週刊大阪日日新聞

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2018/1/27

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

高齢女性と中年男性が心配 

2040年は4割が独居


※イメージ

 国立社会保障・人口問題研究所がこのほど、「2040年には全世帯の4割が独居に」という推計をまとめたよ。晩婚・未婚、離婚・死別が増えていることから、65歳以上の独居率は男性が20%超、女性は約25%に。少子高齢化による世帯数の減で、実際には独居者は減っているけれど、比較割合は増える一方。特に10年後の80歳以上女性と50歳代男性が問題だよ。その理由から考えてみよう。

少子化いやなら移民解禁

 戦後間もない時期は、漫画「サザエさん」のように、両親に3人程度の子ども、そして長男・長女の家族は親と同居するのが一般的だったんだ。まず日本を襲ったのが少子高齢化。すでに総務省は2060年の人口を8千万人台と推測しているけれど、さらに加速して世紀末には5千万人程度にまで減る予測もある。 私は人口を維持するにはズバリ「移民を認めるしかない」と結論づけている。女性の出生率アップを訴える人もいるけれど、現在の人口を維持するには「1人で5人を出産」しなければならなくなるので、非現実的だよ。

中年単身者増加が拍車

 振り返れば戦後のベビーブームと言われた団塊の世代は、1946年から約5年間に生まれた人。その二世もボリュームゾーンで、1970年代中盤生まれの世代がこれに当たる。ところが、この世代の子どもの21世紀生まれがさっぱり増えなかったんだ。

 私はかねがね、「少子高齢化の国に繁栄はない」と警告してきた。地球規模では、発展途上国を中心に人口が爆発的に増え、競争と消費が生まれ、欲が欲を呼んで社会が発展している。でも、日本のような成熟した先進社会では、何でも持っている高齢者は消費の意欲が薄いし、数少ない若者の方は競争意識が低下していて貧困に甘んじているから消費が伸びない。

 つまり少子化する国は、ゆっくりと衰退の道をたどるしか手はないんだ。日本の団塊世代はすでに生産労働力的にはリタイアし、年金をもらって介護を受けても新たな富は生み出さない。 団塊ジュニアである40代の男性は、ちょうどバブル経済崩壊後の就職氷河期に社会人となり、非正規労働者として過ごした人が多い。50歳以上で一度も結婚していない人の割合を指す「生涯未婚率」は15年で男性23・4%と40年前の10倍以上に跳ね上がった。女性は3倍程度の14・1%だから、いかに男性の未婚者が増えているかが分かるよね。職場や収入が不安定で「結婚したくてもできない」中年男性の悲哀が透けて見えるよ。

3つのリスク重く

 そもそも「お一人様って悪いの?」について考えてみよう。そのリスクは3つある。一つは孤独死の危険などがつきまとう社会的孤立。女優の大原麗子さんが脳出血で一人自宅で倒れ、62歳の若さで亡くなったとき、世間は衝撃を受けた。内閣府の調査でも、60歳以上の独居者は「孤独死のリスク」を心配事のトップに挙げている。

 二つ目は、同居者がおらず介護が必要になった場合、子どもが離職することにも。中年になると一度離職すると正社員に戻るのが困難で、貧困に陥ることにも。以前と異なるのは、その子どもに家族がおらず、相互に支え合う者がどこにもいないことだ。

 三つ目は貧困だ。介護離職して同居を始めた単身中年の子どもは、親を看取った後、今度は自分が独居になる。親世代のような手厚い年金はなく、非正規だと蓄えも十分ではない。

日仏の意識差大きく

 世界はどうだろう。フランスは少子化阻止のため、既婚・未婚・非婚を問わず出産・育児・教育の費用を国が負担したり、女性の社会復帰を手厚く支援したりして一定の成功を収めている。日本は昨年の新語・流行語でもある「ワンオペ育児」のように、相変わらず母親に過度の責任と負担がのし掛かる社会構造になって いる。未だに「夫が外で働き、妻は主婦業に専念するべき」という古い慣習に縛られていることが原因だよ。

切り札はAI活用だ

 ではどうすればいいのか? 私はAI(人工知能)技術向上による、しゃべって対応するロボットやペット、パソコンやテレビなどの端末機器が独居者のパートナーになる時代がすぐそこに来ていると思っている。

 昨年のヒット商品にノミネートされた「AIスピーカー」はスマホと連動し、しゃべって指示を出すだけで電化製品のスイッチはもちろん、電話やネット検索までできる。いずれ、蓄積されたビッグデータを基にご主人様の好む買い物や健康管理までしてくれるロボットのペッパー君やアイボなど進化形AIが登場する。孤独死を防ぐために見張り番までしてくれる機能もできよう。こうしたAIを行政側がお年寄りに提供し、膨れ続ける介護費用削減を図る時代が必ず訪れる。

 最後まで残るのはエアポケットに入った中年男性独居者。年齢的に生活保護受給も難しい。そうなると、せっかくAI利用で独居者の生活を支援できる時代が来ても、彼らがその網から漏れてしまう危険性が最も心配だ。


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