週刊大阪日日新聞

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2020/7/25

特集 橋下教育改革10年目の検証

府立トップ10校 校長インタビュー

 橋下徹氏の大阪府知事時代に教育改革の一環として、グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)に指定された府立トップ10校は、2020年度で10年目の節目に入る。大阪のトップ校集団として、すでに不動の地位を築いているGLHSの今を追った。

新しい創る伝統生み出す 生徒と教職員一丸に

四條畷高校 稲葉 剛 校長


「これからの社会ではコミュニケーション能力の必要性が高まる」と話す稲葉校長


本館校舎は国の登録有形文化財に指定されている
―四條畷高の特徴は。

 文武両道、質実剛健を校訓としている。勉強と部活動をしっかり両立し、学校行事にも一生懸命取り組む中で、豊かな人間性を育成するというのが大きな特色。私が赴任して3カ月で抱いた印象は、生徒が爽やかなあいさつをしてくれる。部活動など時間をしっかりコントロールしながら、勉強に励んでいる。先生方もそうした生徒たちがかわいくて、なんとか生徒の力になろうと頑張っている。畷高(なわこう)には、生徒と教職員が一緒になって頑張ろうという気持ちにさせてくれる環境がある。

―特徴的な学習は。

 65分の35単位で、非常に中身の濃い授業をしている。グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)だけでなく、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)も2期目に入った。『社会に貢献できる科学技術系人材を育成する教育システムの開発』をテーマに課題研究を行っている。

 また、英語クラスの選択や多彩な国際交流を通じて、4技能統合型英語力と国際感覚の育成にも力を入れている。これからの社会では、ますますコミュニケーション能力が必要。自分の言葉で自分の思いを伝えることを大切にしてほしい。

―10年を迎えたGLHSの成果は。

 本年度から3学年全て文理学科となった。生徒たちが切磋琢磨(せっさたくま)しながら、自分の希望する進路を実現している。進学率も伸びており、今春は京阪神3大学に80人以上、国公立大学に200人以上の合格者を輩出した。SSHの課題研究を通して、総合型入試で進学する生徒も増えている。

―今後、力を入れていくことは。

 3年後には創立120周年の節目を迎える。今まで培ってきた伝統に加え、新しい『創る伝統』を生み出していかなければならない。そのためには、課題研究などを通して探究心やコミュニケーション能力、グローバルに活躍する生徒を育むこと。インプットをどのようにアウトプットしていくか、そのような活動を活発にしていく。

―入学を目指す中学生に向 けて。

 受験に特化した力ではなく、さまざまな教科科目の授業をしっかりと受け、基礎力を養ってほしい。基礎力がなければ、高校で伸びない。5教科だけでなく実技科目、クラブや行事など総合的な力を身に付けて、畷高でさらに成長してほしい。

 四條畷市雁屋北町。1903(明治36)年創立。2005年には本館校舎が国の登録有形文化財に登録された。11年度にGHLS指定され、18年度入学選抜から、文理学科のみの募集となった。文武両道を校訓に、硬式野球や陸上、水泳、ソフトテニスなど加入率95%以上の部活動が活発。文化祭(畷高祭)や球技大会、体育祭などの行事も盛んに取り組まれている。卒業生に角淳一(フリーアナウンサー)、村井美樹氏(女優)、松尾依里佳氏(バイオリニスト)らがいる。


「爽やかで骨太」の人材育成 主体的に学ぶ姿勢を育てる

岸和田高校 中山 玲代 校長


「主体的に自分の意欲で学んで欲しい」と話す中山校長


クラブ活動が盛んで、天体ドームも備える
―岸和田高校の教育方針は。

 キャッチフレーズは「爽やかで骨太」の人材育成。勉強だけでなく行事やクラブ活動にも積極的に参加し、いろんなことに挑戦して自分を高め、仲間と共に高め合っていく学校を目指している。すべての教育活動を通じ、生徒、教職員がともに主体的な学びで成長してほしい。

―文理学科の特徴的な取り組みがある。

 必履修科目として「文理課題研究」がある。2年生の週2時間。自分の関心に基づき、希望のゼミを選択し、1年かけて自分の勉強したいことを調べ、まとめ、発表していく。このプロセスが生徒を成長させる。地域の人とつながりを持ったり、NPOの人たちの協議会に参加したり、取り組みが広がるのも普段の授業では味わえないこと。

 また文理学科の中で、特に志を高く持っている生徒を集めたスーパークラスがある。2年生から文系1クラス40人と理系1クラス40人の各学年で2クラス。少しカリキュラムも変え、難関大学に合格すべく指導している。

―導入10年目の評価は。

 ここ数年の国公立の現役合格は約130人で推移している。後期試験まで粘って合格を勝ち取るなど、生徒らは非常によく頑張っているが、まだまだ伸びしろはあると思っている。入ってくる生徒の学力を、どれだけしっかり伸ばせるかが、これからの本校の課題だ。

 去年から目指しているのが「Yourself+α(ユアセルフプラスアルファ)」。プラスアルファにはいろんな意味があるが、学力に関しては『ここでいいや』ではなく、自分の能力よりちょっとしんどいところを目指そうということ。生徒の希望をかなえるため、校内外での公開研究授業を行うなど、一層の授業力向上に努 めたい。

―中学生へメッセージを。

 志高く入って来てくれる生徒に対して、それを引き伸ばすいろんな仕掛けがある。英語やプレゼンテーション、コミュニケーション能力を伸ばすプログラム、行事やクラブ活動。学校生活を充実させたいと思う生徒には、本当にぴったり。頑張って本校にぜひ来てほしい。

 岸和田市岸城町。旧岸和田城内に1897(明治30)年に創立、「きしこう」の略称で親しまれる。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)として2期目の指定を受ける。文武両道で、生徒の9割以上がクラブ活動に参加し、計44の文化、運動部で活発に活動。屋上には天体ドームを備える。卒業生にはコシノヒロコ、ジュンコ氏(ファッションデザイナー)、故高橋悦史氏(俳優)らがいる。

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