週刊大阪日日新聞

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2020/3/14

大阪市の固定資産税 3万人から過徴収

返還額 当初の3倍50億か 注目の最高裁判決は3月24日

 大阪市が長年にわたり固定資産税を取り過ぎていたとして約3万人に総額約16億円を返還すると発表した問題で、返還額が3倍前後に膨らむ可能性があることが分かった。20年以上前の建物については賠償責任が及ばないという市の主張が最高裁で覆される公算が大きくなったためで、市が敗訴した場合、返還額は40億円から50億円ほどに達すると原告側は試算している。

 市は1978年から2004年までの間に建てられた市内のビルに対し、国の基準とは別の独自基準に基づき固定資産税を課税してきた。これに対し市内の建物所有者が「税金の取り過ぎだ」と賠償を求めて裁判を起こし最高裁まで争った結果、独自基準の違法性が認められて市の敗訴が確定した。

 これを受けて市は2月21日、同様の基準で課税された建物が約6千棟あるとして、約3万人の所有者を対象に総額約16億円を返還すると発表した。

 ところが同じように固定資産税を巡り、市を訴えた裁判はもう1件あり、こちらは一審、二審で原告の訴えが退けられている。それは、建物が建てられて最初に固定資産税が算定されたのが20年 以上前だったため、「除斥」という民法の規定に基づき請求権はなくなったという市の主張が認められたからだ。

 これに対し原告は「固定資産税は完成時だけではなく毎年課税されるのだから、そのたびに違法な基準に基づく不法な課税が行われており、除斥は適用されない」として最高裁に上告していた。

 これを受けて最高裁は2月25日、双方の主張を聞く弁論を開いた。最高裁は元の判決を見直さず上告を退ける場合は弁論を開かず、いきなり判決や決定を出す。逆に弁論を開く場合は、何らかの形で二審の判決を見直すのが通例だ。今回の場合は「除斥は適用されない」という原告の訴えを認め、高裁に差し戻す公算が大きいと原告側弁護士は話す。

 市が21日に発表した返還額は、20年以上前に建てられた建物には除斥が適用されることを前提にしている。もし最終的に原告側が勝訴すれば、20年以上前の建物にも同様の返還を行わざるを得ない。原告側の試算では、総額は40億円から50億円に達するという。さらに再算定や返還事務に当たる職員の業務負担も膨大なものになると見られる。

 これについて市課税課は「判決の前でもあり、今日の時点ではコメントはできない」と話している。注目の最高裁判決は3月24日に言い渡される。

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