週刊大阪日日新聞

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2020/9/12

都構想 住民投票確定 11月1日投開票へ 4区案、議会承認そろう

否決5年 再び問う 奇策ダブル選で協議加速


▲大阪都構想の制度案(協定書)の採決に臨む市議ら=9月3日、大阪市議会議場

 大阪市を廃止して、4つの特別区を設置する大阪都構想の制度案(協定書)が9月3日、市議会本会議で可決、承認された。市選挙管理委員会は7日に開いた会議で、住民投票を10月12日告示、11月1日投開票とする日程を正式に決定した。

 市民にとっては2度目の住民投票に臨むことになる。

 新型コロナウイルスの影響もあり、都構想の内容が十分理解できていないことから漠然と不安を感じ、設置される特別区に戸惑う一方、今後の発展と二重行政の解消を期待する声も。将来、街の姿がどうなっていくのか予想は難しく、市民には複雑な思いが交錯している。

 大阪都構想は2015年の住民投票で否決されたが、橋下徹氏の後を継いだ大阪維新の会の松井一郎代表と吉村洋文代表代行が再挑戦を掲げ、息を吹き返した。協力を得られると見込んでいた公明党と対立し膠着状態に陥った際には、両氏が大阪府知事と大阪市長の立場を入れ替える奇策のダブル選で圧勝。一転して公明党が賛成に回り、協議は一気に加速した。

 今回の制度案をつくる府市の法定協議会は17年6月にスタートした。大阪維新は法定協や府市両議会で「賛成派」が過半数となるよう繰り返し公明への協力を求めたが、昨年春に決裂。局面打開のため、松井、吉村両氏がそろって辞職し、統一地方選に合わせてダブル選を仕掛けた。

 「選挙の私物化」との批判もあったが、いずれも大勝し、府議会では大阪維新が単独過半数を確保した。反都構想を掲げた対立候補を支援した公明府本部代表の佐藤茂樹衆院議員は「民意を重く受け止める」と賛成に転換。大阪維新と公明を合わせ、市議会でも賛成派が多数となった。

 その後の法定協は両者が協力する形でスピード展開。制度案はコスト削減を求める公明の要望で一部修正されたが、おおむね大阪維新の主張通りにまとまった。

 8月の府議会本会議。吉村氏は公明党議員の代表質問に対する答弁で「公明会派から住民目線に立った前向きで建設的な提案をいただき、実のある議論にできた」と持ち上げた。松井氏は3日の市議会本会議終了後、公明市議団の控室を訪問。「賛成していただいたことに感謝申し上げた」と取材に話した。


住民投票確定に市民の声 変わる大阪 期待と不安

 大阪都構想の住民投票が実施されることに対し、市民の心情はいかに。「期待」と「不安」の両面の声を紹介する。

【期待】

●現状では何も変わらない。市が大きく前進する好機。多くの課題もあると思うが、どんどん進めてほしい。
  西区の自営業・松岡隆夫さん(64)

●前回同様、今回も賛成。理由は二重行政の解消。維新の政治で生活が良くなった実感はまだないが、無駄がなくなることに期待。
 西区の会社員・村上寛さん(47)

●不可逆なことで迷っているが、都構想で不利益を被る人たちも多いので、最大限の配慮を前提として今回は変化に期待したい。
 平野区のシェアオフィス運営・大崎弘子さん(43)

●ここ数年、保育所がたくさんでき本当に助かった。失敗するかどうかは分からない。やってみたらいいと思う。
  中央区の会社員・平岩朝美さん(42)

●事業が豊中や吹田では始まっているのに、大阪市で遅れるケースがある。手続きも二度手間で、府と一緒になって解消されるなら大賛成。大阪の発展のためにいい。
 浪速区の福祉団体役員女性

【不安】

●介護保険の運営が特別区でなく、一部事務組合という別の地方公共団体で行われることを、ほとんどの介護事業者は知らない。一部事務組合では大阪市と範囲は変わらず、ニアイズベターにならない。
  生野区の福祉専門員連盟の有村哲史さん(48)

●住民投票をやる以前の問題。一度済んでいることで、前回の案を大きく変えている点もおかしい。現状がベストではないかもしれないが、今まで通り市独自でやった方がいい。長年続いた西区の名称がなくなる点も賛同できない。
 西区の元学校職員男性(75)

●前回の投票で反対したのにしつこい。平野は古い町。名前が区から無くなるなんてとんでもない話だが、維新に押しまくられた結果だ。仕方が無い。
 平野区の会社役員・末吉勘四郎さん(72)

●なんでも市場原理を持ち込めばよいというものではない。弱者に寄り添うという形が見えない。府市が連携するという考え自体はいいが、実践するのが雨がっぱを集めたりイソジンを推奨したりする人たちというのは不安。
  東成区のコピーライター・金輪際セメ子さん(44)

【もっと説明を】

●このタイミングでの住民投票はやめてほしい。説明を直接聞く機会もなく、どう変わるかいまいちよく分からないまま。制度もコロナを踏まえて再構築し、納得させてほしい。
 心斎橋筋北商店街振興組合理事長の児玉孝さん(72)

●中小企業施策がどうなるのか分からない。中小企業振興基本条例が大阪市ではできていたが、特別区に引き継がれるのか。特別区ごとに施策が変わるのか。説明がないまま『投票には行け』では困る。
 西成区の会社経営・堂上勝己さん(68)

●大きな区になり現場が見えづらくなるのではと不安。地域の福祉サービスは、公的なサービスだけでは対応できず、制度のはざまで問題を解決できずに暮らす人もたくさんいる。住民の声をしっかり聴き、政策に生かしていただきたい。
 北区の地域福祉・活性化に取り組む女性(46)

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