週刊大阪日日新聞

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2020/1/25

どうする相続 争いを防ぐために!! 今回のテーマ「納税」

 前回、相続税の対象となる財産の種類が多く、その額を決める評価方法が複雑であることを書いた。専門的な知識も必要で、正直、税制は「難しい」と感じてしまう。逃げ腰になったり、見ないふり≠決め込むなんてこともあったりする。しかし税金(納税)は国民の義務であり、逃げられない。ぐずぐずして遅れようものなら、利息がかかって、「高いもの」になってしまうので注意したい。

期限超過・間違いでペナルティも

 葬儀も済んで半年ほど経つと、税務署から「相続税の申告等についてのご案内」という資料が送られてくることがある。

 すべての遺族に送られてくるわけではない。また税務署が相続税の要・不要を判断して書類を送ってくるわけでもないが、納税の必要があるのにほっておいて(亡くなった日から)10カ月を過ぎると、今度は強制的に調査を受けたり、延滞利息的な「延滞税」を課されたりすることになってしまう。もちろん案内が届かなくても申告はしなければならない。

 前回見たように、相続税の計算は複雑だ。それでも税理士には頼まず、自分で申告書を作成したいというのも可能である。この場合、細かい計算が多いため、計算違いをしやすいリスクを覚悟して実行することだ。

 相続税では11件に1件という高い確率で税務調査が入っている。これは間違いや漏れなどがかなり多いためで、しかも調査があった8割で、加算税などのペナルティーを課されるという結果が出ている。

 少し古い数字だが、2014年度の調査状況を見てみよう。相続税がらみの税 務調査は1万2000件で、なんとこのうち1万件に申告漏れがあった。金額としては3296億円という巨額になっており、1件あたりでは2657万円であった。これは法人税の866万円、申告所得税739万円と比べても、圧倒的に額が大きい。そして追徴税額は670億円で、1件当たり540万円になっている。

 ちなみに税務調査は、自らが申告する納税であるため、内容に誤りが生じることも予想され、不公平感が生じないように、適切に納税義務が果たされるようにするために行われるものである。すべてが受けるわけではない調査だが、相続税がとりわけ高い確率で入っているのは、誤りが多くて、それを正す必要からであろう。

 申告書の提出先は故人の住所地の税務署で、納税も同じ署か金融機関の窓口になっている。なお納める期限も申告と同じ10カ月以内であるが、厄介なのは「口座からの引き落とし」などはできなくて、すべて現金で、しかも一括で納めなければならない。期限を少しでも過ぎると、延滞税(2カ月間は年2・8%。それ以後は年9・1%)が生じるので、期限は厳守しょう。

 ただし現金一括については、遺産の大半が不動産で難しい場合には、分割払いの延納や物で払う物納が例外的に認められている。この場合、申請書を申告期限までに提出する。

 50万円未満で、3年以下の期間の延納については「担保」は不要だが、通常は担保が必要。土地や建物、有価証券などを提供するのだが、分割していない遺産や自分個人だけのものではない共有財産は担保にできない。延納期間は不動産の割合によって変わるが、最高20年まで認められ、利子がかかる。

 物納は延納によっても現金で払えないケースに限って認められる。そして物納できる財産は決められており、さらに順位も定められている。国債、地方債、不動産、船舶がトップグループで、次が社債や証券類、一番下位は動産となっている。

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