週刊大阪日日新聞

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2018/1/13

生活の友≠ノ進化 町工場の夢背負う

おおさか未来予想図 第1部「先端技術のまち」@

ロボット


左はリアル・ガンダム≠実現した「はじめ43号」。右はヴイストンが共同開発した「Sota」。
どちらも、ロボットに人間の夢を託した(コラージュ)

 多くの外国人観光客(インバウンド)でにぎわった2017年の大阪。18年は国際博覧会(万博)誘致が本格化し、カジノを含む統合型リゾート(IR)や大阪都構想の賛否が問われる。各地で進む再開発やホテル建設の槌音(つちおと)は大阪の福音となるか。大阪で起こる未来への動きから予想図を描く。第1部は「先端技術のまち」をテーマに、ロボットや人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、情報通信技術(ICT)への取り組みを紹介する。

 アトム、ガンダム、ドラえもん。強くて、かっこよくて、楽しくて。それは、夢のはずだった─。

 大阪市西淀川区。淀川沿いにある町工場の中に夢のかけらがあった。白い足に赤と青で塗装された胴体、頭部は白い目が無表情に光る。身長4m、重量は約300キロ。世界最大の搭乗型二足歩行ロボット「はじめ43号」だ。

■いつか御堂筋

 胴体部がコックピットで、操縦は頭部や肩のカメラの映像をディスプレーで見て行う。下半身はゲー/ム用コントローラーを操り、上半身は操縦席のロボットを模した人形の腕や頭を動かすと連動する。

 開発したのは、区内のロボット製造会社「はじめ研究所」の坂本元社長(51)を中心とした、地元の企業経営者によるNKK(西淀川経営改善研究会)の有志。関節を動かすモーターは吉則工業(金増健次社長)など、町工場の高い専門技術力を結集した。

 人気アニメ「機動戦士ガンダム」に憧れた坂本社長。最終形である実寸18mを見据え、現在は8mロボットの研究を進める。ロボット製作に没頭して15年。失敗や資金難もあり、当初の計画より遅れているが、「苦労は感じたことはない」と笑う。「主人公のアムロのようにガンダムを動かすのが夢だった。考えたことが形になるのが楽しい。いつか、御堂筋をガンダムで歩いてみたいですね」

■心≠ェあるロボ

 同じく西淀川区。JR御幣島駅から徒歩2分のロボットメーカー「ヴイストン」は、心≠持ったロボットの開発に力を注ぐ。

 同社は、アンドロイド(人間酷似型ロボット)研究の第一人者である石黒浩大阪大教授を最高技術顧問とし、2000年に創業した産学ベンチャー企業。国際的ロボット競技会「ロボカップ」で、04年から5連覇を果たした「TeamOSAKA」の中心的役割を担った。

 同社がNTTと共同開発したのが、テーブルトップタイプの小型ヒューマノイドロボット「Sota(ソータ)」。対話はもちろん、ロボットクリエイターの高橋智隆氏によるデザインが愛くるしい。

 ロボットは研究教育機関のほか、一般家庭や介護現場にも浸透している。

 大和信夫社長(54)は、ロボット作りのキーワードに「心」を挙げる。「ロボットで解消したいのは、人間の孤独。コミュニケーションにこそ重要な意味があり、ロボットが人間と一緒に行動し、何をしたかを記憶して、その人とのストーリーを作っていく。人間の仲間として存在されることが重要であり、ロボットの価値」と説く。

 アニメの「ドラえもん」は、22世紀の未来からのび太の元へやってきた。今、ロボットはモノやおもちゃから生活のパートナーへ進化を遂げる過程にある。

ミニクリップ

 ロボット 人の作業や危険を軽減する産業用、医療用、家庭用などさまざまなタイプがある。災害現場などで活躍する特殊型も。自律二足歩行型は、ホンダが1996年に現在のASIMOの原型となる「P2」を発表。99年にソニーがイヌ型ロボット「AIBO」を発売した。


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