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2020/3/14

保存版 府立高受験のメカニズムを解明 

チャレンジテストで成績が決まるって本当?

 「たった1回のチャレンジテストで内申点が決まるの?」など、さまざまな憶測がインターネット上でも飛び交うチャレンジテストにまつわる話。本当の正しい情報を知るなら、制度の運営者に聞くのが一番だ。そこで大阪府教育庁の教育振興室高等学校課の林田照男主任指導主事に、チャレンジテストが何に使われているのかや、府立高入試のメカニズムまで詳しく解説してもらった。

通知表の5段階は、あくまで教科担当が決める

合格順位どう決まる?

 まずは府立高校の受験がどういったメカニズムで合否判定されているのかご存じだろうか。表1を見ながら読み進めてほしい。

 合否判定に用いられるのは中学校3年間の「調査書の評定」、いわゆる内申点と学力検査(当日入試)の2つ。それぞれ450点ずつの配点で、合計900点満点の得点数で合格順位が決まる。

 それでは、調査書の評定の中身を説明したい。評定がつく教科数は全部で9つ。各教科は5段階で評価され、オール5であれば9教科×評定5=45点満点だ。1、2年生はこの45点が2倍され、それぞれ90点に。3年生になると6倍になり最大で270点を獲得できる。1年の90、2年の90、3年の270を足し、3年間で450点満点になる仕組みだ。

 一方、右側の「学力検査」は各90点満点。5教科を合計するとこちらも最大で450点になる。

 ちなみに通知表は1学期、2学期、3学期でそれぞれ5段階評価されるが、1、2学期は途中の成績であり、内申点に使われるのは2月15日現在の成績となる。

入試・内申のウエイト

 以上が基本的な得点の仕組みだが、高校によっては「内申点」と「当日入試」の倍率が異なる点も知っておきたい(表2参照)。

 基本的には5つのタイプに分かれ、北野や天王寺などは当日入試重視型(Tタイプ)で当日入試が1・4倍になるのに対し、内申点は0・6倍に。仮に入試で450点満点を取った場合は1・4倍を掛けた630点。内申点は3年間オール5でも450点ではなく、270点になる。

 反対に鶴見商業などは内申点の倍率が高いWタイプで、当日入試は0・8倍、内申点は1・2倍だ。

願書と一緒に提出する自己申告書って?

 いかがだろうか。総合得点で合格順位が決まる仕組みは理解できただろうか。その上で、もう一つ押さえておきたいポイントがある。それは入学願書と一緒に提出する「自己申告書」だ。自分の総合点が合格ライン付近だった場合、この申告書が効力を発揮する。

 わかりやすく例えよう。募集定員100人の高校に、130人が受験したとする(表3参照)。通常なら総合点で100番以内に入れば合格するはずだが、府立高の受験システムでは合格ラインの前後10%をボーダーゾーンと読んでいる。つまり、総合点で90位までに入れば無条件で合格するが、前後10%の範囲である91〜110位は学力的に合格者と同じと見なされ、この20人の中から残る合格者10人が選ばれるようになっているのだ。

 その際に基準となるのが自己申告書だ。各高校の校長が申告書の作文を読み、キラリと光る生徒を選ぶ。各校でどんな生徒を求めているかは、毎年7月にホームページにアップされるアドミッションポリシーを参考にしよう。林田主任指導主事は「各校長には、文法などの文章力を評価するのではなく、中身に着目して受験生本人のやる気、思いを重視するように伝えている」と話している。

チャレンジテストの使われ方

 前置きがずいぶん長くなってしまったが、本題のチャレンジテストに関する正しい情報をお伝えしよう。まず「チャレンジテスト一発で内申点が決まる?」だが、答えはノーだ。

 そもそも府がチャレンジテストを2016年度から導入したのは、大阪のどの中学校に通っていても適正に内申が評価され、高校入試が公平に行えるようにするためだ。では、チャレンジテストの結果がどう活用されているかというと、通知表の不適正な成績を是正するために用いられている。

 やり方はこうだ。表4は18年度の中学2年国語で、各教科担当がつけた5段階評定とチャレンジテストの点数分布を整理したものだ。評定5の部分を見ると100〜57とある。これは通知表に5がつけられた生徒は「57〜100点の範囲が適正ですよ」ということを示している。

 つまり、教科担当は「30点を取った生徒に5をつけるのはおかしいですよ。もう一度、評定の付け方を見直してください」といった府教育庁からのメッセージを受け取るということだ。では、仮に30点を取った生徒の場合、どの評定が適正か。図と照らし合わせると、1〜3の範囲であれば、他校の教科担当と評価の仕方にズレがないと言うことになる。提出物をきちんと出している、積極的に発表をしているなどを評価して「評定3までは適正ですよ」ということだ。

 お分かりだろうか。チャレンジテストの結果が通知表の5段階を決めているのではなく、評定を決めるのはあくまで教科担当。チャレンジテストの結果を用いることで、府内の教科担当が極端な評定を下さないため、同じ尺度で成績をつけられるようにする目安にしているのだ。

 保護者や生徒からの「1回のチャレンジテストの点数で調査書(内申書)の評定が決まるなら、普段の学校の頑張りが無駄になるのでは」との指摘に対し、この制度を担当する林田さんは「調査書の評定は、学校での普段のテストや授業などの学習状況を見て、各学校の判断で決まる。チャレンジテストはあくまで各学校の評定が適正かどうかを確認するため」と話している。

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