週刊大阪日日新聞

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2017/9/30

生まれ変わる梅田

高層ビル×ホテル建設 大型プロジェクトが同時進行

 西日本を代表する商業地の梅田エリアが、生まれ変わる。高層ビルやホテルの建設など複数の大型プロジェクトが同時に進行。空中回廊の整備も進み、梅田エリアの課題だった回遊性の向上も見えてきた。梅田は今や、関西経済をけん引するエリアとして変貌を遂げつつある。

歩いて楽しめる街へ

■ 弱点解消

 かつての梅田はJRや私鉄が各地区でそれぞれに開発を進めてきたため、回遊性が悪く、エリア全体の統一性の乏しさといった課題を抱えていた。関西経済連合会の研究会が過去にまとめた報告書は「各地区が競い合って開発を行い、都市構造の問題を抱えている」と指摘している。

 こうした弱点≠ェ示される中、梅田の発展を目指して発足したのが「梅田地区エリアマネジメント実践連絡会」だった。JR西日本、阪急電鉄、阪神電鉄、グランフロント大阪TMOの関西を代表する4事業者が参加。同会事務局は「個々に進めていた開発への危機感から、手を携えて梅田を発展しようと集まった」と振り返る。

 これまでに周遊を促す季節のイベントや施設の案内表示の統一など、利用者目線に立った取り組みを展開。「歩いて楽しめる街づくりを進めたい」(同会事務局)と意気込む。

■ 建設ラッシュ

 梅田一帯では大型の商業施設の建設も相次いでいる。阪神電鉄と阪急電鉄は、阪神百貨店梅田本店が入る大阪神ビルディングと、隣接する御堂筋沿いの新阪急ビルの2棟(図@)の一体的な建て替えを進めている。百貨店やオフィスフロアを備えた地上38階、地下3階建てのビルで、2022年春ごろの完成を目指している。

 JR西日本も大阪駅北側の宿泊施設「大阪弥生会館」の跡地にホテル(図A)を建設中だ。地上8階建てで約400室の客室とレストランを完備。来年6月6日に開業する意向だ。

 一方、ヨドバシホールディングスは、家電量販のヨドバシカメラなどが入るヨドバシ梅田ビル北側に複合型高層ビル「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」(図B)を建設中。商業施設とホテルが入る地上35階、地下4階建てのビルで19年冬に開業する。ビルの周囲に空中回廊を設け、グランフロント大阪などをつなぐ。ヨドバシ梅田ビルと、同駅を結ぶ空中回廊はすでに利用が開始されている。この秋にはグランフロント大阪との行き来も可能になる。(図C)

■ 点から面へ

 都市デザインなどが専門の大阪市立大工学部の嘉名光市教授は「梅田はミナミに比べて移動経路が分かりにくかった。解決策の一つが空中回廊だ」と評価する。

 さらに、梅田エリアをはじめ大阪市のキタ¢S体を見渡し「北区の梅田と中崎町、さらに福島区を結び付けられれば、さらに面白いエリアになる」と点から線、面への発展の広がりを展望した。


[記者の視点]人を引きつける「解」はここに

 訪れるたびに発見がある、と書けば少し大げさだろうか。しかし、梅田には人をワクワクさせる魅力がそこここにある。「日本有数の繁華街」「関西の玄関口」。梅田を形容する枕ことばがそれを物語る。

 時代をさかのぼれば、江戸時代の梅田はほとんどが湿地帯。1874年に大阪駅の初代駅舎が建設された時も、周囲には少しの民家と田園があるだけだった。時代の流れと共に商業施設や飲食店、オフィスビルが次々に立地。商業施設の集積は日本最大規模を誇るまでになった。

 街の姿は変わり続けるものだが、人を引き付け続けるのは容易ではない。そんな難問に対する一つの「解」が今の梅田に見て取れる。


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