り検査に入ったが、システム自体が未確立で、せいぜい「約束した返却資金はあるのか?」を会社残金で確かめるのが関の山。誰ですか?「金持ちの事なんて、心配しなくていいでしょ!」と笑うのは。


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