週刊大阪日日新聞

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2019/12/28

いま南港が熱い!

「水都国際中・高」「万博」「IR」

 「南港ってどんなイメージ?」―。コンビナートや物流倉庫が密集して、あまり住宅がないと思っている人も多いのでは。そんな先入観を一変するように大阪湾の最奥部にある「南港(大阪市住之江区、別称:咲洲)」は今、緑豊かな街並みが広がり人口も確実に増えている。2025年の大阪・関西万博やIR誘致などで今後、インフラ、交通網の整備が進む。さらに、全国初の公設民営で、最新の教育プログラム「国際バカロレア」を導入した中高一貫校「水都国際中学・高校」が開校するなど緑豊かな公園も多く、文教地区としての魅力も高まっている。

南港に世界基準の中高一貫校
国際バカロレアを4月から導入「水都国際」の1年目

特色のある学び≠展開

▲化学の授業風景

 2019年4月、住之江区の南港ポートタウンの小学校跡地に市立では2番目となる中高一貫校「水都国際中・高」(佐藤裕幸校長)が開校。保護者らの関心が高まる中、初めての新入生を迎え、公設民営の中高一貫校の独自教育を実践し、生徒も開校1期生として自ら学校の文化を作っていこうという意気込みにあふれている。

最新の教育法

 同校は大阪市が設置、管理・運営は国際教育の経験豊富な大阪YMCA(西区土佐堀1丁目)が担う。中高一貫校としては全国初の公設民営で、4月からアクティブ・ラーニングのプログラム「国際バカロレア」の教育課程を導入する予定だ。

 同校では一部授業を外国人教師が英語を使って教えている。生徒のリスニング力は入学1カ月程度で、教師の英語での指示を理解できるようになる。


佐藤裕幸校長

 授業方法も教壇に立って教える通常の教室形式から、グループごとにディスカッションをする形式、生徒が教え合う形式とさまざまな方法で学びを深めていく。

 このほかにも、単元の最初に教師が15〜20分程度の動画を生徒専用サイトにアップし、それを予習として見てから授業に臨む「反転学習」(高校数学)や、宇宙植物学(中学理科、高校生物)について学んだりと特色のある授業を展開している。

課外活動も学びの場

 課外活動も盛んで「みつける、つなげる、つくっていく」をコンセプトに毎月、生徒会に自分たちがやりたい課外活動を提案することができる。全ての課外活動は生徒有志からの提案、生徒会での承認、というプロセスを経て成立。現在、20程度の活動が行われており、バドミントン、ダンス、軽音楽、環境問題、SNSプロジェクト、競技かるたなど、生徒たちが主体となって活動している。


▲水都国際中・高の外観

 1期生の生徒たちは積極的に人前で発表するなどいろいろなイベントにチャンレジした。主なイベントを挙げると、学校説明会でパワーポイントを使って学校説明をした生徒、ICT展でプレゼンした生徒、開校記念式典の運営に参加した生徒、校歌作成プロジェクトに参加した生徒、水都祭(文化祭)などの学校行事を実行委員として運営した生徒など、生き生きと活動した。

『One Team』に参加を

 佐藤校長は「生徒・教職員が『One Team(ワンチーム)』となり、取り組んでくれたことは、私の職業生活の中でも特に印象深い経験となりました。開校して9カ月、入学した生徒が急速に成長していく姿を間近で見てきました。今は、不安が自信に変わってきています」と話し、受験生に対しては「本校は素晴らしい学校になります。私たちの『One Team』に参加して、一緒に素晴らしい学校生活を作っていきませんか」と呼び掛けている。


約2兆円の経済波及効果
80億人でつくる未来社会の実験場

 大阪・関西万博(運営主体・日本国際博覧会協会)は2025年4月13日〜10月13日(予定)の計184日間、大阪市湾岸部の「夢洲」(此花区)で開催される。1970年以来、55年ぶり2度目でテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。世界中の一人一人が可能性を発揮すると共に、持続可能な社会のビジョンをつくる取り組みを推し進める。

 会場イメージは、未来社会の姿を反映させ、ランダムに配置するパビリオンによって世界に広がる個々の人たちを表現する予定。会場を世界中の80億人でつくる未来社会の実験場≠ノ見立てる。また、IT技術を活用し、会場を訪れることができない人にもバーチャルで参加できるようにする。来場者数は国内外から計2800万人を想定、経済波及効果は約2兆円を見込んでいる。

 一方、会場建設費は約1262億円と見積もり、国、大阪府と大阪市、民間が3分の1ずつを負担することで合意している。

1日15万人運ぶアクセス確保

 舞台となる夢洲は北側の舞洲と夢舞大橋で、南東の咲洲と夢洲トンネルでつながる。市中心部からのアクセスは現在、この2ルートのみ。大阪メトロは中央線を夢洲まで延伸する計画を発表しているが、地下鉄延伸や土地造成などの費用に計約730億円が必要となると見込まれている。

 府・市は昨年10月、円滑な来場者輸送を目的に、新大阪駅と会場を高速道路でつなぐための「淀川左岸線第2期工事」の万博開催前の完了を要望している。このほか、客船ターミナル整備や高速道路整備も浮上しており、今後は開催日までに1日平均15万人と見込まれる来場者のアクセスの確保が課題となっている。

オールジャパン体制で

 松井一郎大阪市長は地元からパビリオンを出展するため、企画内容を検討する「有識者懇話会」を設置。府と共同で運営し、2020年度中に「出展基本構想」をまとめる目標を示している。

 安倍首相は「素晴らしい万博を実現するために引き続き、大阪・関西の皆さまをはじめ、オールジャパンの体制で、全力で取り組んでいきます。日本の魅力を世界へ発信する絶好の機会。わが国を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性する『起爆剤』になると確信しています」とコメントしている。


大阪万博決定でIR誘致も有力候補

IRを大阪経済成長のエンジンに

▲大阪府・市がIR誘致の候補地とする「夢洲」(大阪市港湾局提供)

 大阪府と大阪市が同市湾岸部の「夢洲(ゆめしま)」(此花区)にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指している。国内では当面、施設数は3カ所までとされ、全国の誘致自治体の中でも大阪は有力候補。夢洲では2025年の大阪・関西国際博覧会(万博)の開催が決まっており、これに加えてIRの誘致に成功すれば相乗効果によって大阪経済の活性化に弾みがつくと期待されている。

複合型の観光施設

 IRは英語の「Integrated Resort」の頭文字で、民間事業者がホテルやレストラン、ショッピングモール、エンターテインメント施設、国際会議場、カジノ施設などを一体的に整備して、運営する複合型の施設。

 IRの整備について、カジノフロアの面積は、IRの延べ床面積の3%以下と決まっている。日本人客が入場できるのは週3回、月10回までで、6千円の入場料が設定されている。

継続的な経済効果

 府・市は2024年の一部開業を目指しており、世界最高水準の成長型IRで世界中から人やモノ、投資を呼び込む。ビジネス客やファミリー層など世界の幅広い層をターゲットに夢洲にIRができた場合の運営による経済波及効果は年間6900億円で、雇用創出効果は同8万3千人と試算されている。


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