週刊大阪日日新聞

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2017/6/24

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

記憶に新しい九州豪雨被害 大阪の自然災害対策は大丈夫?

 7月5日に記録的な集中豪雨で大きな被害が出た九州北部。3年前には広島市の住宅街で、2年前には茨城県の鬼怒川流域の市街地で、昨年は北海道の農作物が大被害を被るなど、このところ集中豪雨による被害が毎年のように起きている。

 九州の豪雨被害に隠れていたけれど、実は大阪でも9日に東大阪市から奈良、京都にかけて冠水被害があった。大阪市街地の自然災害の対策は大丈夫だろうか?  梅雨明けの今だから考えてみよう。

都市部にも潜む災害危険地域
線状降水帯発生に注意


洪水ハザードマップの具体例(淀川が氾濫した場合・都島区)

 「もし自然災害が起きたら、どこが危ないのか」を示してくれるハザードマップ。このマップは災害別に数種類あるので、まずは整理してみよう。

 住居地ハザードマップは全部で6種類。ほとんどの自治体がネットで公開しているから、表の分類を参考に検索してみて。地元の役所に行けば印刷した物も手に入るよ。

 大阪の市街地は集中豪雨による突然の洪水や高潮、地震による建物倒壊や液状化が十分起こりうるし、裏のがけが崩れる程度の土砂災害もありうる。火山と津波は、地形的に直接の心配は少ない。マップを参考にして、自宅や家族の住居地のある場所がどの災害のリスクがあるのか≠知っておくことが大切だよ。

危険度の基準って何?

 では、具体的に何がどの基準に達すると危険なの? 地震は突然やって来るけれど、台風を含めた風雨襲来はある程度、テレビやラジオ、ネット情報などをこまめにチェックすれば自分に迫る「危険性」を数値的に見極められる。

 名称とシンボルカラーは、「注意法」が黄色、「警報」が赤色、そして紫色が数十年に一度のリスクを表わす「特別警報」だ。警報は学校を途中帰宅させられるほど十分に危険なサイン、特別警報はめったに出ないので、みんな比較的無関心だけれど、すぐに被害が出るほど切迫した危険性を示しているんだ。

 さらにプラスして出されるものに「記録的短時間大雨情報」がある。これは主に特定個所での線状降水帯の発生で、既に大雨があったことを指している。雨を降らす前線に湿った空気が次々流れ込んで雨空が1カ所で続き、都市部でも一戸建て住宅や道路の冠水、地下街地下階への浸水が懸念される。何度も何度も連続で出る場合もある。

都市での集中豪雨、洪水

 大阪市など大都会は、1時間に50ミリ程度なら降り続いても十分な排水能力がある。特にマンションの2階以上の住まいなら、大雨被害はまず大丈夫。避難する時の道のりの方が危険な場合が多いので自宅で様子を見る方が賢明。階上なら仮に1階が冠水しても、3日くらい持ちこたえられる備蓄食料さえあれば、そのままとどまる方が安全だよ。

 次は川。大阪府はかつて寝屋川や恩知川など中小河川の氾濫で流域が水没した経験がある。その教訓から、護岸水防対策は早くから進んでいて20世紀、昭和の時代に比べると、危険度は格段に下がっている。琵琶湖からの淀川水系は河口の川幅が広く相当強固。

 ただ心配なのは、堺市を流れる大和川水系と阪神間の猪名川水系。裏の用水路%Iな小規模河川の増水が気がかりな地域は、洪水警報と氾濫危険水位の動きに注意が必要だよ。増水時に決壊の危険性がある堤防はハザードマップに示してあるのでチェックしておこう。

 下水があふれ道路冠水するとマンホールが流されてしまうことがある。もしその穴に足を取られ落ち込んだら命に関わるので、水で地表が見えない個所は絶対歩かないこと。

 キタやミナミの中心部は、地下街や地下鉄の水没が話題に上ることがあるけれど、実際にそういうことはまず起こらない。むしろ怖いのは地下階の水没。急な大雨が流れ込んで特定建物の地下階だけが水没したことは他市でも例があるよ。

 先週名古屋でもあったけれど、少し潜ったようなアンダーパスの道路は自動車が水没する危険がいっぱい。特に夜間は大雨で視界が悪く、気付かないうちに水たまりに突っ込んでしまうことがある。排気管に水が入るとエンジンは瞬時にストップ。間違っても「猛スピードで走り抜ければ何とか…」と考えてはダメだよ。

 あまり神経質になる必要はないけれど、地元の役所が普段耳慣れない情報を次々出してくる時は「何だかヤバイなぁ」と自覚した方がいい。こういう時に役立つのは、ネット情報と地上波デジタルテレビのリモコンのdボタン。気象情報から自宅周辺のピンポイント情報がすぐ手に入る。特に子どもやお年寄りなどのいる家庭は、心の中のスイッチを早めに切り替え、未然に危機を察知しよう。

地震は大震災に学べ

 最後に地震。関西はかつて阪神・淡路大震災を経験しているから、この時の知識が必ず生きてくる。例えば「深夜の災害発生は避難か待機か」など、年配者を中心に話し合い、避難場所と経路を確認するだけで、いざというときの対処が全然違う。秋の台風シーズンまでに各家庭でオーダーメードの防災準備を心とモノ@シ面で用意するようにしよう。

■ハザードマップの種類(基になる法律)
洪水ハザードマップ

河川氾濫の危険度を表示(水防法)

高潮ハザードマップ

台風時などに堤防を超える海水流入を予想(水防法)

土砂災害ハザードマップ

急傾斜地崩壊、土石流、地滑りの危険性を表示(土砂災害防止法)

火山ハザードマップ

火山噴火時の噴石、火砕流の襲来を予測(活火山対策特措法)

地震ハザードマップ

地震発生時の活断層位置、推測される建物倒壊や液状化などを予測(地震防対特措法)

津波ハザードマップ

地震発生時などに陸上へ押し寄せる津波の予測(地震防対特措法)

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