週刊大阪日日新聞

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2020/7/25

「GoTo」に批判続出 

移動の「制限」「推奨」を同時にやる矛盾

 全国的に新型コロナウイルスの新規感染者が増える中、政府の観光支援事業「Go To トラベル」を当初の予定より、前倒して4連休前の7月22日から見切り発車したことに地方からは「コロナを日本中にまき散らす」「これは人災」、医療界からも「今やるべきは移動制限だ」などと猛反発の声が挙がっている。

 政府は東京での新型コロナウイルスの感染者数が連日更新されているため、キャンペーンの対象から東京発着旅行を直前で除外するなど見切り発車を行った。さらに赤羽一嘉国土交通相は感染すると、重症化しやすい高齢者や感染が目立つ若者らの団体旅行を「控えてほしい」などと制限をかける発言を行ったため、利用者や観光業者に混乱が広がっている。

 同キャンペーンは国の観光庁が約1・7兆円規模の予算で行う復興対策事業「Go To キャンペーン事業」の一つだが、そもそも実施時期は新型コロナ感染症の流行収束後に、官民一体型で行うはずだった。ところが、国内を取り巻く感染者数は「第2波が襲来か」と思わすほどで、現況は流行収束とは程遠い状況だ。

 医療の専門家からも「全く理解できない。今やるべきは移動制限だ」「市中感染が広がり、無症状の感染者が増えている。むしろ検査を通じて感染者を割り出し、隔離しなければならない」などと批判の声が挙がっている。

 インターネット上でも延期を求める声が多く、ツイッターでは「♯Go Toキャンペーンを中止してください」というハッシュタグがトレンド入りしている。

 国民感情からも「熊本など九州の豪雨災害の支援」や「大変な状況に追い込まれている医療・介護現場への支援が先」との声が挙がる。

地方へ拡散の恐れ

 各自治体からも疑問の声が挙がる。

 「こんなに早くスタートするとは思っていなかった。非常に戸惑っている」と驚きの声を発したのは宮城県の村井嘉浩知事。村井知事は「日本全体で取り組まなければ感染者を抑えることは難しい。人の往来で感染者が増える可能性はある」。

 感染の地方への広がりを心配するのは、感染者が少ない鳥取県の平井伸治知事。「感染が急拡大している地域の人の観光を奨励すべきなのか」と批判的だ。

 豪雨被災地の熊本県では支援ボランティアも県民に限定している。蒲島郁夫知事も「まず観光も県民に来ていただきたい。大きくオープンすると感染拡大の可能性も高くなる」と県外からの感染者の流入に警戒している。

資本主義原則に反する

 「ウイズコロナ時代」が当面続く中、特定産業への支援策は資本主義経済の原則に反していると指摘する声もある。

 ある大阪の経営者は「この情勢でも何ができるかを考え抜くことが大事。そうすることで、新しい成長産業や商品が生まれる。安易にばらまきをやることは、コロナが収まれば元に戻ることを期待させ、思考停止させるようなもの。放っておいてもダメになるものに政府はお金をつぎ込むべきではない」と話している。

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