週刊大阪日日新聞

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2017/6/24

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

小さなギャング 毒アリ≠ノご用心

大阪南港では「女王ヒアリ」見つかる

 尼崎市や神戸市などで、中国・広東省から到着したコンテナから南米原産の毒アリ「ヒアリ」が相次いで見つかり、さらに「ヒアリ」より毒性の弱い「アカカミアリ」も、岸和田市と枚方市でコンテナの荷出し中に発見されたよ。猛毒アリは 簡単にいうと『スズメバチのアリ版』。今回はこの小さなギャング 毒アリ≠フ正体を考えてみよう。

危険外来生物とは?

 日本固有種の生態系に影響を及ぼす外来種の動植物≠フ中で、アリ類ではヒアリ、アカカミアリ、コカミアリ、アルゼンチンアリの4種を環境省は特定外来生物に指定している。特に上の3種は「人の生命・身体への被害」報告から危険外来生物に指定されているんだ。

 英語で「Fire Ant」(火蟻)と呼ばれる最悪の存在の「ヒアリ」は、赤褐色で体長2〜6ミリ。鋭いアゴでかみつくが、もっと困るのはハチの仲間ともいえるのでお尻の毒針で何度も刺すこと。針は何度も使え、激しい痛みの原因になる。まるで火の粉が降ってきたような痛みからこの名が付いたんだ。

 刺されて10分ほどで水泡ができ、20分で全身にじんましんが広がる。アナフィラキシーショックの既往症があったりすると、発熱や動悸、めまいなどを起こすよ。生命の危険もあるから、すぐ救急病院で点滴治療が必要になる。

他国ではどんな被害が

 アマゾン奥地が原産のヒアリは、今では中北米一帯に拡大。太平洋をまたいだ貿易で、2001年にインドネシアへアジアに初上陸。同じ年に豪州からニュージーランドに入り、その後、台湾や香港と中国本土へ拡大したんだ。

 女王アリとオスは風に乗って飛べるので、20キロくらいは移動できる。米国では年間1500人くらいが刺され、うち100人前後が亡くなっているよ。

 環太平洋地域で絶滅に成功したのはニュージーランドだけ。港で万全の検疫体制を敷いて、巣を見つけては殺虫剤入りのエサと殺虫剤で女王アリを狙い撃ち。09年に根絶宣言を出した。

 台湾の場合はこれまで14億円も掛けて駆除に努めているけれど、まだ成果が出ていない。

 ヒアリがみつかった神戸ポートアイランド一帯では環境省が目視調査しているが、エサのないコンクリート面やコンテナの内外で見つかっているのが共通点。生き延びるには植え込みや土盛りの部分にたどり着き、その中に潜り込む必要があるんだけど、今のところそこまで至っていないようだ。

 ただし他国の例を見ても、雑食性で越冬もできるのでいったん侵入されたら完全駆除は時間とお金が掛かる。最近各国でひんぱんに見つかるので、「日本での拡散も時間の問題」と見る生物学者もいるよ。

赤っぽいアリに注意

 さて、大阪で見つかった「アカカミアリ」だけど、ヒアリと同様にお尻の針で刺すが、毒性はやや弱い。色や姿形はヒアリに似ているから、ちょっと見分けにくい。こうして見ていくと、どうやら赤っぽいアリ≠ノ要注意と言えるかも。日本在来のアリのように逃げださず、攻撃してくる習性も厄介。日当たりのよい乾いた地表にアリ塚を作るから、もし見かけたら地元の役所に通報しよう。

 夏場はアリにとって特に動きが速まる季節。子どもたちはまず、アリの群れに近づかないこと。アリは、エサを求めて植え込みなどに侵入するからそういう場所への立ち入りも要注意。お母さんは「スズメバチくらい危ない」ということを頭に入れておいて。


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