週刊大阪日日新聞

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2019/11/9

「我こそ」思惑交錯 

国内4都市 カジノ誘致合戦


▲オリックスの高橋氏(右上)と握手するMGMのバワーズ氏。写真下はサンシティのブース=コラージュ

 大阪、和歌山、長崎、横浜の4都市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を表明する中、日本初をうたった「IRゲーミングEXPO(エキスポ)」が、大阪市住之江区のインテックス大阪で開かれた。米国や香港、マカオの海外事業者は、それぞれ参入を目指す国内各都市をオンリー∞ファースト≠ニ強調。国内のIR整備区域は最大3カ所とあって、存在感を示そうとする自治体の姿もあった。4都市の誘致、参入を巡る思惑が、なにわの地に交錯した。

大阪だけを第一に

 「われわれの方針は変わらない。大阪を第一に考え、大阪だけを第一に見据えている」。米MGMリゾーツ・インターナショナル日本法人のエド・バワーズ最高経営責任者は、10月24日のEXPO開幕でこう切り出し、天神祭などの地元イベントに参加した実績を訴えた。

 MGMとタッグを組み、この日初めて共同記者会見したオリックスの高橋豊典グループ関西代表も、自社の「発祥地関西」を紹介。両氏の言動は、大阪でのIR入札参加を見送り、横浜に軸足を移した事業者との違いを暗に示そうとしていた。

 実際、香港のメルコリゾーツ&エンターテインメントは「横浜ファースト」を表明したばかり。それでも、大阪開催のEXPOに出展したのには訳がある。国内観光の需要喚起に貢献する姿勢を示すことで、EXPOに来場した全国の観光産業界とウインウインな「相乗効果」(担当者)を発揮するためだ。横浜に目を向ける米ラスベガス・サンズも、同様の理由でEXPOのPRステージに立っていた。

和歌山への参入狙う

 「大阪、横浜と比べてポテンシャルが大きい」と語るのは、和歌山への参入を狙うマカオのサンシティ・グループの担当者だ。「木の国」「水の国」と呼ばれる和歌山を世界に発信すると記した提案書を配布し、アルヴィン・チャウ会長自身も「和歌山オンリー」と取材に答えた。EXPOへの出展理由として、同じ会場内に専用ブースを開設した和歌山県を意識していたことは間違いない。

 和歌山県だけでなく、長崎県もIR推進課の職員をEXPO会場に派遣していた。IR誘致に対して県議会は賛成91%、地元の佐世保市議会は同83%に上った点を説明。自治体間の取り組みについて、長崎と大阪が和歌山、横浜に先行しているという状況も示し、誘致合戦の一端をのぞかせていた。


統合型リゾート施設(IR)

 収益の柱となるカジノのほか、国際会議場、ホテルなどを一体整備した巨大集客施設。昨年7月にIR整備法が成立し、日本でもカジノ営業が解禁された。同法は第1弾の整備区域を最大3カ所としている。都道府県や政令指定都市が事業者と連携して計画を提出し、国が経済効果などを評価して選定する。大阪府・市が運営事業者決定を目指す時期は来年春。国が見込むIR開業時期は2020年代の半ば。


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