週刊大阪日日新聞

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2017/9/30

若者に住宅無料提供

「空き部屋就労支援」成果


▲プロジェクトのお披露目式に集まって交流を深めた関係者ら

 公営住宅の空き部屋を無職の若者に無料で提供する大阪府などの就労支援プロジェクトが、一定の成果を上げ始めている。若者にとっては、経済的負担の軽減と仲間づくりの仕掛けが自立を後押し。高齢化が進む住民側にとっては、地域行事のにぎわいにつながっている。費用対効果も含め、事業として持続可能な仕組みをどこまで構築できるかが問われそうだ。

 「住宅つき就職支援プロジェクトMODELHOUSE(モデルハウス)」は、若者が安定した収入の下で働き続けられる仕組みづくりと、高齢化が進む地域の活性化を両立させるのが狙い。費用は日本財団が担い、今年から2019年3月まで実施、官民連携でモデルケースの構築を目指している。

 公営住宅を単身の若者に無料で提供し、正規雇用での就職を支援するのは全国初の試み。府営清滝住+宅(四條畷市)の一部を活用し、入居する部屋の改修を参加者自身で手掛けさせるプログラムや、住民らと交流する部屋を用意した。自治会活動の参加も促し、コミュニティーの活性化を図っている。

 就労支援プログラムはNPO法人スマイルスタイル(大阪市西区)が展開。20〜30代の7人は、5月から自己分析や面接の練習、部屋の改修などを済ませ、7月から順次入居して就職活動を繰り広げてきた。2人が正規雇用で働くようになり、うち1人は転勤で卒業=B他はアルバイトや就活中だ。2期目のメンバーも2人増えた。

 プロジェクト期間中は家賃が無料のままなのが特長の一つ。大学を中退し、自宅で引きこもりがちになっていた間嶋大稀さん(24)は「初めての1人暮らしだが家賃分を貯蓄できるのは助かる。分からない点は周りに相談しながら暮らせるので、普段の生活も働くのも楽しい」と笑顔を見せる。今は飲食店のアルバイトだが正社員で働くのを目指す。

 少子高齢化による空き家問題や、非正規労働者の増加による所得格差の課題を踏まえ、スマイルスタイルの塩山諒代表理事は「空き部屋という資源≠うまく活用していくための足掛かりにできれば」と意欲を示している。


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