週刊大阪日日新聞

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(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2020/6/13

町を訪ねて 「京街道京橋」


▲まだまだ人出戻り≠ヘゆっくりの京橋中央商店街

 かつて大名から商人まで、多くの旅人でにぎわった京街道に沿う京橋の商店街。国道1号線から北へ切れ間なく、「新京橋」「京橋中央」「都島中三」と3つの商店街が続く。京橋の中では、昔ながらの下町ムードが残る、暮らしに密着した地域だが、今回のコロナ禍でここも例外なく、客足が途絶えた。緊急事態解除後も客足は「6割程度」にとどまっており、秋ごろまでは「様子見」が続き、我慢の頑張り時となっている。


▲「真実の口」もコロナバージョン

 JR京橋駅から環状線の東側を北へ、国道1号線を渡ると、京橋の人気ランドマーク≠ニして知られる「真実の口」に迎えられるのが、京街道京橋の入り口。「新京橋商店街」に始まり、「京橋中央商店街」そして「都島中三商店会」へと続く。食料品や雑貨を扱う店やドラッグストア、スーパーマーケットといった物販、そして喫茶店(いわゆるシアトル系は見当たらない)を含めた飲食店が軒を連ねる、地域の暮らしに密着した色合いが濃い商店街である。だが、ここもコロナ禍による影響は大きかった。

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を受けての大阪府の休業要請は、クラスター(感染者集団)が発生したライブハウスや接待を伴う飲食店はもちろん、それは広い範囲に及んだ。なかでも、この商店街で6割ほどを占める飲食店の打撃は大きかった。求められた営業時間制限や、「密」を避けるためのパーティションの設置、2m以上のテーブル間隔などといった感染防止ガイドは、店主を悩ませた。おまけに強い外出自粛ムードの広がりがプラスされ、街中から人出が消えた。

 「人出が(緊急事態宣言前の)1割ぐらいに減った。お年寄りの姿が目立って少なくなった。日々の買い物は知り合いに頼むなどしたんでしょうかね。(解除後1週間で)やっと6割は戻ったところ。夏ごろには8、9割は戻るだろうが、完全に元に戻るのかどうか、秋口までは様子を見守るしかないのでは」とは京橋中央商店街の事務局を切り盛りする仲辻昌佐子さん。

 同商店街理事長の土蔵康司さんも「商店街としては、いろいろなイベントを予定しているが、まだ7、8月にどう動くのか、ちょっと読めない状況にあるため、8月いっぱいは様子見としなければならない」とするが、コロナ禍が「収まれば」、ホームページを「もっと見やすく改良」し、「SNSを使って」の「イベントや特売情報の発信」など、すでに予定されていた計画を進め「変化する社会情勢、多様化するニーズに対応した」商店街づくりを目指していくことにしている。


婦人服から防護服まで!?

トクラ


▲「トクラ」の店頭で土蔵理事長。2階のショーウインドーには防護服着用のマネキンが

 京街道京橋の真ん中に位置する京橋中央商店街の土蔵康司理事長の店「トクラ」は長く続いている婦人服店。カジュアルからフォーマルまでを揃えており、地元の桜宮小学校の制服も扱っているが、この店を「知る人ぞ知る」存在にしているのは、2階で扱い、インターネットで通信販売をしている「防護服」だろう。

 20年ぐらい前に「婦人服があまり売れない時期があって、父親が産業用防護服の会社の役員をしていた関係から取り扱うようになった」のが始まりで、一躍、注目を集めるようになったのが、SARSのときだった。

 もちろん今回の新型コロナウイルス感染症の拡がりでも、問い合わせが殺到したのは言うまでもない。ところが「供給が追い付かず、欲しいと言われても、売るものがなくて、休業状態だった」。実は今年初めの段階では、ある程度の在庫もあった。ところが新型コロナの危機がまだそれほど意識されていなかった「1月にネットを通じて、中国人から防護服1万着の注文があった」ため、感染が拡大した時には、商品が底をついてしまっていたという。

 「組織的な中国の医療用品の買い占め作戦」が京橋でも展開されていたわけだ。


剣道居酒屋第二道場


▲剣道の魅力がいっぱいの第二道場と石塚さん

 剣道防具など剣道アイテムが揃い、剣道、ひいては「日本文化を発信していく空間」として、昨年9月に、剣道家の石塚一輝さんが開いた。

 石塚さんは元大阪府警主席師範の石塚美文8段を父に持ち、兄も7段で日本一経験者という剣道一家≠ノ生まれ育った。小学3年生から剣道を始め、PL学園、中央大と剣道の名門コースを歩み、卒業後はパナソニックに入社。高校時代の「玉竜旗」優勝をはじめ、ずっと全日本で活躍してきた剣道のサラブレッド≠ナある。

 2014年にパナソニックを退社し、実業家に転身。と同時に「剣道の価値が世間に伝わっていないのではないか」と価値や魅力を伝えるための「剣道プロジェクト」を創設した。「第二道場」はそのための情報を発信する場所である。

 コロナ禍の現在、商店街の他の店舗と同様、弁当を販売するなどの工夫でやり繰りしており「早く元の日常に戻ることを期待している」という日々だ。


うきうきポイント

KYOBASHIうきうきスタンプ会


▲人気が高い「アルミ空き缶回収イベント」

 「わたしたちには京街 道≠ニいう歴史と文化がある」としたうえで「京街道沿いにある商店街同士がコミュニケーションをとり、つながっていくことで、新しい京街道をつくろう」と、3つの商店街がネットワークを組んで、いろいろなイベントや共同事業を展開させている。

 このうち地元住民の人気が極めて高いのが「KYOBASHIうきうきスタンプ会」の共同事業だ。商店街の店で買い物をすると、100円につき1ポイント。ポイントカード(うきうきカード)が満点で、500円の金券として、商店街の加盟店で使えるだけでなく、提携しているOBPの「ホテルニューオータニ大阪」の特別ランチや「羅い舞座京橋劇場」の入場券にも利用できる。

 また商店街では「京街道京橋はエコ街道」を合言葉に、かねてからエコ活動に力を入れて取り組んでいるが、なかでも2002年8月にスタートさせて以来、すでに70回実施を数える実績を誇る「アルミ空き缶回収イベント」は超人気≠セ。空き缶2個を持っていけば「1ポイント」がもらえるとあって、呑み助≠ノはラッキー≠ネ話で、毎回、100人を超える参加があるのも頷ける。

 ちなみにイベントは年4回で、昨年6月から今年3月の1年間で503人が参加し、14万4421缶(2110キロ)が回収された。次回の6月13日は実施する。

 なお仲辻さんによると「なかにはちゃんと洗っていない缶を持ってくる人もいるが、ひどい悪臭がするので、きれいに洗ってくること。それと上限は1000缶まで」とのことだ。


井戸端ステーション

 京橋中央商店街の中ほどに、同商店街が「地域のみんなが集う駅=vだと表現する2階建ての「井戸端ステーション」(2011年オープン)がある。コロナ禍で閉じていたが、6月から「100歳体操」を除いて、各教室が再開した。

 1階表部分は新規の出店を目指す起業家を支援する「チャレンジショップ」を設け、子育て世代や高齢者も利用しやすい「貸し会議室」などもある。2階はフラダンスや英会話など、多様な運動や趣味が学べるカルチャー教室が入るスペースが2室(15人と30人収容)。1時間50分の利用で、1000円から3500円までの安い@ソ金に設定されている。


京街道の「道しるべ」

 豊臣秀吉が大阪と京都をつなぐ軍事道路としてつくり、江戸時代には整備された幕府公用の主要道路として旅人でにぎわった。その京街道の京橋付近に面して店が軒を並べ、形成された商店街。商店街のそこかしこには旧街道の「道しるべ」などが整備され、歴史の継承が行われている。

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