週刊大阪日日新聞

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2020/8/8

「お線香あげに…」は本心か 

森友事件 安倍昭恵首相夫人に真意聞く

赤木雅子さんの名に「それはごめんなさい」


▲裁判を終えて裁判所の外で夫の遺影を掲げる赤木雅子さん=7月15日、大阪市北区

 森友学園を巡る公文書改ざんで命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さん。その妻、雅子さんに対し、安倍首相の妻、昭恵さんが「いつかお線香あげに伺わせてください」と、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で伝えていたことを前回の本紙で報じた。あの言葉は本心だったのか、雅子さんは真意を測りかね、私との共著『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』で、昭恵さんのLINE公表に踏み切り、本を昭恵さんに贈った。

 そこへ昭恵さんの動向の情報が入った。7月17日、東京のホテルニューオータニで、子どもの絵画展に審査員として参加するという。私は雅子さんに言った。

 「ここで昭恵さんを直撃して、LINEの真意や、本が届いたかどうかを聞いてみるチャンスです」

 雅子さんは思わず、「ええ〜、そんなことできませんよ」

 「もちろん、そんなこと赤木さんにはさせませんよ。裁判があるのに、もしものことがあったらいけませんからね。私がします」

 「でも、相沢さんにもしものことがあったらどうするんですか?」

 「大丈夫です。私はどこまでやったら逮捕されるか分かっていますから。それに万が一そんなことになったら、日本中の人が『やられたな』と思うでしょう。だからいいんですよ」


▲安倍昭恵さん(中央)と籠池夫妻の国有地前のスリーショット写真。2014年4月25日撮影=関係者提供

 会場の前で待つと、昭恵さんが姿を見せた。白のスーツ姿。お供の女性が一人いる。これから審査が始まる時に声を掛けて主催者に迷惑をかけてはいけない。終了まで待つと昭恵さんが出てきた。だが、ここでいきなり質問を繰り出しても、あっさりかわされて、相手は何も答えず去ってしまうだろう。工夫が必要だ。私はあらかじめ考えていた。

 こういう時は相手の立場になってみる。見ず知らずの人に話し掛けられた時、どういう場合なら立ち止まるか?…本だ。著書にサインを求められたら応じるだろう。私は昭恵さんの著書と、雅子さんと私の共著を手に、昭恵さんにゆっくり歩み寄り、本を差し出しながら声を掛けた。

 「すみません、ご著書にサイン頂けますか」

 「あ、いいですよ」

 昭恵さんは立ち止まりサインをした。私は続けた。

 「この本の帯の言葉がとてもいいので、それもここに書いていただけますか」

 これは帯に「自分の心にまっすぐに」と書いてあったので思いついた。

 俊夫さんはそういう生き方をしていた。雅子さんは森友問題に関わった人たちに、真っすぐな心で話をしてほしいと願っている。その一人が昭恵さんだ。だからこの言葉を書いてもらうことにした。昭恵さんは嫌な顔をせずに、「自分の心にまっすぐに」と書いた。いよいよだ。私は重ねてお願いした。

 「ありがとうございます。実はこれ、知り合いの女性への贈り物にしたいので、その名前も書いて頂いてよろしいですか?」

 「ああ、いいですよ」

 「赤木雅子さん、ですけども」

 …その瞬間、昭恵さんの顔色がさっと変わり、表情が凍りついた。映画のワンシーンのようだった。声のトーンも低く暗くなった。

 「あ、ちょっとそれはごめんなさい」

 出口に向かい、足早に歩き出した。私は横について歩きながら話し掛けた。

 「その名前はだめですか」

 「ごめんなさい」


▲昭恵さんから届いたLINE(赤木雅子さん提供)

 「LINEでつながってらっしゃるんですよね」

 「はい、はい」

 「こんどお線香あげに伺いたいって書いていただいたそうで、すごく喜んでいたんですけど、それはどういうご心境だったんですか」

 昭恵さんは口ごもりながら玄関を出た。迎えの車が扉を開けて待っている。

 「じゃあこれ(雅子さんとの共著)をお渡ししたいんですけど、いかがですか。もうご自宅に届いているかもしれませんけど」

 「あ、はい、頂いてます」

 「そうですか。じゃあ最後 に名刺をお渡ししますので」

 「結構です」

 私は名刺をお供の女性に渡し、車で去る昭恵さんに最後の言葉を掛けた。

 「失礼しました。どうもありがとうございました」

 この顛末(てんまつ)を雅子さんにLINEで伝えると…。

 「根っから人がいい方なんですね。サインして、本を受け取ったことも認めているし。昭恵さんは本当に白いんじゃないかな?」

 一方でこうも指摘した。

 「私は間違えたら素直に謝ることができる人間になりたい」

 2日後、雅子さんが求める改ざんの再調査について、「必要」と回答した人が82%に上ったという共同通信社の世論調査結果が報じられた。雅子さんから再びLINEが届いた。

 「頑張って裁判を起こし、記者会見し取材を受け、ラジオ出演したことが世の中に伝わったんだなあと感じます。あとはこの世論調査を受け止める2人の『再調査をする』という言葉を、待つばかりです」

 2人とはむろん、安倍晋三首相と麻生太郎財務大臣である。

(大阪日日新聞 編集局長・記者 相沢冬樹)

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