週刊大阪日日新聞

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2018 新春号

オフィス街・繁華街だけでない 住む街#~田に注目

相次ぐタワーマンション建設ラッシュ


▲2018年春にフードホールを開設するルクア大阪

 不動産情報サイト「スーモ」による関西圏の「住みたい街(駅)」ランキングで、地下鉄御堂筋線梅田(北区)が2位に入った。閑静な住宅街として1位を保った阪急神戸線西宮北口(西宮市)に迫る勢いを見せている。巨大ターミナルである梅田駅の周辺はオフィス街、繁華街のイメージが強いが、居住地としてのニーズに対応して最近はマンション建設が進む。梅田に集積する大型商業施設の中には生鮮産品や総菜のデイリー食材を強化する計画もあり、大阪キタの中心部は住む街≠フ顔を持ち始めた。

ファッションビル ルクア大阪地下にフードホール開設′v画

■住みたい街「梅田」

 スーモが関西2府4県在住の20〜40代の男女2100人を対象にした2017年のインターネット調査によると、1位の西宮北口は478点、2位の梅田は437点で、その差はわずか41ポイントだった。3位の御堂筋線なんば(中央区)が263点だったことを踏まえると、西宮北口と梅田が突出していることは明らかだ。

 ランキングの得点は1番住んでみたい街を3点、2番目の街を2点、3番目の街を1点として算出している。16年調査の1位西宮北口(439点)と2位梅田(373点)の差66ポイントに比べて17年は一気に縮まり、肩を並べつつある。

■職住接近

 梅田が人気の理由について、スーモを運営するリクルート住まいカンパニーの担当者は、共働き世帯の増加を背景にした「職住接近」志向の高まりがあると分析している。「これまでは母親が子どもの面倒を見て、父親は勤務先から遠くても出勤していた。共働きになると通勤時間は短く、全てがそろっている方がいいとなるのでは」と話す。

 実際、スーモの調査に回答した36歳の男性は「会社から近く、通勤の便は最高」、24歳の女性は「生活するのに必要なことが徒歩圏内で完結できる」と答えた。「交通の便も良く、移動や旅行がしやすい」(29歳男性)との評価もあり、地下鉄御堂筋線をはじめ阪急線と阪神線の梅田駅、JRの大阪駅が位置する巨大ターミナルとしての特性も梅田人気を押し上げた格好だ。

 さらに、梅田を選んだ理由として「最近ではマンションも建ってきており、いつかは住みたい」(30歳男性)との声が上がるように、マンション建設が梅田エリアで進んでいるのも事実だ。御堂筋線の梅田から一駅先の中津(北区)では駅直結の高層マンションが19〜20年に相次いで完成・入居開始を迎えるなど、梅田を生活圏とする住民は増えつつある。

■スーパーマーケット

 梅田が住む街になることを見越してデイリーの食材に注力しようとしている商業施設がJR大阪駅のファッションビル「LUCUA(ルクア)大阪」だ。飲食店27店舗が並ぶ地下2階に広さ約2850平方mの「フードホール」を18年春に開設する。スーパーマーケットの阪急オアシスを核テナントとして生鮮産品や総菜を提供する計画だ。

 ルクアのリニューアルを担当するJR西日本SC開発の営業本部次長、舟本恵さんは「デイリーな食事を提供する時、スーパーマーケットが望まれる」と話す。さらに「一人十色」の多様なライフスタイルに対応するため、販売する食材を使ったメニューがその場で食べられるクイックイートインやレストランを併設する構想も描いている。梅田を生活圏とするエリアとして北区のほかに福島区内も想定し、20〜40代だった来店客の年齢層が拡大することを期待している。

■将来性

▲高層マンションが建つ御堂筋線中津駅周辺

 梅田駅周辺を巡っては、百貨店の建て替えやホテルの建設が進み、グランフロント大阪の開業に続く「うめきた」の2期開発も10年後に完了する。こうした状況を踏まえ、不動産関係者は、郊外に比べて割高な梅田駅周辺の新築マンション入居希望者の購買理由として、資産価値が上昇する「将来性」への期待もあると分析している。同関係者によると、購入する層は40〜50代の経営者や医師が目立ち、「セカンドハウス」として所有するケースもあるという。

 一方で、スーモが住みたい街ランキングの番外編として「流行の最先端だと思う街」を調べた結果、1位は梅田の704点で、2位だったなんばの261点、3位の地下鉄御堂筋線心斎橋(中央区)の248点を大きく突き放した。「芸能人に会えそうな街」調査では1位のなんば(685点)に対し、梅田は2位の365点だったが、テレビ局に近い点が梅田の評価につながった。

 大規模プロジェクトがめじろ押しであり、非日常を感じる環境にあるだけに、梅田への住みたい街として憧れは今後も続きそうだ。


一人十色≠フニーズに対応


▲ルクア大阪のリニューアルを担当する舟本さん
ルクア大阪のフードホール

 ルクア大阪が2018年春に開設する「フードホール」の特徴は「一人十色」に細分化された現代人のニーズに対応する点にある。

 JR西日本SC開発の計画によると、スーパーマーケットとして生鮮産品や総菜を販売するだけでなく、その総菜をその場で食べられるクイックイートインや、生鮮売り場に並んでいるものと同じ食材を使ったメニューを提供するレストランも設ける。販売・提供する食材をディスクローズ(内容開示)することで「安心・安全」を重視する消費者ニーズにも応えていくという。

 大阪の都心部で働き、暮らす人々のライフタイルをはじめ食の安全を求める消費者心理を念頭に「梅田でのスーパーマーケットのあるべき姿」(舟本恵・営業本部次長)を追求する意向だ。


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