週刊大阪日日新聞

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2020/4/11

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

社会構造 コロナで激変 出勤せず仕事、授業はオンライン

コロナ前にはもう戻れない ネット利用が激後押し

 前号で書いた『コロナ禍で導入加速する「テレワーク」って何?』を読んで、読者から「早く以前のような活気が戻ってほしい」「がまん、がまんで、いつになったら元に?」というお便りをいただいた。しかし、私はコロナで無理やり変えられたこの社会生活は、元には戻らないと思っている。その理由を考えてみよう。


▲新型コロナウイルスの感染拡大に対応して、唯一無二≠掲げて挙行された「近畿大学サイバー入学式」=4月4日、配信映像

 コロナ禍で、ダメと言われる3密は、狭いところへの「密閉」、たくさん集まる「密集」、近くで話し飲み食いする「密接」だ。大観衆を密集させるプロ野球やJリーグ、観客が密閉空間に集まる大相撲、ボクシング、K─1などの格闘技の苦慮はまさにココ。娯楽では、カラオケ店やライブハウス、居酒屋や接待を伴うクラブ・ラウンジ・キャバクラなどが密閉と密接の典型だ。

 代替手段でまず欠かせないのは、パソコンやスマホ・タブレットを用いてのインターネット環境。これが使えないと話しにならないが、「おばあちゃんが最初は嫌がっていたスマホを渋々使い出したら、たちまち手離せなくなった」なんて話しもよく聞く。やれば意外と簡単で、その生活から抜け出せなくなる。

 年代別、場面別に具体例を挙げてみよう。

「行かずに仕事」

 前回のテレワークで、日本社会での導入を妨げていたのは結局、長年のサラリーマン社会の労働慣習。コロナ禍での半強制的な在宅勤務や時差出勤を実際にやってみたら、 「満員電車や渋滞などの混雑から離れて楽チン。通勤時間も有意義に使える。出勤しなくても仕事ができるんだ」と実感することに。

 コンプライアンス(法令順守)重視で対面営業の面談を断ったり、社外で飲食するのを禁じたりする公官庁や企業は じわじわ増えていたが、コロナの影響で一気に進んだ。ITの開発側は「好機!」とばかりに便利な新システムをどんどん売り込み、企業側も高い賃料で一等地にオフィスを借りる必要がなくなることに気付いた。

環境と自然、地方で

 地方の半過疎地に住めば、3密とは無関係に。スマホ一つで何でも買い物でき、配送までしてもらえる。買いだめ行列より、通販の方が当然楽だから、コロナ終息後も利用は増え続ける。真っ先にコロナ禍が吹き荒れた中国では、既に密閉¥態になる外食を避け、中食と呼ばれる料理持ち帰りやデリバリー(配達)、ケータリング(配膳)が急激に盛んになっている。

 医療施設が近くになくても、コロナの教訓で、オンライン外来診療が受けられ、クレジット支払いと宅配で投薬も可能だから安心だ。

 自然の中で楽しむ野外施設は、3密の心配がないのでいろいろな分野で進化し定着する。逆に都市部に多い体験型施設は、VR(仮装現実)技術発達で自宅でもできるようになり、見直しを迫られる。


▲オンラインを活用した教育プログラムに取り組んでいる大阪市大大学院の中島義裕教授

オンライン授業 たり前

 コロナ禍で幼保育園から大学までこれまで通りの教室での授業が困難になり、スマホやタブレットを使ったオンライン授業が一気に攻勢に出た。こちらもテレワークと同様に、教員側が消極的でなかなか進まなかったのが実態。すでに経産省や経団連もHPで各種教育サービスを紹介するサイトを特設。スマホ専用アプリのダウンロード率をみると教育関係アプリは前年比150%の伸びで、ビジネスアプリに次ぐ人気。これまでの教育アプリは、生徒個々の進度・理解度の差をどう埋めて個別指導と向き合うかや、質疑応答の伝送スピードが遅くわずらわしかったが、超高速通信5Gの実用化で解決へ向かう。

エンタメは マホで

 コロナ禍が先行した中国では、YouTube(ユーチューブ)だけでなく有料無料の動画配信サービスの利用者が急増。米国でも3月時点で対前年比85%増だ。

 もともと、高齢者は映画好きだった。映画館はその受け皿となって高齢者割引や夫婦 割引で、劇場に人々をつなぎ止めてきた。それがコロナ禍で来場自体に二の足を踏むようになり、若い人に動画配信のやり方を教えてもらったところ、意外と簡単で便利なことを実感。レンタルビデオのように返却する手間もない。Amazon(アマゾン)プライム・ビデオが有名だが、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)など多彩な選択肢で、日本でも既に有料契約者は対前年比40%増の1170万人まで伸びた。

 ここでも5Gの存在が大きい。動画などの大容量ソフトを高速で受け取ることができるからだ。おなじみのYouTubeは世界的なコロナ禍以降、アクセス数が急増集中、一時回線がパンクしそうになったが画質を落とすことでようやく乗り切り。この事態も間もなく5G普及で事なきを得そうだ。

GAFAに一

 便利なネット社会を支える根幹部分は、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)の米国系プラットフォーム企業が独占的に握っている。日本のIT企業トップのNTTは、トヨタや吉本興業など多方面異業種の一流企業と次々組んで、アジアでのプラットフォーム事業の一角を占めようと懸命に模索中。

 やがて去るであろうコロナ禍の後に、日本独自の先端技術がどんな形で台頭して、私たちの社会を変えるのだろう?

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