週刊大阪日日新聞

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2020/9/26

教育特集 親世代にこそ知ってほしい 
子どもの未来と私立中の今

アクティブラーニングはなぜ必要?


▲広がりつつあるディスカッション形式の授業(関西創価高等学校、2018年11月撮影)

 週刊大阪日日新聞記者が継続的に行う教育現場の取材。社内独自アンケートでも小学生の子どもを持つ親の半数以上が、教育現場の変化を知らないでいる。各校が取り入れようとしているアクティブラーニングについては、「まだ知らない」「よくわからない」という人が多く見られた。子どもたちが向かっていく未来と教育は一体である。親世代に今一度知識を深めてもらえる機会を作りたい。

問 題
みんなが健やかに豊かに暮らせる社会をどうやって作る?
あなたの答えをプレゼンしてください。

 もし、上の問題が学校で出されたら、親であるあなたはどう答えるだろう? もっと身近に置き換えたとしたら、「コロナウィルスが流行している今、豊かさを優先してお店でたくさん消費活動をする?」それとも、「健やかさを優先して家で自粛する?」


▲出典:内閣府HPより
Society 5.0とは
内閣府が提唱した狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く新たな社会を指すもので、「経済発展と社会的課題の解決を両立する」社会

 この問題に答えはない。どちらかだけを優先しても問題全体の解決にはならない、今世界中が抱える課題だ。

 人とモノをつなぐIoTやロボット、人工知能(AI)、活用力の高いビッグデータを融合させて、社会的課題を解決しながら、経済を発展させていくのが、Society5・0。無人走行バス、スマート農業などが人手不足やコストダウンにかなり有効な解決策を生み出し、ますます便利な世の中になる。仕事をロボットが代わりにやってくれるので、数年先には今ある仕事の半分はロボットが変わって行うようになるだろう。しかし、結局「こんなものがあったらいいな」「こんな課題があるな」と考えるのは人だ。私たちはこの急速に変化する社会に、適応力や活用する力を持たなければならない。

生きる力はどうやってはぐくむ?

 親世代の学校教育では、先生の講義を聞き、問題があり答えがあった。もちろん今のこども達も同じようにテストもある。予測不能な出来事が次々と起こる社会の中で、これからの子どもたちは今勉強していることを『武器』にして、答えのない様々な課題に取り組まなければならないのだ。

 そこで、文部科学省は2020年以降の学習指導要綱で、アクティブラーニング=「主体的・対話的で、深い学びの視点からの学習法」を取り入れていこうという方針を出した。

アクティブラーニングとは

  直訳すると「能動的学習」。学んだ知識を活用して、精査して、自分の意見を発信していく力をつけていく学習だ。教科書を暗記して脳内に知識を格納するだけではなく、格納した知識を引っ張り出し、自分の言葉に置き換えて表現したり、仲間と意見を交わしたりしながら、より記憶に残る形で知識を定着させる。

 具体的には、課題解決型学習(左記参照)や事前に予習でしっかり準備し仲間との対話から学びを深める話し合い学習法(LTD=Learning Through Discussion)、探求型学習など様々な手法がある。いずれも、知識や技能の習得はもちろん、他者と協働し、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力を養うことができる。今後も変化し続ける社会を生き抜くには必要となる力だ。


アクティブラーニング手法の1つ PBLとは?
Project Based Learning(課題解決型学習)


▲自ら調査したことを自分の言葉で表現する生徒(常翔学園中学校提供)

 基礎から応用へ順位進む学習法とは逆に、まず課題が与えられ、それをクリアするためにどう学ぶかを自ら考え、多方面的なアプローチをする学習方法の事。考える力、知識を使って解決する応用力、答えを表現する力、情報活用力など様々な効果が期待される。通常は、教師は進行役に回り、生徒が調査と準備をし、発表するスタイルで進められる授業。


聞いてみた! 大阪近郊私立中学校の取り組み

関西学院中学部

西宮市上ケ原一番町1-155

司書教諭 河野隆一先生

 60年続く読書科の授業は「自立した探求者の育成」が目標。中1で図書館の活用法、中2でメディアリテラシーを学び、論文作成のスキルや考え方を習う。中3では1年かけて本格的な論文を作成する。この学びが、他の教科や行事でもいかされ、英語でエッセイを書いたり、プレゼンをしたり、探究型学習がさかん。

同志社中学校

京都市左京区岩倉大鷺町89

社会科教諭 井口和之先生

 中学では「発表」に重きを置く。聞き手が肯定的であれば自ずと話し方を工夫しはじめる。人の価値観の違いや情報共有と共感の必要性を学ぶ。高校では「探究」に重きを置き、内容や中身を追求・研究する(数学では模型を使って立体的に予測したり、古代の和算を学ぶことで古文も同時に学び算学の背景を学習)。

東海大付属大阪仰星
高等学校・中等部

枚方市桜丘町60-1

社会科教諭 渡邊紀尚先生

 中学生は義務教育なので基本的な基礎学習・学習習慣を反復練習する。「自主性」「グローカル(グローバル+ローカル)」「課題解決」「多様性」の4つを教育理念とし真の文武両道を目指す。今後は教育目標として「探究」も取り入れてゆく。

常翔学園中学校

大阪市旭区大宮5-16-1

根来和弘教頭先生

 アクティブラーニングという言葉が広まる前から、生徒の主体性を育てるために、「気づき」の種を蒔いてきた。後に結果として自発的に行動できる生徒が育ち、たくさんの花が咲いている。変わらず実社会で活躍できる人材を育てるため「課題解決型学習」や「私の履歴書」、学園内大学連携プログラムなどを用いて学びを深めていく。

同志社香里中学校

寝屋川市三井南町15−1

藤井宏樹教頭先生

 95%が系列大学に進学をするため、受験本位の学習にとらわれず、社会での活躍を見据えた「起業家教育」など、より深い学びに取り組む。理科ではより多くの実験を、社会では現場を見せる市場調査を、と実践的な取り組みに時間を割く。ICT技術を取り入れつつ、受け継がれる「本物に触れる」教育を推進している。

大阪国際大和田中学校

守口市藤田町6-21-57

中学主任 杉井紀夫先生

 生徒一人一人に情熱を注ぎ、時代と共に変化する教育にも柔軟に対応し、自分で考え、表現し主体的に行動できる世界に通じる人間を育てる。タブレット1人1台を完備。ICTのより深い効果的な活用とそのためのコミュニケーション能力の強化を目指す。

関西大学中等部

高槻市白梅町7-1

赤松正人教頭先生

 中高共に「考動力」を教育の柱とし「探求」できる人材の育成を目標としている。答えのない問題についての議論、実験での検証など、他者との意見交換や情報共有を通して結論を出す流れを練習。「ICT」はこれらの手段(道具)の一つとして活用の方法を指導。

常翔啓光学園中学校

枚方市禁野本町1-13−21

国語教諭 秋山克己先生

 Society5.0の社会を生き抜くためのスローガン「Always5.0」を掲げる。グローバル教育、学園内大学との連携によるキャリア教育、実際に企業が抱える課題や商品開発を生徒が考え発表するイノベーション教育を積極的に行う。

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