週刊大阪日日新聞

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2019/10/26

次代の力育む中学教育 中高一貫校の現場から

清風南海中学校

グローバルリーダーを育成


▲ポスター発表に向けて準備に臨む生徒ら

 少子高齢化やグローバル化が進み、予測困難な時代に対応できる力が求められる中、教育の在り方が問われ、中高一貫校への注目度が高まっている。その入り口となる中学では、どのような教育手法が展開されているのか。現場の実践を追う。

 公立校の約1・5倍の授業時間を確保し、生徒全員の学力を国公立大合格水準に高めるためのカリキュラムを展開するとともに、教科を横断する形で、世界に通用する人間力育成に向けたグローバル教育を繰り広げている。多様な価値観を受け止めた上で、自身の考えを伝え、社会の課題を解決する。そんな「グローバルリーダー」の育成を推進している。

 スウェーデンのリサイクルの仕組みを通して環境問題に切り込み、幸福度が高いとされるデンマークの文化から女性活躍の要因を読み解く─。2年生の総合的な学習の時間の一場面だ。班ごとにさまざまなテーマを決め、世界の国々の状況を分析しては、日本と比較して考えを巡らせる。

■将来の夢へつなぐ

 この調べ学習の取り組みは3学年全てで実施。学年ごとに計画的に課題を設定し、班活動で取り組ませる。生徒らは、夏休みに理科や社会の宿題として着手し始め、2学期の総合学習の時間で資料などを作成。11月には、調査結果をポスターにまとめて発表する。

 1年は、身近なものや地域の中から調査したいテーマを扱わせる。本やインターネットの情報だけでなく、フィールドワークを重視。夏休み期間には現地取材を促す。物事を追究する力を養うのが狙いだ。

 2年には、日本と世界各国を比較させる。世界に目を向けさせるとともに、本質を導き出すために必要な「比較する力」を育成。最終段階の3年には、世界の問題の解決策を考えさせる。論理的で分かりやすい発表ができるよう指導している。

 2年の中谷元紀さん(13)は、ガラス瓶などの商品を買うときに預かり金を支払い、瓶を返すとお金が戻ってくるスウェーデンの仕組みを調べ、「日本にはない取り組みを知るのは面白かった」と比較の重要性を体感していた。

 学年主任の射手矢武教諭は「取り組みを通して問題意識を持つようになり、将来の夢につながっていけば」と思いを込める。


▲ニュージーランドで現地の人と交流を深める生徒ら
■多様な価値観を体験

 世界の価値観を体験する機会と、対話に必要な語学力も計画的に習得させていく。

 1年には1こま50分で週7・5こま分の学習時間を設定。外国人講師と日本人の英語の教諭が連携し、基礎を徹底指導する。

 2年にはニュージーランドの海外研修旅行を1週間程度で用意。生徒らは、1グループ当たり4、5人になって農家の家庭に泊まり、現地校の生徒とも交流する。海外の文化や価値観を体験させるとともに、語学への学習意欲を高めるのが狙いだ。

 その後、高校生活も含め、希望者を対象に、姉妹校との交換留学制度など多彩な機会を用意。海外からの帰国生や留学生の受け入れも積極的に行っており、さまざまな価値観と接する場面を設けている。

 入試広報部長の伊藤豪紀教諭は「国際社会に飛び込んでいくためには、早い段階から多くの価値観に触れ、相手を尊重しながら自分の思いを伝える力を身に付ける必要がある」と取り組みの意義を説く。

■校 長/平岡正巳
■設 立/1963年
■住 所/大阪府高石市綾園5─7─64
■生徒数/834人


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