週刊大阪日日新聞

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2020/9/26

大阪都構想って何? 住民投票の前に総復習

10/12告示・11/1投開票

 大阪市を解体して再編する大阪都構想の制度案(協定書)が9月3日に市議会本会議で可決、承認されました。それで都構想の是非を問う住民投票(10月12日告示、11月1日投開票)が決まったんだ。市民にとっては5年ぶり2度目の住民投票となりますが、本紙の読者アンケートでは「大阪市が4分割されるのは分かるが、内容は理解できていない」という声が多くを占めました。都構想を分かりやすく「Q&A」で解説してみました。

大阪都構想最終審判 10年続く、政令市存廃議論にピリオド

Q そもそも大阪都構想って、なんで生まれたの?

大阪には大きな権限と予算を持った大阪府と大阪市の二つの自治体がある。大阪市は政令指定都市といって、都道府県並みの権限を認められている。都構想は2010年、当時の大阪維新代表で知事だった橋下徹さんが「大阪に二人のリーダー、二つの役所、二つの議会があれば摩擦・争い・調整は避けられない」「府と市の二重行政が無駄遣いを生んでいる」「大阪市をなくし、大阪府と一体化させて大阪の舵取り役を一人に」と提唱。そうすることで、意思決定のスピードアップ、トップダウンの力を強くしようとしたんだね。

Q 実際、どんな弊害があったの?

 その最たる例が、大阪府のりんくうゲートタワービル(GTB)と、大阪市のワールドトレードセンタービル(WTC)さ。建設時に府と市が互いにビルの高さを競い合い、当初の計画よりどんどん高くなってしまった。 最終的にWTCが256m、GTBが256・1mと10cmの差で大阪府の勝利。莫大な税金を無駄遣いし、二重行政の象徴となった。

 大阪市をまたぐ淀川左岸線の道路延伸でも二重行政の弊害が指摘されているよ。府と市が「どっちがなんぼ負担する」かで議論がまとまらず、整備が遅れてしまった。都構想推進派は府と市が協力することなく、住民不在の中で同じような「二重行政」サービスを行っていると指摘しているんだ。

Q なぜ、また2度目の住民投票が行われることになったの?

都構想が否決された後、議論は停滞していたんだ。そこへ、橋下さんの後を継いで大阪維新の代表に就任した松井一郎さんが「都構想の推進」を掲げて大阪府知事と大阪市長のダブル選挙を15年と19年に仕掛けて、いずれも維新が圧勝したんだ。府内の衆院小選挙区で全国最多の4議席を持つ公明党が国政で維新と対決することを避けてこれまでの都構想反対から賛成に転じ、府と市の両議会で賛成多数を形づくったんだよ。

Q 住民投票で賛成が上回ったら大阪市は消滅してどうなるの?

人口約270万人の大阪市は廃止され、現在の24区は「淀川」「北」「中央」「天王寺」の4つの特別区(人口約60万〜約78万人)に移行することになる。実際に特別区が設置されるのは5年後の2025(令和7)年1月1日なるんだよ。

Q 大阪府と各特別区の関係はどうなるの?

インフラ整備や観光戦略などの広域行政は府に一元化されるんだ。法人市民税、固定資産税、目的税(事業所税、都市計画税)、地方交付税相当額(市町村算定分)などほとんどの市税を大阪府が一度吸い上げて、各特別区と府内各市町村へ再配分することになるよ。

 住民に身近なサービスは特別区がそれぞれ担い、府・市が同じような仕事をする「二重行政」の解消を図るんだ。特別区は教育や福祉など身近な住民サービスに特化し、パスポートの交付などの権限も持つ。東京23区よりも事務分担の幅は広くなるよ。

Q でも、大阪市民にとってメリットがあるの?

推進派によると、大阪市の人口は270万人もいるから、選挙で選ばれる市長一人では市民一人一人の声が届きにくい。大阪市を4つの特別区に再編したら、4人のリーダーで課題解決のスピードが4倍になる。それぞれのまちの特性にあった税金の使い方ができると、メリットを挙げているよ。

Q 批判派の主張は?

批判派は、権限と予算の少ない4つの特別区になると言っているよ。大阪市の収入約8500億円のうち、4つの特別区への予算は6500億円。大阪市から吸い上げた残りの税収2000億円は大阪府が使い道を決める。だから、これまで大阪市民のために使えていた予算が2000億円減ると批判しているんだ。

Q 大阪市が独自の財源で行っている「敬老パス」や「こども医療費助成」など特別区になると、財政悪化に伴って廃止する可能性はないの?

推進派は、特別区になっても敬老パス、こども医療費助成、塾代助成など、大阪市が独自で行っている住民サービスは廃止されることはない、特色ある住民サービスは、その内容や水準を維持すると言っているよ。

 現在の大阪市が持つ基礎自治体行政の財源は特別区へ、広域行政の財源は大阪府へ。特別区の設置から10年間は住民サービスをより安定的に提供できるように、特別区に対して追加的な財源(各年度20億円)を配分すると説明しているよ。

Q 財源は大丈夫なの?

推進派は、都構想実現から10年間の歳出削減効果と経済効果はいずれも最大1・1兆円と試算しているよ。ただ、その試算に計82カ所の誤りが見つかり批判もあるんだ。その「住民サービス維持」の財政的根拠に民営化された大阪メトロの配当と税収や施設の統合による利益を見込んでいるんだ。

 コロナによる税収減や大阪市を4つの特別区という自治体に分割するので▽システム改修経費(182億円)▽庁舎整備経費(46億円)▽移転経費、街区表示変更経費など(13億円)のイニシャルコストに241億円、システム運用経費などに30億円のランニングコストが見込まれている。

Q 特別区間の財政事情の不均衡も不安だなあ?

特別区間の税源や行政需要の偏在による収支不均衡が是正できるように大阪府・特別区協議会(仮称)を設置するとしているよ。そしてお互いに連絡調整を図り、各特別区に財源を配分するから心配ないと。

Q 大阪府、特別区以外にも一部事務組合ができるというけど?

介護保健事業などが一部事務組合で実施する事務になるよ。それ以外にも民間の児童養護施設などの所管公平性や効率性、専門性が特に必要な事務は、一部事務組合が実施するんだよ。

Q 過半数が賛成したら、大阪府は大阪都になるの?

それが住民投票で可決しても大阪都にはならない。「大阪都」を名乗るには別途法整備が必要になるんだ。仮にコストが増え、市民サービスが低下したから元に戻そうと思っても極めて難しいんだ。

 住民投票で賛成多数となれば、1956年の制度発足以来、初めて政令指定都市を廃止する大規模な制度改編となる。地方自治のあり方に大きな一石を投じることになるよ。

 より多くの市民が参加し、政令市存廃議論10年にピリオドを打ってもらいたいね。

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