週刊大阪日日新聞

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2020/1/25

わずか1年で6店舗≠フスピード経営

(株)ワンダライフ


▲魚と野菜と天ぷらと 酒場リベリー(大阪市北区堂山町11─2 山よしビル)

 2018年12月から「薪火肉バルキッチンひろ」「鉄板飯と日本酒の肉バル BOUILLON〜ぶいよん〜」「魚と野菜と天ぷらと 酒場リベリー」など、わずか1年で6店に増やし、すべてを繁盛店に育て上げたワンダライフの茅原博嗣社長。インタビューを通じ、経営手法に迫った。

 ─40歳までに10店を目指しているそうですが、このスピード感ならまだ行けそうです。

 10店の理由は、信用する3人の仲間に3店ずつ任せ、残り1店を自分で経営したいと決めているからです。食べること、作ることも好きで飲食を経営していますが、それ以上に仲間に活躍の場を作ってあげたい気持ちの方が強い。

 ─明確なゴールと期限を決めているんですね。

 経営には一番大事なことです。


「大事なのは設計図」と話す茅原社長

異なる店のコンセプト

 ─肉バル、洋食、魚など6店とも料理のコンセプトや店のテイストが異なります。何か意図でも?

 第一はリスク分散です。同じ食材、同じ店名で多店舗展開すると、自然災害で食材が手に入らない、産地に風評被害が出た場合などのリスクを抱えてしまう。店名やコンセプトを分ければローリスクです。

 第二は客観的な視点からです。「この通りの、この角に、こんな店があったらいい」と、自分の中の「客目線」を大事にしています。例えば「この焼き鳥で勝負したい!」という店側の一方通行だと、焼鳥屋の隣りに焼鳥屋を開店してしまう。すると街全体で見れば面白みがない。だから、6店とも違いがあるんです。

大事なのは設計図

 ─新規出店で一番気を付けることは?

 初期投資額です。店舗取得費用、工事費などすべてを含めて一千万円までと決めています。そして、席数や坪数で大体の売上目標を立て、どのくらいの期間で回収できるかを試算します。

 ─綿密な計画が大事なんですね。

 費用算出は重要です。梅田の一等地なら初期費用や家賃が高額。しかし、人通りが多いから宣伝費はいらない。半面、駅から離れた店なら、初期費用は抑えられても、宣伝費をかけて人に知ってもらう努力をしないと、たちどころにつぶれてしまう。

 ─初期投資で出せる額と、経費の計算をして、一番マッチしたのが太融寺、堂山周辺だったんですね。

 自然とそうなっていました。

 ─宣伝にはどのくらいかけていますか?

 飲食業界は売上の4%程度が適切といわれますが、この立地条件なので10%を充てています。

 ─通常よりも多い。

 太融寺、堂山エリアは駅からあまり近くなく、競合も多い。人に知ってもらう努力が必要ですから。

徹底的に原因を探る

 ─それぞれを繁盛店にするには、しっかり自立してもらう必要がありますね。

 はい、私は力を抜いて≠「ます。全部自分でやろうとせず、ある程度自由にやらせています。

 ─仮に売上が下がったら?

 原因を俯瞰(ふかん)する。経費の使いすぎか、宣伝が足りないのか。 今やるべき一つ≠見つけ、さっさと修正します。

 ─どうやって原因を見つけるのですか?

 売上、経費、利益を前の年と比べる。単純なことですが、そこから見えてくるものが必ずある。売上が目標に達していなかったら、何が足りないかを徹底的に考え、達成できるようになるまで改善し続ける。これができなければ経営はうまくいかないと、私は思います。

記者の視点

 飲食店が好きで、自らの店が軌道に乗り、多店舗展開を考える場合、一度自分の中の「こだわり」を捨てて、客観的にみる視点を持つべきだと、茅原氏は言っていた。「自分が作る料理をお客さんは待っている!」といった思い込みを一度捨てて、お店の規模にあった宣伝方法、メニュー、客単価、かけてよい経費を冷静に見極める必要があるだろう。

 このコーナーは、飲食店の経営サポートを行うアクセススタートアップ(株)と週刊大阪日日新聞が共同で、オモシロイ経営≠ナ新しい飲食の価値を創り出している店舗をシリーズで紹介しています。

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