週刊大阪日日新聞

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2020/2/22

ニチニチ・アカデミア
─あなたのビジネスの飛躍にヒントを─

料理がうまいは当たり前 違いを作るのは演出だ

ディーライブ株式会社


▲「自分が行きたいと思う店づくりが原点です」と伊藤さん

 大阪の「東の玄関口」京橋駅から少し離れた裏京橋≠ニいう飲食エリアを盛り上げ、店舗を経営するディーライブの代表、伊藤浅己さん。飲食店で美味しいものを提供するのは大前提。伊藤さんはそれ以上に繁盛店にしていくためには、店に個性的な演出を施し、「客の記憶に残すことが必要」という。伊藤さんの演出ノウハウの秘けつを聞いた。

飲食店経営に必要な視点


退店時にはファブリーズを吹きかけてくれる

 「飲食店を始める際に大事にしていることは、演出です」。そう語るのは、伊藤代表。

 伊藤さんは自身が大好きだった燻(くん)製の店をやりたいと考えていた。伊藤さんが手掛ける店のターゲット層は30代女性。煙が漂う燻製をただ提供したのでは、誰も興味をもたない。

 そこで、「冷たいまま提供されることが多い燻製だけどアツアツの燻製が出る店はほかにない」と考え、燻製と鉄板を掛け合わせた店を始めようと決めた。そうして2014年にできたのが鉄燻CHOI(城東区蒲生1─8─9)だ。

 デザイナーの視点から作られた、清潔感のある内装、かっこよくてかわいい普段着で来たくなるようなユニホーム。スタッフがつけている名札もオリジナルデザインの缶バッジ、これらはすべてごちゃごちゃしすぎず抜け感≠フあるデザインだ。こうした遊び心が随所にみられる。

 そして、演出は「内装や服など見た目だけではなく、五感に訴えたものであるべきだ」と伊藤さんは続けた。

 料理提供時には、驚きを!≠ニいうことを心がけているという。人気メニュー燻製の盛り合わせ≠提供する際には、あえて蓋つきのお盆に盛り付けて客の目の前に運ぶ。そしてインスタ映えも考えて、目の前で「スマホの動画を撮るなら今ですよ」と前置きしてから、ふたを開けると、煙の中から燻製が登場する、という演出だ。

 料理の味がおいしいのは当たり前。あとはどのように客を楽しませるか、だ。

差別化のキー

 なぜ、演出が大事なのか。今や、ウーバーイーツというデリバリーの業態ができたことで、商品の提供≠ヘ誰がやっても同じ。同じことをやっていては、「この店に行きたい、また来たい」という誘客力は落ちる。

 それだけではない。一昔前と比べるとウェブ広告の経費は必須になっており、しなければ死活問題というところまで来ている。人件費、原価が高騰する中で、ビール190円の安売りを続ければいずれ限界が来る。適正価格で勝負するためにも、「自分のお店に来てもらう理由、価値」を創造する差別化のキーとなる演出が必要なのだ。

そこにしかないオリジナルさ

 「おいしいものが食べられる」以上の何かを客の中に作り出すことができれば、その経験が客の記憶に残り、再び足を運んでくれる理由になる。「8店舗の繁盛店を作り出したのは、デザイナー出身である伊藤さんだからできることなのでは」と問いかけてみた。

 「料理が好きで飲食店を始めると、料理一本で突き詰めようとする人が多いが、自分が提供する商品に何かを掛け合わせたら面白いのではないか、を常に考えることは自分で考えるからこそ面白い。著作権など関係ない料理の世界では、自由に自己流を作って発想を広げることができるのだ」と、伊藤さんは語った。

演出5段論法

思いついたとおりにやっていたらもっと楽しくできる

@飲食店経営に必要な視点は演出
A伊藤氏が手掛ける飲食店には演出が随所に施されている
Bなぜ、演出が大事なのか
Cそれは、演出が人を何度もきたいと思わせる思い出になるから
D演出は誰でも始めることができる

記者の視点

 食は五感≠セという言葉がある。料理人が経営者になる場合、彼らは皿の料理≠フ見た目や匂い、演出にこだわる人が多い。しかし、伊藤氏が求めているのは店全体を五感で楽しむ≠ニいうことだと感じた。スタッフとの会話、メニューの提供の仕方、流している曲や匂い。「空間」を作り出すことが繁盛店を生み出す秘訣なのだということに気づかせてくれた。

 このコーナーは、飲食店の経営サポートを行うアクセススタートアップ(株)と週刊大阪日日新聞が共同で、オモシロイ経営≠ナ新しい飲食の価値を創り出している店舗をシリーズで紹介しています。

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