週刊大阪日日新聞

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2019/10/26

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

次世代5Gネット社会にもつながる吉野さんのノーベル賞

リチウム電池がつくる5Gの未来

 吉野彰さんが日本人27人目、化学賞としては8人目のノーベル賞受賞者に決まったよ。大阪府立北野高卒業生では初で、吹田市出身なので大阪人として誇らしいよね。

 吉野さんが市販化へ道を拓(ひら)いたリチウムイオン電池に感謝しつつ、大容量電池に支えられた高速5Gスマホの来春からの登場を考えてみよう。

吉野さんら3受賞者の関係

  1970年の石油ショックを機に石油に代わる代替エネルギー≠フ研究が活発化したんだ。「電気を使うだけ」という視点から、「電気を貯めて使う」という発想が生まれ、それまで使い捨てだった電池に充電をして、繰り返し使うという発想に転じたよ。

 今回、ノーベル化学賞をリチウムイオン電池開発で授与される3人の役割り分担は、
 @米ニューヨーク州立大のスタンリー・ウィッティンガム特別教授(77)が1970年代にレアメタル(希少金属)のリチウムを使うことで、アルカリ電池サイズでより多い電気が貯められることを発見。ただし電気量をさらに増やす手だてやリチウム有機電解液の発火爆発の危険性を除くための、電気の出入り口であるプラスとマイナスの電極材料が発見できなかった。

 A80年に米テキサス大オースティン校のジョン・グッドイナフ教授(97)がプラス極にコバルト酸リチウムを使えば大きな電力を得られることを発見。

 B依然として危険性除去が壁だったが、旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)がマイナス極に炭素材料を用いることで安全性を確保することに成功。

電池が支える未来生活

 91年からソニーなどが本格的に市販化して、パソコンやスマホの普及に欠かせない存在になったんだ。今ではドローンや電動自転車にも搭載されているよ。

 今後は、小型大容量の代名詞だったリチウムイオン電池を、つなぎ合わせて大型化。風力や太陽光などで発電した自然エネルギーを貯める蓄電池や、長距離走行可能な電気自動車への利用が期待されている。

 リチウムを酸化還元した空気電池の開発も進んでいるよ。手に入りにくいリチウムに代わって、海水を使ったナトリウムイオン電池がすでに実用化寸前にあるんだ。

 さらに電解液を使わず 「夢の電池」と呼ばれるシリコンをナノ粒子化した物質にイオンを通す全固形電池も登場。リチウムイオン電池の3倍以上の出力特性を示していて、今後の高速通信5G時代のIoT(モノのインターネット)を支える存在になりつつあるんだ。

5Gって何が違うの?

 来春に一般実用化されるその5Gとは「第5世代(ジェネレーション)」の略。5世代目ということは、当然それまでの流れがあるんだ。1Gはアナログ時代のショルダーホンと呼ばれたカバンのような大きさの無線電話。2Gは携帯と呼ばれた小型化された通話専用機で、途中でポケベル機能を吸収して簡単な文字のやりとりもできるようになったよ。3Gはドコモのiモード≠ネどインターネットに接続できるガラケーで、メールはもちろん、写真の送受信もできる。そして現在のスマホの4Gで動画にも対応できるようになったという流れだよ。

 新たに登場する5Gは「2時間の映画が3秒でダウンロードできる」といわれるようにスピードが武器。具体的にどのようなことができるようになるのかは下表を参考にしてみて。

端末一新はこれから

 5G時代になっても、現在の4Gスマホや3Gガラケーは当面は使えるよ。ただし、5Gは単に伝送路が整備されただけで、スマホを含めた送受信システムを5Gに対応した新企画機器にしないとメリットを得られないんだ。例えるなら、200キロ出せる高速道路を作ったけど、変わらず自転車で走っているようなものだからね。いずれ5G用のアプリが出てくると、現在の4G用アプリは順次置き換えられていくので、端末も対応型新機種に変えざるを得ない。

 3Gガラケーはiモード≠竍EZウェブ¢ホ応アプリがすでに来春をメドに次々と終了する予定。最終的に3Gガラケーは最終期限を示され、通話だけの端末に。4Gスマホもいずれ同じ道をたどるだろう。それが技術進歩、とユーザーは割り切るしかない。

次世代5Gの特徴

高速大容量
 動画のやりとりなどが増え、2010年からの10年間を見ると、データ通信量は1000倍に。画素数が多く、現在は衛星放送だけに限られているテレビの4K、8K放送も技術的には地上波で可能になる。

超多数端末接続
 一度に多くのネットワークが構築できるという意味。よく聞くスマート家電≠ェ本格化するよ。つまり、IoT(ユーザーと家電をインターネットでつなぐ)やM2M(機器同士の間での通信)が簡単になる。具体的には、教室で生徒1人ずつのレベルに合わせ、タブレットを使って同時進行で個別指導をしたり、競技場で全方向にカメラを設置しタブレットなどで見たい角度から選手を追うこともできる。

超低遅延、超信頼
 ほとんど時差なく映像や音が届くように。判りやすいのは、ネット電話やテレビ中継での時差がなくなってイライラが解消。テレビ会議もサクサクできるようになり、会社に行かずに働くテレワークが拡大する。もっと大きいのは、即時反応で事故やミスを防止できることから、自動運転や産業用ロボット、遠隔医療の使い勝手が飛躍的に向上する。

省電力 省コスト
 これはまだ研究途上で実現していない。4Gより5Gの方が当然スマホの電池が早く減る。その分充電代金も必要。対応電池はリチウム以外でも開発研究が進んでいる。


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