週刊大阪日日新聞

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2020/11/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

ポスト大阪都構想は? 維新に手痛い再#ロ決 次の一手は?

万博、IRの焼け太り≠ェ大阪市強化への温床に?


▲反対多数が確実となり、頭に手をやる大阪維新の会の松井一郎代表(左)と、支持者の賛否が分かれた公明党府本部の佐藤茂樹代表=11月1日深夜、大阪市北区のホテル

 戦い済んで日が暮れて…。大阪維新の会を率いる松井一郎市長や吉村洋文知事はいまだに大阪都構想の住民投票否決が信じられないかもしれない。賛成多数への強力な2枚のカードを持っていた。コロナ対策で時の人となった吉村知事の人気と、常勝関西・創価学会を支持母体に持つ公明党の協力だ。それなのに敗れたからだ。

 敗因は@両者に頼り、コロナ禍なのに投票時期を急ぎ過ぎたA維新の府市協調§H線に市民が慣れてしまい、「市廃止まで必要?」と疑問を抱かれたB5年前の住民投票否決から、内容的にほとんど進化していなかった、の3点だろう。ではこれから、大阪市は、大阪維新の会はどこへいくのか?

維新の命運は「総選挙での党勢の拡大」次第

 大阪都構想が否決の後、早くも次の話題が持ち上がっている。松井市長は今回のパートナーだった公明党が、かなり前に提案した「総合区移行」を持ち出した。現在の24区を8区程度に再編して権限強化し、住民サービスを拡充する中身だ。公明は「都構想が消えた今は白紙」としていたが、7日には「行政側からの提案を受けて前向きに進めていきたい」としている。

 次に出て来たのは吉村知事が提案する事業統合。水道や消防などを「引き続き府市一体で進めましょう」という内容だが、市民には、「二重行政解消」で公立の医療施設や教育施設の統廃合が押し進められた過去があり、「何でも一つにすればOK」では納得はしない。府立体育会館と市立体育館が大阪市内で並立していても、市民は何も困らないからだ。

 逆に大阪市の力を強める動きが出ている。「特別自治市」という構想で、政令市の大阪市が独立し、市域の府の権限や財源をすべて移してもらうという考え方だ。ただし国の法制化が必要になる。この考え方や基本は以前にもあった。2000年に太田房江知事(現自民党参院議員)が、都構想に似た「大阪新都」を発案すると、磯村隆文市長(退任後07年死去)が強く反発。特別自治市に似た「スーパー指定都市」を掲げて対抗した形に似ている。結局、歴史は繰り返すのだ。

 今回負けたからと言って大阪維新としては放置できない。生き残った大阪市は、大阪・関西万博やIR(カジノを中心とした統合型リゾート)誘致で焼け太り&K至だからだ。

3度目はあるか?

 大阪維新は選挙に勝ったヤツが偉い≠ニいう基本から「勝つまで何度でも何でもやる」という政治スタンス。大阪都構想は大阪維新の公約で一丁目一番地。「首都東京に対し、大阪を副首都に」という大義名分もある。2010年、橋下徹知事(その後に大阪市長となり、15年退任)は就任時に「大阪市をぶっ壊す。大阪都を作る」と既に公言している。

 橋下氏は最初の住民投票に敗北して政界を去り、松井市長も2度目の敗北で引退を表明。今月21日に大阪維新は全体会議を開いて後継代表の選出に動く。仮に松井市長ら創業者世代が完全に退けば、次世代の吉村知事で組織がまとまるかも不透明だ。

 すでに10年間で府市は都構想実現のために人件費を含めて100億円の巨費を投じてきた。何年かかっても大阪維新が存続する限り「いろいろやりましたけど、やっぱり大阪都構想しかない」と3度目の住民投票実施を大阪市民は覚悟しておいた方がいい。

 特別区設置の住民投票は、国の「大都市地域特別区設置法」という法律で実施が義務付けられている。本気で大阪維新が「都構想は完全封印」と言うのなら、この法律自体を廃案とするよう国に働き掛けるぐらいのパフォーマンスを見せればよい。

 大阪維新が未来大阪のお手本≠ニして示す東京都と23特別区も原型が成立したのは1943(昭和18)年の太平洋戦争真っ最中。東京府と東京市を一元化しての帝都防衛による大戦遂行貫徹 のためで、現代の都構想に対する理想論とは無縁。現に都構想論議に刺激され、全国20ある政令市では住民投票の動きはない。

 残るのは維新が最初に提唱していた都道府県を廃止して基礎自治体を残す「道州制」への移行だが、都道府県単位で成り立つ国会議員の区割りを考えれば、実現は到底不可能。机上の空論と考えた方がいい。

菅首相も困った困った

▲都構想が否決となり、喜びの表情を見せる自民党の北野妙子市議団幹事長(中央)ら=11月1日深夜、大阪市中央区の府連本部

 菅首相と松井市長が個人的に蜜月であることはは政界では有名だ。2人が一緒に取り組んだのが2012年の「大都市法」の成立。横浜市議出身の菅氏が自民党大都市問題プロジェクト座長として、当時の松井大阪府議の都構想論議を後押しして法案を成立させた。以来、菅氏は事あるごとに大阪都構想に理解を示し、自民党大阪府連とねじれてきた。

 しかし衆院選を見ると大阪19小選挙区で、前回2017年の当選者は自民10、公明4、維新3、立憲2(現在の政党名で表記。その後の補選などで入れ替わりあり)。公明4人の選挙区では自公が選挙協力し、維新は忖度して立候補者を立てないできた。代わりに自民と維新はすべての大阪小選挙区で直接対決。衆院維新は橋下時代の12年の54議席が最高で、14年が41議席、17年は11議席と大阪での勝敗がはっきり議席数に反映されている。

 菅首相にすれば、日本維新は隠し球=B与野党どちらでもなく是々非々としながら、17年共謀罪、18年カジノ法、入管難民法と 与野党対決法案はことごこく政府案に賛成し、下支えしてくれている。

 菅首相は、連立政権の公明への駆け引きにも使える便利な存在として維新を維持しておきたいのが本音。来秋に任期満了となる衆院は1年以内に必ず解散総選挙がある。その時に国政政党・日本維新が「党勢を維持拡大できるか」に、維新の命運は掛かる。

 松井市長が大阪維新の代表辞任を早々と表明しているのに、国政の日本維新の代表は続ける意向を示している点に「秘策あり」がうかがえる。大阪都構想で敗れ、市長に留まり続ける理由はないだけに、衆院解散で「日本維新から強く要請された」格好で国政転身がサプライズで可能性あり。それくらいしないと、今度の総選挙で、簡単には維新は勝てないからだ。

公明は自民と関係修復へ

 公明は今回の住民投票で支持層・創価学会の強い反発が身に染みたはず。私の耳には「大阪では維新にどう喝され続け不快感しかない。都構想賛成への変節も東京からの一方的指示からで屈辱だった。今後は自民党大阪府連と関係修復して出直す」との学会幹部の意向も伝わっている。

 問題はその自民党大阪府連。都構想反対が勝利した時に、中心となった北野妙子市議が会見する周囲で、府選出の国会議員がシレッと並んでいた。運動期間中は菅首相に忖度し人も金も動かさず、知らんぷりしていたのに。「何で勝てたんやろ? 不思議やな」と顔を見合わすほどだから頼りにならない。

 結局こうした自民党大阪府連の相変わらずの足腰の弱さが、保守層有権者の不満の受け皿として維新台頭を招いていることをまだ理解していないようだ。

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