週刊大阪日日新聞

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2020/5/30

教育特集 失われた420時間≠取り返せ 

効率のよい学習メソッドの習得


▲私立高の入試風景

 新型コロナウイルス感染症による、小学校・中学校・高校の休校に伴い、文部科学省の授業時間割によると、420時間もの勉強時間が失われた。今後は学校再開に向け、失われた勉強時間を取り戻し、成績をあげるために効率的に勉強をすることが大切になる。

モチベーション維持は目標を持つこと

効果的な家庭学習とは

▲動画配信用の撮影の様子=箕面自由学園

 「コロナ禍で実に420時間もの勉強時間が失われてしまいました」(私立中高の入試担当者)。

 実際、「学校に行けない」「家での勉強ができない」場合、1週間で34時間の勉強時間が失われ3月〜5月の約3カ月に換算すると、420時間もの勉強時間が失われたことになる。

 現役の教師も「緊急事態宣言解除により学校教育が再開されたとしても、これまで通りの登校や学習は難しい。分散登校や時間短縮が予想される」と話す。

 そこで、各学校はオンライン学習を活用。環境が整っている児童、生徒はICT教材による映像授業を有効に活用しながらも、今後は効率よく成績をあげる学習メソッドを習得して実践することが大切になる。

 「授業についていけるだろうか」。子どもたちはこんな不安を抱えて日々、家での学習に励んでいる。こんなときだからこそ、勉強の基本に戻ってもらいたい。

 今、学校の先生、塾や予備校の先生方も児童、生徒の学習時間の確保や学力が落ちないように懸命に努力している。児童、生徒らは「感謝の心」を大切にしてほしい。さまざまな世界でトップクラスの人は自分を支え、応援してくれた人へ「感謝の心」を忘れない。児童、生徒らの身近かな応援者は両親だ。

 そして、成績を上げるために何よりも大切なのは「目標」だ。「目標をはっきりと持っていると、そこに向かって努力することが張り合いになる」。「〇〇中学・高校・大学に入りたい!」「医者になりたい!」「エンジニアになりたい!」―というのも立派な目標で、この目標を実現するためには長い時間が必要になる。そこで、モチベーションを維持するためには小さな目標も大切。「定期テストで〇位までに入る!」「苦手科目を〇点以上取る!」など1週間から2、3カ月単位の実現できる「小さな目標」も同時に掲げることが学力向上には効果的だ。

 さらに学習方法には「気付き」が大切。人一倍、机に向かい勉強しているが、思うように成績が伸びないという子どもは多い。この子たちに欠けているのが気付き。ノートの書き方や問題の解き方などが我流≠ノなり、ムダな努力、ムダな時間を費やしているケースが多い。先生から適切なアドバイスを受けても聞き流し、知らず知らずのうちに我流の学習≠ノなっている。

 「この問題はこう解くんだ」「計算したら、もう一度見直そう」―と普段から小さな違い≠ノこだわり、「こっちの方がいい」と気付いたら追求、実践していくことで成績は上がる。

マスターした上でステップアップ

▲Zoom授業=箕面自由学園

 そして具体的に成績を上げるために意識すべき学習ポイントは「自分に合った教材」「問題演習を繰り返す」。

 勉強の効率を左右するのは自分に合った教材の選択だ。「クラブ活動もしっかりやり、勉強時間は限られているのに成績は常に学年でトップクラス」。実はこういう児童、生徒は多い。保護者の方々も「そういえば、私が子どもの時もそんな憧れの友人がいた」という経験を持っている。

 効率よく勉強し、成績がいい児童・生徒らを見ていると、自分に合った教材を選び問題演習を繰り返し勉強している。

 そんな児童・生徒を指導してきた元教諭はこのように話す。

 「成績のいい子どもは学校の教科書以外の教材は自分に合った教材を選んでいます。そしてその教材はレベルの高い教材ではなく、その子にとっては少し優しすぎる教材でじっくりやりながら確実にマスターした上でステップアップを図っていました。頻繁に問題演習を行い、広く浅く、何度も繰り返し問題演習をしていました。そして解けない問題はできるまで何度も繰り返していました」

 実際、授業を聞いたりノートをとったりするだけでは、頭に残っていない。頻繁に問題を解いて復習することで定着率が向上することが確認できている。

塾、予備校を活用

 そして、努力しても思うように成績が上がらない場合は成績アップのプロ、塾・予備校の活用もお勧めだ。塾・予備校には合格実績に裏付けされた独自の教材やカリキュラムが用意されている。

 そして適度な休息も必要。「成績が上がらない」とただ、がむしゃらに机に向かっても成績は上がらない。

 入試に向かっては適度な休息も必要で「しんどい」「辛い」と感じたらゆっくりと休息をとる心のゆとりも必要だ。


「学びとインターネットは切り離せない」時代に

 今回の新型コロナウイルスによる一斉休校は、今の時代、学びとインターネットが切り離されないことを顕在化させた。そして今回の事態が起こったとき、ネット環境や端末のある家庭の子どもと、環境にない家庭の子どもの「教育格差」=「デジタル格差」が浮上した。

 今回の事態で「学習活動にはPCありき」の時代に突入した。そのため「学びとインターネットは切り離せない」のは必然的で「教育費の使い方の見直し」が必要だ。

 今後は誰一人取り残すことのないオンライン教育を実現するためには、平等にネット環境の整備が行われるよう国、自治体は整備を急ぐべきだ。

 各家庭でも「子どもの学びを止めないためにも、端末やインターネット環境は必要だ」との思いを強くした。1人1台のタブレットを確保し、ネット環境を維持するためにもいま学校教育の中で受益者・家庭負担になっているものをもう一回見直し、家庭にも端末に充てる財源があるか再考しなければならない。

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