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2019/12/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

ネット犯罪から子どもを守るには? 大阪・住吉 小6女児誘拐に何を学ぶか?

遅れを取る親や学校

 大阪・住吉の小学6年女児(12)が、ツイッターのダイレクトメッセージで栃木・小山市の男(35)とつながり、言葉巧みに600キロ離れた彼の自宅まで連れられ誘拐された事件。スマホ環境がもたらしたこの事件に、わが子が巻き込まれる可能性についても再認識したはず。子ども社会のネットの現状と対策を考えてみよう。

増える未成年被害

 地元大阪で起きただけに関心が高かった今回の小6女児誘拐事件だが、2017年に神奈川・座間市で起きた座間9遺体事件を覚えているだろうか。「心弱っている子狙った」、自殺願望を持つ10代、20代の男女ら9人が相次いで誘い出されて殺された事件だ。うち3人は高校生。発覚まで犯罪性が分からず対応が遅れたわけだが、この事件すらも氷山の一角に過ぎない。実は昨年の行方不明者は10代だけで1万6418人。9歳以下も1216人いる。つまり、警察もおいそれとは動いてくれないことが分かる。

 警察庁によると、今回のようなSNSをきっかけにして誘拐などの犯罪に巻き込まれた18歳以下の少女は昨年だけで1811人。うち91人は殺人や誘拐など凶悪事件の被害者になった。件数はここ5、6年で増え続け、10年前と比べても高校生は3倍、中学生は2倍、小学生で4倍になっている。

 米国の場合は児童オンラインプライバシー保護法があって、業者や保護団体がネット通信を監視しているが、日本ではこうした公的チェックシステムがまだない。つまり犯罪の急増に取り締まりの方が追いついておらず、いずれ「あおり運転」のように法制化される可能性が高い。

悩める少女に迫る魔の手

 家庭や学校は個人情報保護には熱心だが、知らないうちに被害者になったり、逆に加害者として摘発されたりするリスクにはまだまだ理解度が低い。半数の親はスマホを「自分たちの時代のテレビと同じで、子守してくれるツール」くらいに捉えている。

 試しにツイッターで「#家出少女、#神待ち」などを検索してみるとウジャウジャと出てくるように、実社会に居場所がない少女たちはネットに助けを求めている。誰かに話しを聞いてもらいたいだけの場合が多いが、同性・同性代を装った悪質な男たちが裏で手ぐすね引いて待っている。

被害者、加害者 こんなケース

 では、被害者になるケースにはどんな物があるのか?@自撮りの裸などの画像を送らされる。女子だけでなく男子の被害も(「児童ポルノ製造・提供」容疑) Aその写真をネタに呼び出され、わいせつ行為などをされる(「準強制わいせつ」容疑) Bそれらの写真をネット上に拡散される(「児童ポルノ製造・提供」容疑) C冒頭に紹介したような連れ出しや誘拐(「未成年者誘拐」容疑)だ。

 一方、知らない間に加害者になるケースではどんな物があるのか? @コンピューターウィルスの拡散。所持するだけでも犯罪(「不正指令電磁的記録共用」容疑) Aネット上で管理されるデータなどを消したり、盗み出したり。いたずら心で自分のハッキングの腕前を自慢しようとして重大犯罪に(「不正アクセス禁止法」容疑) B爆破予告などを投稿(「威力業務妨害」容疑) C誹謗中傷などを書き込み(「名誉き損」容疑) D援助交際、女子高生ビジネスなどの書き込み。子ども側から誘うのも犯罪になる(「出会い系サイト規制法」容疑)と範囲は広い。

子どもを守る機能とアプリは?

 こう見ると、段々恐ろしくなって「子どもにスマホを持たすのを止めようか?」と考えたくなるが、小中学校で解禁しているところも多く現実的ではない。スマホへの大人の理解度が低いのが問題で、例えばツイッターはシステム的に13歳以下が利用できないように制限されているが、それを知っている親や先生は少ない。

 フィルタリング機能も未成年の携帯に義務付けられているのに、実際の使用率は36・8%しかない。すべての接続を管理し、アダルトや暴力・薬物、出会い系へのアクセスを防いでくれるが、自分が通う学習塾のサイトに行けなくなるなど使い勝手が悪くなるので、余り利用されていない。

 次はペアレンタルコントロールやスクリーンタイムと呼ばれる子どものスマホの利用状況を親のスマホでチェックするシステム。携帯電話会社の店舗で設定してもらうが、必ず双方のスマホ2台がいるのでこちらも面倒がる人がほとんど。

 究極の対策は、有料の見守りアプリ「FiLii(フィリー)」。子どものスマホのつながり分析を常時行い、危険メッセージ通知や各アプリの利用状況把握が親のスマホで見られる。

 今回の小6誘拐事件で報道番組 などに出演する専門家が、「親子で話し合って、家庭でのルールを作ろう」と呼びかけているが、使用実態を知らなければ無意味。子どもたちは「あの手この手」で、親からの利用制限をすり抜ける手を画策しているし、学校では友達と一緒に共同研究して抜け道を探していると覚悟した方がいい。

アナログ感覚も忘れずに

 では私が実践している安全に使うためのポイントは3つ。@見るだけで書き込みはしない。私はこのクチで、SNSは利用して閲覧はするが書き込みや返事は出さない。やり取りするのは、1対1のメールやLINEだけ。そのLINEもグループ入りは拒否。Aメールにしてもそうだが、やたらと長文を送り付けたり、頻繁にアクセスしてくる相手、つまりしつこい人は怪しむ。あくまでSNSは補助的な役目で、大事な事は会って直接話すBネット上の付き合いで、実際に初対面となる人とは1人で会わない。相手がホントは何者かが分からないから─を実践している。

 子どもたちのリスク管理には@ネットに上げた事柄は秘密を保てない、と知らせるA不審を感じたら、そばの信頼できる大人に相談Bパスワードや本名、住所などを安易に教えない。写真に学校や利用駅など個人が特定される場所の映り込み注意Cネットのプロフィールを簡単に信用して1人で会わない、を徹底することが大切。

 家庭では、まず今回の住吉の小6少女の事件の話題から、親子の話し合いを始めて、システム利用を積極的に行おう。ネットトラブルで困った時の大阪での公的相談窓口は、グリーンライン06(6944)7867があるので、ちょっと覚えておいて。

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