週刊大阪日日新聞

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2020/4/11

春の全国交通安全運動スタート

「しっかりと 止まってかくにん 横だん歩道」

 春の全国交通安全運動が6〜15日までの10日間、各地で展開される。交通ルール順守と、正しい交通マナー実践の習慣づけを図るため、大阪府内各地で交通事故防止に向けた取り組みが行われる。

 運動の重点項目は、子どもをはじめとする歩行者の安全の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽自転車の安全利用の推進。大阪の重点項目は、「横断歩道ハンドサイン運動」の推進を掲げる。

 大阪府警本部によると、府内で2019年に3万862件の交通事故が発生した。死者は130人で、統計記録が残る1948年以降では最少だった。

 歩行中にはねられるなどして死亡したのは49人で、そのうち65歳以上の高齢者は38人おり、8割以上を占めた。道路を横断する際は左右確認するなどの交通マナーを守ってもらおうと、「しっかりと 止まってかくにん 横だん歩道」を運動のスローガンにした。

 昨年は、高齢運転者による重大交通事故が各地で相次いだ。加齢などに伴う身体機能の変化が、運転や道路の横断に及ぼす影響を正しく伝え、自動ブレーキや「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が搭載されたセーフティー・サポートカーの普及を呼び掛ける。

免許の自主返納


▲高石市で開かれた交通安全教室で警官(左)が運転に関する相談を受けた=昨年9月

 高齢ドライバーによる痛ましい事故が相次いだことなどを背景に、自動車の運転から卒業≠キる人が増えている。大阪府内で、2019年に運転免許証を自主返納した人数は、過去最多となった。大阪府警は、ドライバーごとの運転の問題点を話し合う取り組みを実施したり、運転免許証の返納後に受けられるサービスを拡充するなど、高齢運転者に寄り添う取り組みを行い、交通事故防止に取り組んでいる。

 府警本部によると、19年に運転免許証を自主返納した人は4万6619人(前年同期比1万3159人増)で、65歳以上の高齢者は4万3244人(同1万1919人増)だった。

 昨年4月、東京・池袋で87歳の男が運転する車に親子がはねられた交通死亡事故を機に、大阪でも返納する人が増加。同年1〜4月の返納は2800人前後で推移していたが、事故後の5月は3890人が窓口に訪れるなど、返納を選択する人が増えている。

 府警は18年4月から、ドライブレコーダーを期間限定で貸し出し、録画された映像を基に、ドライバーごとの運転の問題点などについて話し合う取り組みを実施している。その人の身体機能に応じて衰えを補い危険をさけるため、夜間や雨の日、長距離を運転しないなどの「補償運転」や、状況によっては自主返納を提案する。

 門真運転免許試験場(門真市)と光明池運転免許試験場(和泉市)に、運転の適性相談を受け付ける常設の窓口を開設。出前型の相談コーナーも行っている。

 府警は4月、高齢運転者の交通事故防止に向けた施策の継続実施を目的にした、新しい部署の「高齢運転者等支援室」を立ち上げた。

 70歳以上の人が免許更新時に受講する「高齢者講習」と、75歳以上の人が受ける「認知機能検査」を、両試験場でも実施できる体制を構築し、年間で計2万人の受け入れ拡大につなげる。


横断歩道ハンドサイン運動

紅ゆずるさん呼び掛け

▲紅ゆずるさんが出演した横断歩道ハンドサイン運動の動画

 主に信号機が設置されていない横断歩道で、歩行者とドライバーがお互いに手で合図して、安全に横断する「横断歩道ハンドサイン運動」を大阪府警は推進しており、交通安全運動の「大阪重点」にも掲げる。元宝塚歌劇団の紅ゆずるさんがハンドサインを呼び掛ける動画が、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開され、歩行者の安全確保を呼び掛けている。

 運動はドライバーに対して、道交法が定める「横断歩道における歩行者の優先」を徹底し、横断歩道の歩行者の安全確保を目的にしている。

 信号機がない横断歩道を横断する際、歩行者は手のひらでドライバーに存在を知らせ、ドライバーは横断歩道の手前で一時停止して「お先にどうぞ」と手で合図を送り、安全な横断につなげる。

 府警は、ダイヤマークを基に考案したキャラクター「ダイヤくん」「ダイヤちゃん」が登場する動画をユーチューブで配信している。交通安全運動に合わせ、紅さんが動画内で「私はゆずる!」と、ハンドサインの重要性を訴える動画を、府交通対策協議会が公開している。


JAF大阪支部 「思いやりのある交通社会の実現へ」


全てのクルマが思いやりのある運転を

 JAF(一般社団法人日本自動車連盟)では、交通事故のない安全安心な交通社会の実現に向け、さまざまな交通安全活動を展開している。「思いやりティドライブ」活動もその一つだ。

 信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、8割以上のクルマが一時停止していないことが、JAFが行った「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国実態調査」(2019年調べ)で判明した。

 また、実態調査に先駆けて行った「交通マナー」に関するアンケート調査の設問で「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しないクルマが多い」との回答が86%にも上った。これらの結果からも、多くのドライバーが歩行者優先のルールや横断歩道直前での一時停止または徐行の義務の認識があいまいになっているようだ。

 ドライバーは、常に歩行者が安全に横断歩道を渡れるように保護しなければならない。道路交通法第38条「横断歩行者等の保護のための通行方法」には、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、ドライバーは横断歩道の直前でクルマを一時停止させ、通行を妨げないよう義務付けている。

 JAFでは、「街をゆく全てのクルマが思いやりをもって運転すれば、より安全な交通社会が成り立つはず」という思いを込め、16年から「思いやりティドライブ」キャンペーンを実施。ドライバーに思いやり≠もった運転と、その賛同を広く呼び掛けている。

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