週刊大阪日日新聞

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2019/11/23

どうする相続 争いを防ぐために!!

今回のテーマ「相続税」

 遺産を相続した場合、その遺産総額が多ければ、相続人は「相続税」という税金を支払う必要がある。相続があることを知った日から10カ月以内に、申告書を作成し、税務署に提出し、なおかつ納税しなければならない。申告書には、その数字の根拠となった資料の数々も添付しなければならず、作業量が膨大で、はっきり言って面倒である。しかし、やらなければいけないことだ。

相続税は金持ち≠セけではない

 相続税は相続した者全員にかかるわけではない。対象となるのは「基礎控除以上の遺産がある」場合にのみで、限定的に発生するものだ。つまり金持ち≠ェ亡くなったケースだけが対象とされ、一般市民にはなじみが薄いものであった。

 ところが2015年に改正された。それまで基礎控除額は「5000万円+1000万円×法定相続人の数」だったものが「3000万円+600万円×法定相続人の数」となった。例えば相続人が妻と子ども2人であったとする。改正前の基礎控除額は8000万円だったが、改正後は4800万円になってしまった。

 4割も減ってしまったおかげで、それまで亡くなった人100人のうち、たったの4人にしかかからず、一般庶民にとっては無縁のものであったはずの税金が、一気に気にしなければいけない≠烽フになってしまった。

 さて、では具体的に相続が発生し、やらなければならない基本的な手順をあげていこう。

 最初にやることは、これまでにも書いてきたように、故人の相続財産が「どこに」「何が」「いくら」あるのかを把握、確認することだ。

「いくら」かの算定がややこしい

 財産と言われれば土地や建物といった不動産や預貯金はだれでも思いつくが、これ以外にも株や投資信託、ゴルフ会員権、自家用車なども財産であり、「意外にも高額だった」なんて絵画や趣味で集めていたものとか「金塊」、額は小さいが電話加入権、さらには死亡保険金や死亡退職金も含まれる。借入金や葬儀費用といったマイナス財産もある。

 しかも難しいのは、その財産が「いくら」だ。「いくら」は相続税がかかるかどうかを知るために必要であり、第一歩であるのだが、これが難しいというか、ややこしい。「いくら」なのかは、相続財産の種類によって評価方法が違うのである。

 例えば、宅地ならば「路線価×面積」であるとか、建物ならば「固定資産税評価額×1・0」といった具合になっているが、これが借地だと方法が違ってくる。

 株式では「上場」と「非上場」では評価方法がまるで違う。上場株は死亡日の終値で評価されるが、大きく変動する可能性があるため、「亡くなった月」とその「前月」「前々月」の「毎日の終値」の平均額が、死亡日の終値と比較して低ければ、そちらを評価額にしてもよい。一方、非上場≠ヘ「原則的評価方式」と「特例式評価方式」の2種があり、相続人がオーナー一族などの「同族株主」の場合には原則的≠ナ評価するなど、とにかく評価方法は財産ごとに細かく決められており、複雑だ。なかでも不動産は特例も設けられているし、相続税特有の評価方法を用いるため、専門的な知識が必要になっており、一般市民にとっては少々難敵≠ナある。

 相続税の対象には、死亡保険金や退職金といった「みなし相続財産」を含めた、この相続財産に加えて、もうひとつ、亡くなる前3年以内の生前贈与も加算対象となる。逆にマイナスできるのが、相続人が負担する債務や葬式費用などで、公益法人などへの寄付金も引ける。

 「いくら」がはっきりすれば、相続税の概算は把握できる。「いくら」が基礎控除額を超えていれば、申告と納税が必要であって、法定相続人がひとりで「3600万円以下」ならば、相続税は「一切かからない」。この目安を覚えておけば、便利このうえなく、その後の「すべき行動」も決まるというわけだ。


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