週刊大阪日日新聞

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2020/10/24

教育特集 親世代にこそ知ってほしい 
子どもの未来と私立中の今

Society5.0はドラえもんの世界!?


▲提供:三菱総合研究所

 最新テクノロジーを活用して経済の発展と社会的課題の解決を両立する社会(Society5・0)を目指す日本。予測不能な社会を生き抜くために、アクティブラーニング(能動的学習)という学習法が学習指導要領に盛り込まれた。前号で紹介した「みんなが健やかに豊かに暮らせる社会をどうやって作る?」のような答えのない問いも一例だ。その問題を紐(ひも)解いていくと、少子高齢化、老老介護、大人の引きこもり、自殺、食料自給率、異常気象…。さまざまな問題が浮き彫りになり、課題解決には多種多様なアプローチが必要なことがわかる。子どもたちには、自ら課題を見つけ、探求し、多様な他者と協働し未来を創る力を身に付けることが求められている。


▲ファシリテーターの先生を交え、ディスカッションする生徒たち(写真提供:常翔啓光学園中学校)

 インターネットやロボット、AI(人工知能)、ビッグデータなど最新技術を駆使して、社会課題を解決しつつ経済を発展させる日本が目指すべき社会として内閣府が提唱したSociety5・0。あったらいいなと思っていたドラえもんの秘密道具「糸なし糸電話→携帯電話」や「ほんやくこんにゃく→音声翻訳機」が実現したように、ドラえもんが誕生した22世紀の世界の空飛ぶ車や、タイムマシンでの時間旅行も、もしかすると当たり前になる時が来るのかもしれない。

生きる力を育てる

 2045年には「シンギュラリティ=AIが人類の脳を超える時点」が来ると、人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル氏は提唱している。ともすれば、AIが進化し人類を不要とする映画「ターミネーター」をイメージしてしまう。

 一方で、同じく人工知能の権威であるジェリー・カプラン氏をはじめ「たとえどれだけAIが進化しようとも、人間と同じような思考を持つことはない」という意見が多いのも事実。

 シンギュラリティ到来の有無は分からないが、今後ますます急速に変化する時代を生き抜くために子ども達には適応力や応用力、新たな価値を創造する力が必要になる。

 それらのいわゆる「生きる力」を育むための手法として、主体的・対話的で深い学び=アクティブラーニングが文部科学省の教育指導要領に掲げられている。今までのように授業を聞くだけの受け身の学習ではなく、能動的に学ぶことで、認知的・倫理的・社会的能力、教養、知識、経験などを広く活用できる力を育てるという取り組み。学ぶ意欲を育て、知識や技能の習得はもちろん、思考力や判断力、表現力を身に付ける学習方法だ。自ら課題を見つけ、仲間と協働し、解決し、成長していく―。

 変化が激しく未来の予測が不可能な時代に、身に付けた知識や技術を活用して自ら行動できる力を養うことが、真の学習といえるのではないだろうか。

私立校、積極的に導入

 公立校でもアクティブラーニングを導入している学校はあるが、フットワークの軽い私立校はすでにさまざまな取り組みを積極的に行っている。

 ただ、子ども達の主体性を育むのはそう簡単ではない。答えのない課題に取り組む生徒たちをサポートする側の先生の力量も重要なポイント。ICT(情報通信技術)をうまく活用し、自らのファシリテーションスキル(参加者を活性化、協働促進を行う能力)を磨き、先生たちも答えのない課題に取り組んでいると言っていいだろう。子ども達の個性や能力を引き出し、学ぶ姿勢を育むために教師自らも学んでいるのだ。

 実際には、限られた授業時間の中でのアクティブラーニング導入手法は学校によってさまざま。各学校が掲げる教育目標や理念を理解し、いかに効率的かつ効果的な授業が行われているかを知り、選択することが重要になってくる。なぜなら教育の現場と子どもの未来は一体であり、親として教育のあり方について考えるきっかけにもなり得るからだ。


記者の視点 大空へ羽ばたく翼

 日本には「奥ゆかしい」という言葉があるように、どこか控え目な態度が美徳とされるところがある。尊敬や感謝の意を持つことは今も昔も大切なことに変わりはない。ただ、情報化・グローバル化が進み、年齢や性別や国籍までもがボーダレスな社会にあって、自分の考えを持つことや、自己を表現することはさらに必須となり、自ら道を切り拓くパワーをつけることが欠かせない。逆に言えば、今の子ども達は自らの成長次第で、いつでも世界のどこへでも自由に羽ばたけるということ。アクティブラーニングは彼らの背中に大きな翼を育てるということなのかもしれない。


聞いてみた!
大阪近郊私立中学校のアクティブラーニング

大阪青凌中学校

大阪府三島郡島本町若山台1−1−1

中学部主任 岡橋 昌俊先生

 自主自律を校訓に、1学年1クラスの少人数制で6年前からICTを導入。「探求・協議・発信」の能動的な学習に取り組む中、思考力・判断力の基礎となる読解力・文章力(表現力)を養うため、毎朝の読書や速読トレーニングの時間を導入。その集大成として、年度末にはディベート大会も行う。

浪速中学校

大阪市住吉区山之内2−13−57

入試広報教頭 出口 晴久先生

 「ICT」・「グローバル」・「道徳」を柱とし、高いレベルの「文武両立」を目指す。人間力育成を基軸とした道徳の授業では、グループ学習やディスカッションを取り入れた生徒主体の対話型授業にICTを巧みに活用。教員がGoogleの認定教育者資格をとり、生徒一人ひとりの学習内容の最適化を図る。

関西創価中学校

交野市寺3−20−1

池田 勝利教頭先生

 学校生活全体で「人格を形成する」学びを実践。全生徒にChromebookを貸与、授業はただ受けるものではなく、生徒自身が情報の発信者になることに重きを置く。キャリア教育では卒業生が来校し、優れた授業の手法を教員同士で共有。教員、生徒、卒業生が「チーム関西創価」として教えあい、学びあい、共に高めあえる環境を作っている。

立命館中学校

京都府長岡京市調子1−1−1

白井 有紀教頭先生

 中学では、社会貢献体験、オーストラリア研修、海外生との交流サミットを実施。高校では、生徒が作る修学旅行、海外派遣・海外生受入プログラム、海外校との共同課題研究や模擬国連などに参加。中高一貫教育において「自主自立を促す教育」「グローバル教育」「STEAM教育」の3つの軸で学力と人間性の向上を目指す。

香里ヌヴェール学院中学校

寝屋川市美井町18−10

池田 靖章学校長

 新たな答えを創造する力を養成する「PBL」、グローバル化に対応した伝える手段としての英語力≠フ育成、生徒全員がタブレット端末を使い個々の能力を引き出すICTを活用した授業を展開。主体的に学び、人間力を高めながら課題解決力や課題発見力を育成する「探究学習」を取り入れ、分析力・批判力・創造力そして未知なる答えを求める力を養っている。

四條畷学園中学校

大東市学園町6−45

中司 延亮企画部長

 自分の夢・目標を実現させる力実現力≠養うためにグループワーク、プレゼンテーションを行い、生徒自らが計画する社会見学や、生徒会が進行・運営を務める文化祭など、生徒の自主性と協調性を養う。生徒全員にiPadタブレットを整備、チームでさまざまな課題に取り組み、生徒同士が教えたりするなどの「学び合い」の授業ではお互いを高め合っている。

大阪信愛学院中学校

大阪市城東区古市2−7−30

藤林 好美副教頭先生

 本校では、他人の伝えたいことを正確に「理解する力」、いろいろな角度から物事をとらえ、多様な意見を踏まえて辛抱強く「思考する力」、自分の考えを人に「伝える力」を育成。また、教え合いやグループ討論、体験学習を通して知識の定着に努めている。

追手門学院大手前中学校

大阪市中央区大手前1−3−20

前田 生入試広報部長

 教科の枠を超え未来社会をにらんだグロバールサイエンス教育に力を入れ、自分、相手、社会の関係の中で探究力を育成。「新たな学び」として@個別型の学びA協働型の学びBプロジェクト型の学び―を3本柱とした授業に取り組む。ICTを活用した「個別型の学び」、教え合い、知識を活用する「協働型の学び」など個々に応じた効果的な学習している。

金蘭会中学校

大阪市北区大淀南3−3−7

岡田 正次学校長

 身につけてほしい3つの資質(5つの力)「学力(学ぶ力・考える力・解く力)主体性(行動する力)協働性(認め合う力)」がKINRAN PRIDE≠フ土台となる。来年度からの新コース「グローバルスタンダードコース」では、国際理解力を持ったグローバルシチズンをめざし、自らの夢や希望の実現に向けて、困難を乗り越えていける生徒を育成する。

大阪女学院中学校

大阪市中央区玉造2−26−54

入試対策室長 村上 蘭先生

 同校で活発に行われている「調べ学習」。中学では、人権教育の一環として、日本の戦争について理解を深める。図書館の資料やICTを活用し、自ら情報を収集・分析することで多角的な視点を養い、発表することで思考を整理する。3年時には激戦地であった沖縄を訪問。正しい知識を身につけ、物事の本質を見極める力を育んでいる。

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