週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2020/1/11

梅田全体で集客を 

ヨドバシ梅田タワー 五鬼上(ごきじょう)大介館長インタビュー


▲「何でもそろう環境がコンセプト」と話す五鬼上館長

 家電量販店大手のヨドバシホールディングス(東京)が2019年11月、JR大阪駅北に大型商業施設「リンクスウメダ」を開業した。年間売り上げ千億円を超える隣接の「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」と一体化し、売り場面積は約9万平方mと商業施設としては日本最大級。スポーツ用品やスーパーマーケット、家具など多彩な約200店舗をそろえる。施設一帯の「ヨドバシ梅田タワー」を管理する五鬼上(ごきじょう)大介館長(38)にリンクスウメダ開業の狙いと今後の展望を聞いた。(聞き手は西山恭平)

リンクスウメダはオールターゲット

 ―オープンして約1カ月、手応えは。

 オープン10日で来館者数は500万人を突破し、来館者数とレジ通過客数は予想を上回っている。好調の要因はターゲットの変化。従来、ヨドバシ梅田は「メンズの館」というイメージがあったが、今は子どもとその母親の来館が増えている。

 ヨドバシカメラ5階とリンクスウメダ5階を一体的にキッズフロアとしたことで子どもが楽しめるというイメージが広がった。親子連れが足を運べば、食品売り場、カフェなどに消費が波及する。

 3階のレディースアパレルでは、主婦向けにリーズナブルな価格でトレンドは押さえたブランドを集めた。買い物だけでなく、休憩できたり、アミューズメントエリアで楽しめたり、複合的に作ったことで集客できているのは狙い通り。

 ―インバウンドも好調。

▲関西空港から直行バスなどが入るバスターミナル

 ヨドバシカメラのインバウンド客は全体の約1割。少ないと思われるかもしれないが、全体の母数が大きいので決して小さくはない。特に多いのはやはり中国人。リンクスウメダもニーズに合う店をそろえた。中国の方が好きな100円均一、中国で人気のバッグブランド「アネロ」、堺打刃物の「實光刃物」とインバウンドを狙って店舗構成を工夫している。

 ―近年、インバウンド層のニーズの変化は。

 爆買いはなくなった。数は減っていないが、額は減っている。しかし、外国人客は買い物自体を楽しんでいる。ヨドバシ梅田タワーではメードインジャパンの家電も買えるし、中国で流行しているものが買えたり、中国では売っていないような普段使いの衣料もある。インバウンドの人には相当楽しんでもらえるはず。

 ―このタイミングで開業した。

 20年の東京五輪には必ず間に合わせようと急ピッチで進めた。一帯が都市再生特別地区で、民間が自費で大阪市への貢献事業をすることで容積率の緩和措置を受けられた。例えば周辺の回遊性を高めるペデストリアンデッキ(歩行者専用通路)の整備や観光バスターミナルの設置、壁面緑化など。「ウメキタ」を関西の玄関口にしようとする市の構想に応えて上層階はホテルにした。

 ―周辺は商業施設が密集しているが、ヨドバシ梅田タワーの独自性は。

▲インバウンド(訪日外国人客)も訪れる地下1階の飲食店コーナー

 ヨドバシ梅田タワーはいわば「エンタメビル」。ターゲットもオールターゲット。トレンドを追いかける駅ビルも必要だが、家族が普段使いできる施設を目指す。ファミリーそろってではなく、お母さんと子ども、お父さんがそれぞれ毎日使えるような施設。家電が中心だが、スーパーマーケットや気軽に買える服、雑貨、英会話教室、地下の気軽な飲み屋など使いやすい店舗をそろえている。

 何でもそろう環境がコンセプト。そのためにお客さんがアクセスしやすい立地に巨大な土地を買って、開発する。幅広い品ぞろえを徹底し、あらゆる商品を全種類置く。ネット通販は注文販売なのでそれができるが、うちはそれをリアル店舗で実現できる。品ぞろえ、接客応対、商品知識という三つの基本を守ればネットが台頭していてもお客さんはリアル店舗に来てくれる。

 ―今後の展望は。

 年間売り上げ目標はヨドバシカメラで1200億円、リンクスウメダで500億円。施設全体で1700億円。両施設の相乗効果を狙いたい。まずは梅田に人が集まってくることが重要。リンクスの開業が梅田エリアの起爆剤になれば。梅田はコンパクトな町なので、エリア全体で人を呼び込んでいきたい。


pagetop