週刊大阪日日新聞

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2017/11/11

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

人生100年時代 働き方改革とは?

社会保障費減へ、老若男女問わず

 衆院選を受けた特別国会が開会。選挙前から、話題になりながら一時棚上げ状態だった「働き方改革」のあり方について与野党論戦は必至だ。電通やNHKなど日本を代表する大企業で過労自殺死や過労死が相次ぎ、政府は「同一労働同一賃金と残業時間の罰則規定を盛り込んだ働き方改革実行計画≠フ実現」に前向きだ。ところが、経営者側は「同業他社の動向は?」と戸惑い、労働者側も「休みが増えれば、完全実施で月額10万円減収も?」と警戒。どうも落としどころ≠ェ見えてこない。どうすれば、皆がハッピーになれるのか? 事務職を中心に考えてみよう。

超高齢化国ニッポン

 まず、世界から見た日本の特徴から。典型的な少子高齢化なのに移民受け入れに抵抗が強い。国家財政は借金まみれだが、政権は安定し経済順調。国内産業界は薄利多売の大量生産から、高品質高価格品の製造にシフトしている。

 国は労働人口減少の大きな流れを食い止めるため、若年層には心地よく働き会社に定着してほしいし、経験豊かな高齢者は再雇用で欠員穴埋め、専業主婦は介護や子育てを軽減してどんどん社会復帰してもらう。国がこれらの施策を推進するのは、「人生100年時代で、もう老後は悠々自適には暮らせません。できるだけ長く働いて下さい」という意味。日本人の平均寿命は男性が80・98歳、女性は87・14歳で世界一の超高齢国だから、嫌でも「生涯現役」でいてくれないともう年金財政では支えきれないんだ。

 デスクワーク的な仕事に対し企業は、一定の時間で会社の電源を落として強制離席させたり、社員が個々に勤務時間を選べる選択制を導入したりしている。しかし「いつでもどこでも仕事ができる」パソコンを使った業務が増え、「結局、場所を替えてサービス残業しているだけ?」との疑念も。

 一方で米国型のホワイトカラー・エグゼンプションと呼ばれる、労働時間に関係なく成果に応じて賃金が支払われる制度導入も検討され、こうして残業代がカットされると結局は個人消費が落ち込んで景気に悪影響だ。

変われない高齢の元上司

 高齢者雇用はさらに深刻。著名な英国の経済学者は「人生100年時代は、80歳まで働かないと老齢保障制度は崩壊する」と指摘。企業側も、一括新卒採用して社内多業種で経験を積ませ、年功序列で昇進昇給させてバリバリの企業戦士≠育てる従来のビジネスモデル維持をとうとうあきらめ、高度専門職とマネ ジメント管理を分離する方向に進んでいる。

 ただし、ホワイトカラーの高齢者元管理職にありがちな「プライドが高く従来の仕事スタイルに固執」タイプは付いていけなくなる。

女性定着は多様化で

 女性の場合はどうだろう。子育てや介護で、企業側が望む場所や時間帯でフルに働けず、その反動で昇進昇給をあきらめたり非正規に留まっている方も多い。その潜在能力を生かさないと我が国全体にとって大きなマイナス。

 働く側が自由に選べる「パート、フレックス、時短、在宅、裁量、週休3日」など多様な勤務形態を認め、嫌なことはさせない≠ニいう企業姿勢が必要だ。定着率は作業効率と比例するので、使用者側も結局はプラスとなる。

真面目で情報過多な若者

 最後に若者だ。学生運動やバブル経済を知らない世代は、中高年が考えるよりずっと真面目で従順。それを悪用し長時間勤務や休日出勤を強要するケースも見られる。ただし若年世代はネット社会で生まれ育っているので、横連携が多様化し想像よりはるかに情報を共有。ブラック企業≠フらく印を押され、さっさと辞められかねない。

 しかし、漠然とした将来不安が強い分、「一流企業に入ったからにはちょっとは頑張らなきゃ」と思ってしまうから、上司は結構使いやすい。

兼業副業OK時代へ

 結論として、働く時間が短くなれば給料が減るのを覚悟しなければならない。その代わり、兼業や副業で補てんしたり、学び直して新たに知識を増し職業選択を増すのもいい。

 一方で実効性ある仕事以外の部分、つまり長時間会議や社内飲み会は女性や若者にもう支持されない。これらは主に事務職分野で、これが相手のある営業職や接客が伴う物販、飲食などのサービス業はもっと問題が複雑に絡み合う。

 いつもいっているように、経営者は株主配当や内部留保に必死になるのではなく、政府要請の来春3%賃上げ実現≠まず目指してほしい。そして同一労働同一賃金の達成だ。国は賃上げに積極的な企業を税制優遇する検討も始めているし、経団連の榊原会長も要請に応じる構え。日本の将来のために、ぜひ実現してほしいね。


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