週刊大阪日日新聞

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(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2019/12/28

2020防災マニュアル 防災グッズと災害への備え

 国内各地で発生する自然災害は近年、広範囲の被害や長期間の避難生活を強いられるなど、激甚化の傾向にある。大阪では2018年6月に発生した府北部地震、同年9月の台風21号による被害などが記憶に新しい。近い将来、南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、自分たちで防災グッズを備えることも「自助」の一つの形となる。

たまゆら

機能的衣類は身を守る 夜間の災害発生時にも活躍


▲カジュアルなデザインだが、高機能で低価格なジャケット

 過酷な現場で働く人たちが身に付ける作業着は、耐久性のある生地が使われ、視認性や保温性に優れた機能的な衣類が豊富にある。近年は、普段着として手軽に着用できるデザインも増加。いつ発生するか分からない災害に備え、日常生活に機能的な衣類を取り入れることも、防災や減災の一つの手段になる。

 作業服や作業用品販売の「たまゆら」(枚方市南中振3丁目)のカジュアルショップ「Tamayura Athleイオンモール鶴見緑地店」(大阪市鶴見区)は、作業着作りのノウハウを生かした、プロ品質の普段着を低価格で提供している。

 ソールから足の甲を覆うアッパーまで全部がゴム製の靴は、就寝時に枕元やベッドの下に備えることで、夜間の災害発生時には屋外への避難に役立つ。

 大規模災害では、電力に伴い街が暗闇に包まれることもある。反射材を繊維に折り込んだ「リフレクターウエア」や帽子は、車のヘッドライトを反射して、自身の存在をドライバーに知らせる。プリントされたロゴや文字が反射するジャケットもあるなど、過酷な現場で培われた技術を反映した衣類は、いざという時に身を守るアイテムにもなる。

  • ▲ゴム製の靴は軽量で、就寝時に枕元やベッドの下に備えることで夜間の避難に役立つ

  • ▲作業服の売り場を感じさせない店舗=大阪市鶴見区


マツダ紙工業

段ボールで不自由な生活支える プライバシー確保やストレス低減に


▲個室タイプの女性用更衣室は、授乳室としても役立つ

 段ボール製品や段ボール製家具の製造・販売を手掛けるマツダ紙工業(東大阪市衣摺5丁目)は、簡易ベッドや簡易トイレ、授乳室などの防災備蓄、減災製品を製作している。長期間に及ぶこともある避難所暮らしで、プライバシー確保やストレス軽減、病気の予防などに役立ち、避難先での不自由な生活の負担を和らげる。

 1995年の阪神・淡路大震災で、避難所でのプライバシー確保が問題になっているという報道に触れ、自社の段ボールを貼り合わせた間仕切りを作り、避難所に届けた。

 2011年の東日本大震災では、発生後すぐに自立式の間仕切り2500セットを用意し、自社のトラックで被災地に送った。被災した人を勇気づけようと、白地の段ボールを「日の丸」に見立て、「がんばろう 日本」のメッセージも添えた。

 被災者支援を続ける同社は、段ボール製の防災グッズを次々開発している。

 災害発生時、避難所となる体育館などでは床で就寝することが多く、埃(ほこり)や雑菌を吸い込むことになり、一定の高さを確保できる簡易ベッドは効果を発揮する。

 大人が数人乗れる強度があり、就寝時以外はベンチとしても活用できる。狭い場所に長時間座り、血行不良となって引き起こされる「エコノミークラス症候群」の予防も期待される。

 備蓄用の簡易トイレは、和式トイレにも使用できる仕組み。女性更衣室や授乳室になる製品は、軽量で女性でも簡単に組み立てることができる。内側からファスナーで施錠でき、「使用中」を伝えるプレートも完備していて、簡易トイレ用のスペースとしても活用できる。

  • ▲2011年の東日本大震災発生時に福島市に届けた段ボール製の間仕切り(マツダ紙工業提供)

  • ▲ベンチとしても活用できる段ボール製の簡易ベッド


阪神淡路大震災から25年
防災と被災者支援の貴重な資料を展示
人と防災未来センター

阪神高齢者・障害者支援ネットワーク元理事長の故黒田裕子氏

 2020年1月で阪神・淡路大震災から25年となるのに合わせ、人と防災未来センター(神戸市中央区)は、同センターで河田恵昭センター長とNPO法人阪神高齢者・障がい者支援ネットワーク元理事長の故黒田裕子さんの防災に関する資料、計2千点以上を公開する企画展を開いている。入場無料。3月8日まで。

 河田センター長の防災に関する資料を集めた「河田文庫」が、同センター内に開設されるのを記念し、自身の論文や携わったプロジェクトの報告書、講演会の原稿などを展示。実際に手に取って閲覧することもできる。

 「被災地のナイチンゲール」と呼ばれた黒田さんの資料では、阪神・淡路大震災発生時に神戸市西区の西神第7仮設住宅で、被災者に寄り添う「ふれあい訪問」をした際、被災者ごとの生活の様子や会話の内容などをまとめた活動記録の一部、活動の様子を捉えた写真も公開している。

 午前9時半〜午後5時半。月曜日と12月29日〜1月3日は閉室。


災害への備えどうする?

家具固定や備蓄 保存できる食料を

 いつどこで発生するか分からない自然災害。行政機関は、家具の置き方や食料、飲料の備蓄など、災害に対する家庭での備えを呼び掛けている。

 1995年の阪神・淡路大震災や2004年の新潟中越地震では、多くの人が家具の下敷きになって亡くなったり、大けがをした。

 家具が転倒しないように壁に固定したり、寝室や子ども部屋にはできるだけ家具を置かず、倒れた時には出入り口をふさがないような配置の工夫が必要だ。

 電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合に備え、飲料水や保存のできる食料の備蓄も欠かせない。

 飲料水は1人1日3リットルが目安とされ、非常食は乾燥させた米を水で戻して食べる「アルファ米」やビスケット、板チョコ、カンパンなどを人数分用意。防災のために特別なものを用意するのではなく、普段の生活で利用している食品などを備えることで、無理なく防災につなげることができる。


モリタ宮田工業

生活空間に調和する消火器 ライフスタイルになじむモノトーンカラー


▲モノトーンカラーの住宅用消化器

 赤色のイメージが強い消火器は、自宅用に購入しても家具との不調和が敬遠され、げた箱や押し入れなどにしまわれるケースが多い。消火器や消火設備メーカーのモリタ宮田工業(東京都)は、「防災をライフスタイルに」をコンセプトにした白色と黒色のモノトーンカラーの住宅用消火器を、2019年から販売している。

 同社は新ブランド「maffs(マフス)」を立ち上げ、生活空間に調和して家具と違和感のない製品デザインなどを研究している。

 住宅用消火器は、家の奥に片付けられると一部の家族しか消火器の場所が分からず、初期消火が遅れる懸念もある。こうした事態を解消しようと、カラーに工夫を凝らした。

 家庭内で間違えて放射しても、消火薬剤に酢酸を主原料にした「中性強化液」を使用しているため、口に入っても人体に影響はほとんどない。液体のため、拭き取るだけで後片付けができる。

 家族で防災意識を共有するきっかけにつなげようと、購入日や使用期限を書き込む「メモリータグ」を付属した。

 2019年12月、大阪経済大(大阪市東淀川区)で行われた防災ウオークイベントに出展。来場者が製品を手にして、家庭での防災を考えていた。


▲大阪経済大で行われたイベントで、来場者は実際に製品を手にした

あなたの家の備えは大丈夫?

非常持ち出し品 ※大人2人分の目安

  • □非常持ち出し袋    1個
    □缶入り乾パン(110g) 2個
    □飲料水(500ml)    6本
    □懐中電灯       2個
    □ローソク       2本
    □ライター       2個
    □携帯ラジオ      1台
    □十徳ナイフ      1本
    □軍手・手袋      2組
    □ロープ 5m〜     1本

  • □救急袋      1枚
     救急袋の中に入れておく
     ・毛抜き     1本
     ・消毒液     1本
     ・脱脂綿     適当量
     ・ガーゼ(滅菌) 2枚
     ・ばんそうこう  10枚〜
     ・包帯      2巻
     ・三角巾     2枚
     ・マスク     2枚
     ・常備薬、持病薬 適当量
    □レジャーシート  1枚

  • □サバイバルブランケット 2枚
    □簡易トイレ       2枚〜
    □タオル         4枚〜
    □ポリ袋         10枚
    □トイレットペーパー  1ロール
    □ウエットティッシュ   2個
    □現金(公衆電話用の小銭)
     約50枚
    □ガムテープ(布製)   1個
    □油性マジック(太)   1本
    □筆記用具       1セット
    □生理用品       など

個人や家庭の事情に合わせて備えを検討

  • 必需品・貴重品類
    □車や家の予備鍵
    □予備メガネ・コンタクトレンズ
    □預金通帳の写し
    □健康保険証の写し
    □運転免許証の写し など

  • 乳幼児用品
    □粉ミルク  □おもちゃ
    □哺乳瓶   □抱っこひも
    □おむつ   □ベビーカー
    □おしりふき □母子手帳 など

  • 高齢者用品
    □高齢者手帳
    □大人用おむつ
    □老眼鏡(予備メガネ)
    □看護用品 など

リュックサックなど両手が自由に動かせるものに入れておき、いつでもすぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。

家庭に備えておくもの【非常用備蓄品】

  • □飲料水(2Lペットボトル)
    □非常用給水袋
    □アルファ米
    □乾パン
    □パン缶
    □インスタントラーメン
    □缶詰類
    □レトルト食品
    □スープ
    □味噌汁

  • □ビスケット
    □キャンディ
    □チョコレート
    □塩
    □着替え(上着・下着・靴下)
    □タオル
    □バスタオル
    □毛布
    □雨具
    □予備電池

  • □卓上コンロ
    □ガスボンベ
    □固形燃料
    □鍋
    □ラップ
    □アルミホイル
    □やかん
    □皿(紙・ステンレスなど)
    □コップ(紙・ステンレスなど)
    □わりばし

  • □スプーン・フォーク
    □歯ブラシ
    □石けん
    □ドライシャンプー
    □携帯電話の充電器
    □新聞紙
    □使い捨てカイロ
    □安全ピン
    □ブルーシート
    □ガムテープ(布製) など

大阪市「市民防災マニュアル」を元に編集


災害時の心構え

 災害はいつ起こるかわかりません。災害が発生しても落ち着いた行動が取れるように、日頃から準備を行っておきましょう。

連絡方法、連絡先の確認

連絡方法や、連絡先など決めておきましょう。同時に、連絡が取れない場合も考えて、待ち合わせ場所や避難場所を話し合っておくことも大切。

災害用伝言サービス

●災害用伝言ダイヤル「171」
●災害用伝言板(携帯電話各社公式メニューや専用アプリから)
●災害用伝言板web171

避難場所・経路の確認

 避難所や広域避難場所への経路を確認しておきましょう。また、住んでいる地域のハザードマップや被害想定を行い、リスクを確認しておくのも重要。

避難所
災害時避難所

 宿泊・給食等の生活機能を提供できる施設。小・中学校など。

福祉避難所

 災害時、高齢者や障害者など、一般の避難生活において特別な配慮が必要とする人たちを対象に開設される避難所。

避難場所
広域避難場所

 同時多発火災が発生し、人命に著しい被害を及ぼすと予測される場合の避難に適する大きな公園など。
 ※避難路→広域避難場所までの安全な道路

一時避難場所

 一時的に避難できる広場、公園や学校の校庭など。

津波避難施設

 津波などの水害から一時的または緊急に避難・待避する施設。

家具の配置・固定を確認

家の中に危ないものや注意することはないか、日頃から確認しておきましょう。背の高いタンスや冷蔵庫などは転倒防止器具で固定しておくと安心です。

非常持ち出し品、備蓄品の確認

非常持ち出し品や備蓄品の置き場所や中身を確認。食品などの場合は賞味期限の定期的なチェックも必要です。

災害時の役割分担を決める

「ガスの元栓を閉める」、「非常持ち出し品を確認する」など、いざというとき混乱しないよう、あらかじめ家族の役割を決めておきましょう。

防災訓練などに参加する

地元の防災訓練などには積極的に参加しよう。地域の防災体制の確認ができるうえ、救護、炊き出し、避難訓練・生活などが体験できます。

災害を知る・学ぶ施設

●大阪市立阿倍野防災センター
大阪市阿倍野区阿倍野筋3−13−23 あべのフォルサ3階
電話06(6643)1031
 http://www.abeno-bosai-c.city.osaka.jp/

●津波・高潮ステーション
大阪市西区江之子島2−1−64
電話06(6541)7799
 http://www.pref.osaka.lg.jp/nishiosaka/tsunami/

●阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
神戸市中央区脇浜海岸通1−5−2
電話078(262)5050
 http://www.dri.ne.jp/


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