週刊大阪日日新聞

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2020/2/22

特集 橋下教育改革10年目の検証 

大阪府公立トップ10校の今 〜校長インタビューリレー〜

 グローバル社会をリードする人材の育成を掲げ、橋下徹知事(当時)の教育改革の一環として大阪府立高に導入された専門学科「文理学科」と「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」は、2020年度で10年目に入る。文理学科を開設、GLHS指定を受け、躍進を続けるトップ10校の校長に成果や課題を聞く。

大阪府立北野高校 萩原(はぎはら)英治校長

社会で活躍・貢献できる生き方を学べる学校でありたい


▲「生徒の知的好奇心をしっかりとサポートしたい」と話す萩原校長
 ―北野高の教育方針は。

 「長い歴史を持つ本校が続けてきた『授業第一主義』『文武両道』を軸に、『社会貢献』も重要な柱。世界で活躍する次世代リーダーを生むために立ち上げた『グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)』ともうまくかみ合い、これらの理念を一層際立たせた」

 ―特徴的な学習の取り組みは。

 「前後期の2学期制で65分授業を実施するほか、世界で通用する人材育成を目指し1年生時から特に英語運用能力の向上に力を入れている。知識を蓄えるだけでなく、外に向けて発信する力を身に付けることが大切。意見発表や討論の場を積極的に設けながら、精神面も鍛え人間力≠高めている。自ら研究テーマを設定し探求活動を進める『課題研究』も生徒の成長に大きく役立っている」

 ―文理学科が10年目を迎える。

 「設置当初は前期入試ということもあり倍率は高かったが、近年は落ち着き少数激戦に。しかし『必ず北野高に入る』という受験生の意識は高くなった。2016年度から他校に先駆け文理学科のみとなったが、以前から普通科との差はほとんどなくなっており、一本化は必然の流れだと捉えている。自身で考え目標達成に向かう生徒たちの意識は確実に強まっただろう」

 ―他校と比べ、自校をどう位置付ける。

 「18年には34年ぶりに京都大合格ランキング首位になるなど着実に成果を上げ、GLHSとして大阪の公立高をリードする存在。大学への現役合格率も高く、それぞれが自己実現に向けて努力している結果だ。ただ、大学入学が最終目標ではない。社会の中でどのように活躍できるか、どう貢献するかを見据えた生き方を学べる北野高でありたい」

 ―今後、どんなことに力を入れていく。

 「京都大や大阪大、奈良県立医科大などと連携した研修や実習活動を行い、生徒の経験や選択の幅を広げることにつなげている。さまざまな分野で活躍する多くのOBの力も借り、企業などとの連携にも力を入れたい。課題研究などで生徒が興味、関心を持った企業を訪問するなど、知的好奇心をしっかりサポートできる体制を充実させていく」

 ―入学を目指す中学生に一言。

 「何にでもチャレンジでき、夢をかなえていくための環境を用意している。難関大進学で終わることなく、真のグローバルリーダーとして、その先の世界に羽ばたく力を本校で得てほしい」


▲長い歴史と伝統を誇る北野高=大阪市淀川区新北野2丁目

 大阪市淀川区新北野2丁目。1873(明治6)年創立の大阪で最も歴史のある伝統校の一つ。2011年度に文理学科を設置し、16年にはいち早く文理学科のみに一本化した。19年から文科省の新規事業「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」の大阪府拠点校に選ばれている。

 各分野で活躍する卒業生も多く、森繁久弥氏(俳優、故人)や手塚治虫氏(漫画家、同)、橋下徹氏(元大阪府知事)らを輩出。昨年、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏もOB。


大阪府立茨木高校 岡ア守夫校長

可能性の枠を超えられる知性を磨いていきたい


▲「本物にたくさん触れてほしい」と語る岡ア校長
 ―茨木高の特徴は。

 「2018年度の入学生から全クラス文理学科となり、グローバル社会をリードする人材育成に注力する。英語圏への海外研修などを通し本物に触れ、切磋琢磨できる環境がある。125年の歴史があり、卒業生の支援も厚い」

 ―「北辰プロジェクト」とは。

 「3年間のカリキュラムを前後期に分け総称している。数学や英語は少人数授業できめ細かな指導を行う。特に国際理解を深めるため、ハイレベルな英語教育に力を入れている。例えば、大阪大留学生とのネーティブな語学交流、英語でのディベート大会、2日間の英語漬けプログラムなど。国際理解の実践を積み上げている」

 「卒業生からの学びが充実している。入学直後の5月には早速、京都大を訪問。たびたび研究室を訪ね、東京でスタディーツアーも実施している。1年次から大学進学やその後の研究、将来像を描き、進路実現を目指す」

 ―海外での研修授業も多い。

 「2年前半の修学旅行にあたる『宿泊野外行事』が大きな海外研修だ。GLHS(グローバルリーダーズハイスクール)となってからこれまでシンガポール、ベトナム、オーストラリア、カンボジアなどへ行った。1年次から生徒自身が日程プランや学習内容を計画していくのが面白い取り組み。50人ほどの『行事委員会』の委員が複数の旅行業者のプランを評価し、生徒に下ろしていく。目的意識を持ち現地学生と交流するなどやりたいことを肉付けして、オリジナルの研修をつくり上げる。生徒の海外への関心度は高く、国際的な職業を目指す者も多い」

 ―GLHSの成果は。

 「伝統を受け継ぎ、リーダー教育として9年間の挑戦を積み重ねてきた。安住は禁物だが『安定期』に入ってきたと感じ る。英語教育への評価は高く、自主性を育てる教育プロセスも守りたい。GLHSの注目を受け、同窓会とのつながりや協力体制がさらに強固になった。生徒にとって学びや刺激が広がっている」

 ―中学生へメッセージを。

 「茨木高では校内活動だけでなく、高大連携や地域活動の面でも多くのチャンスが転がっている。勉強だけに限らず何でも挑戦したい、経験したいと思う学生を望む。中学までの基礎力を固め、たくましい探究心を持ってほしい。自分の可能性に制限を設けない『枠を超える知性』を磨いていきたい」


▲125年の歴史を誇る茨木高=茨木市新庄町

 茨木市新庄町。1895(明治28)年創立。校訓はつつましく努力を積む意味の「勤倹力行」。2学期制、65分の5時間授業で月2回の土曜授業を行う。ラグビー、スキー、ライフル射撃、百人一首など特色ある部活動があり、加入率はほぼ100%。府立高で唯一、屋内の50mプールがある。

 卒業生に水泳五輪銀メダリストの入江稔夫氏(故人)をはじめ、ノーベル文学賞を受賞した川端康成氏(小説家、故人)、津賀一宏氏(パナソニック社長)、車谷暢昭氏(東芝会長)らがいる。

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