週刊大阪日日新聞

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2020/3/28

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

コロナ禍で導入加速 「テレワーク」の働き方って?

ムダを省くテレワーク IT生かし出社不要に

 新型コロナウイルスが瞬く間に世界中を覆い尽くした。感染への防止策などで経済も停滞。その中で一躍注目されたのがテレワークだ。「テレ=離れた場所」で「ワーク=働く」という意味の造語で、日本では7月の東京五輪期間中の「都心の交通混雑緩和に」と厚労省が盛んに推奨してきたが、実はなかなか進まなかった。それがコロナ禍でアッという間に参加企業が増えた。注目のテレワークについて、メリット、デメリットなどを含め考えてみよう。

時間を有効活用、人材確保も

 満員電車に揺られて会社に出勤し、みんなで机を並べてもくもくとキーボードを打ち込む。外回りをしていたら、ミーティングの時間に合わせて早めに帰社の段取りを組み、会社に戻らなければならない。

 この当たり前の働き方を進化させ、現代版の働き方改革として導入が進んでいるのがテレワークだ。オフィスの場所にとらわれず、通信機器を駆使して「自宅」「サテライト(勤務先以外のレンタルオフィスなど)」「モバイルワーク(移動中や顧客先など)」といった方法で社外で働くことを指す。

 これまで「週のうち1日」程度の企業が多かったが、コロナ禍で電通やNTTなどの業界最大手が一気に完全テレワークに切り替え。ノートパソコンを自宅に持ち帰って、オンラインのチャット機能で会議をし、社員同士のコミュニケーションはSNSでこなす。

 大阪商工会議所の調査では、資本金3億円以上の企業ではすでに半数以上が導入、逆に3億円以下の企業は1割に届かない。

 それでも普及状況は、先進の米国を除けばすでに欧州と同程度。国も補助金を新設し、NTTも簡単に使えるマジックコネクト≠ネどの対応ツールを開発。コロナ禍で客足の減ったホテルやカラオケ店がワイファイを整備して時間貸しシステムを広げているものの、リクルート調べでは「テレワークをしたことがある」と答えたサラリーマンはまだ6人に1人程度。 

メリットは通勤時間ゼロ

 テレワークを導入すれば、通勤時間を別の時間として有効に使えるし、事務所の経費も削減したりとメリットはいろいろでてくる。オフィスに集まって仕事をする必要がなければ、人材確保の面でも全国や世界からでも採用が可能になる。

 一方、デメリットとして考えられるのはパソコンやスマホが使えなければ仕事にならないなどがある。メリットデメリットは表にまとめたので参考にしてみてほしい。 残る問題としての「法務や人事・経理など紙ベース中心部署は?」は他部門のテレワーク実施後あわてずIT化、「営業職で得意先から呼ばれたら?」は、できるだけ当事者がネットでやり取りし、最終書類確認と押印などを代理者が訪社し済ませる。

壁は中小経営者の抵抗

 テレワークにとって、最大の難敵は中小企業経営者の無理解かも。自身の成功体験をもとに社員教育に自信を持ち、社員は互いに声を掛け合っての共助精神を重視しているから、必要性そのものを感じていない。「休みをもっと取れ!」は働かない改革≠セが、テレワークはお互いのムダを省く働き方改革≠ノなっているのにね。

VR会議も「あり」の時代へ

 テレワークが当たり前になった未来をのぞいてみよう。「デュアラー」と呼ばれる社員は、週の半分を地方の自宅で過ごし、残りは都会マンションで暮らす。旅客機や鉄道もそれに合わせ「乗り放題キップ」が充実。各地を転々と旅行で移動しながら仕事をこなす者も。

 会議は、NTTデータの「VR(仮装現実)遠隔会議システム」のVRゴーグルを掛け、立体アバター(分身)が代理出席し臨場感たっぷりにやり取りできる。今でも既にあるネット上で出入り自由なテレビ会議機能談話室≠ェさらに進化し、個別にパソコン前に飲食物を持っての飲み会まで可能に。

 在宅勤務で一番の課題だった運動不足は、「Wii Fit」(任天堂)の進化形「リングフィット」でゲーム感覚を楽しみながら肥満解消だ。

向く仕事、向かない仕事

 では、テレワークはすべての企業が導入するべきかを考えてみると、現時点では向き不向きが存在する。向くのは、一般企業のサラリーマンだけでなく、ITが発達すれば金融、教育産業、無人コンビニ、無人ガソリンスタンドなどへも拡大間近。

 逆に向かないのは、老人介護や幼児保育などの福祉を筆頭に、製造業の現場、通販の伸びで扱い量が急増している物流、タクシー・バスなどの運輸。喫茶や飲食などのサービスも難しい。こちらはテレワークというよりロボットの導入を目指すべき分野だ。対面が当たり前の行政機関窓口も、いずれはタッチパネルの普及で省力化すると思うよ。

●企業にとってのリスク分散。今回のコロナ禍のほか、災害でオフィスに行けない、事務所機能が崩壊のケースでも仕事を続けられる

●通勤の時間と経費をダブル節約。さらに進化すれば居住地を選ばず働ける

●事務所経費削減。福利厚生費、メンテナンスなど多岐に

●生産性向上。アンケート調査でも「最も顕著」の答えが多い。集中力が増し仕事が進む。ただし、従来型の真面目にコツコツ頑張る℃ョ働き方にはなじまない。自己管理力を基にできたか、できないかの最終結果≠ズバリ評価される。これによって、従来のピラミッド型管理組織は崩壊する可能性も

●多様な人材確保で雇用安定。子育てや介護と仕事を両立させ、海外居住すら雇用継続可能な時代に

<課題はITセキュリティ>

●サイバーテロとは大げさでも、コンピューターサーバーがウイルス感染しないよう対策費はかさむ。投資家の評価対象にもなるのであなどれない。

●勤務時間がはっきりせず長時間労働になりやすい。「どこでも仕事」は、ややもすれば「いつでも仕事」に。地球規模でグローバル化すればますます顕著。在宅だとパートナーの家事手伝い要求も無視しづらい

●孤独感。周囲に同僚がおらずモチベーションが上がらない。上司の指導監督ができず社内コミュニケーションが保てない。アンケート調査では特に中高年層の拒否意識が強い

●運動不足になりがち。実は通勤ラッシュだけでかなりのダイエット効果

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